![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/c8/9575b805b68156ad792ed497c6de3603.jpg)
「ここで生まれて80年の人と、神奈川で生まれて20年の自分とは違うんだな」
「ここで生まれた80年の人」と行動を共にした後、そうダンナは言いました。
集落のお堂の屋根の積雪が、ついに限界に達しかけた様子だったそうで、
隣のお父さんが「一緒に雪下ろしをやってくれんか」と電話がありました。
(かつて、冬の積雪でお堂はつぶれたことがあったそうで。)
翌日、お父さんが、かんじきはいて2本の杖をつきながら、
ダンナを迎えにきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/70/1566a3c4b594d717bea74afb3743a330.jpg)
「ここまで来るのに35分かかった」とぼそりと言いました。
繰り返し言うのを許してもらうなら「お隣さん」です。
雪がない時よりも、我が家に着く時間が、なんと7倍もかかっています。
雪はさらに降り続き、それでもお堂の屋根の雪下ろしを決意する、
その心を私は、表現する術がありません。
当たり前のことではない。それだけはわかるのですが。
すごいものを見ている気持ちがしました。
ここにいると、ものすごく当たり前のような慣習のようにすら思えますが、
そんなことはもちろんないんですよね。
ダンナがはしごを持ち、つえをつくお父さんの後ろに
ゆっくり、ゆっくりと
降る雪の中、
お堂へと向かう姿は、
なんかのおごそかな儀式のようでもありました。
(あんまりにもゆっくりすぎて、ということもあるけれど)
少ししたら、ダンナが帰ってきました。
「どうした。早いな」と問うたら、
「寒すぎる。危険な予感がして、一度もどってきた」と、
足と手袋の中にカイロを入れて再び戻っていきました。
完全防備のつもりで行ったが、まだ足りなかった。
それほどの雪、寒さ、風、そして立地(滝の近く)。
「一度もどらせてもらう」と言ったら、
80代のお父さんは「いけえ(たくさんの)雪だな」と言って、再び雪かきを続けたそうだ。
「すごい人だ」とダンナは言う。
しばらくしてから、その様子を息子と一緒に見に行ってみると、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/b4/1d022d262a1543fc9331983c9ed4b736.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/29/4abdffc3e17bb9a5907b95bf19b0b851.jpg)
(失礼ながら)想像していたよりもはかどっていない。
屋根に到達するまでの間に、かかなくてはいけない雪がたくさんあったようで。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/a9/7e57eb86ba717ce1775074844ac5c405.jpg)
午前中だけでは終わらず、結局2時近くまでかかってもどってきたが、
とにかくぐったりしていました。
それでも弱弱しく見せる笑顔が、余計に切ない。
ダンナ曰く「己れの体の軟弱さ」を嘆いていました。
冒頭のセリフはその時のものです。
その後、別の集落の人から電話がかかり
「どこそこの坂で、下(の町)からきた眼鏡屋さんが、
雪で車が動けなくなっているらしい。
悪いが、助けてやってくれんか」と。
でかけるダンナ。
どうやら、眼鏡屋さんはこの雪の中を、
二輪駆動で、しかもタイヤもつるつるの状態で、やってきたそうで。
曰く「そりゃ動けなくなるわ」という車だったらしく、
眼鏡屋さんの車には2人の男性が乗っていたそうです。
何故、どちらかが、スノータイヤにかえようと言い出さなかったのか。
何故、途中の積雪で引き返そうと言い出さなかったのか。
雪山にパンプスで出掛けるような真似を何故何故してしまったのか。
場合によっては、生き死にに関わる問題だけに、なんとも考えさせられてしまいました。
ともかく、この日のダンナは、誰かのために働き、誰かのために生きた日でした。
その夜、冷えからくる痛みで眠れなかったらしく、
せめてもの供養(?)に、そのことをブログに書こう、と言ったら、
「お堂に失礼のないように」と一言。
そして、タイトルのような言葉を言ったら、
「決して、決して、そんなことはない」と言った。
お堂に対してやったことなんだからね、と笑って言った。
ダンナと私、同じ年齢(33歳)とは思えない、
そんな(どうでもいい)ことを思った1日でした。
一緒にドラクエの話とかしている時は思いっきり、同世代なんですけどね。
皆様、雪山に出掛けるときは万全の備えをお願いいたします。
ご自身の命と、雪山に住む人間の休息のためにも是非!・・・今日も1クリック、お願いいたします↓
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/2a/1d241406e279f88c131ad963e0c35642.png)
「ここで生まれた80年の人」と行動を共にした後、そうダンナは言いました。
集落のお堂の屋根の積雪が、ついに限界に達しかけた様子だったそうで、
隣のお父さんが「一緒に雪下ろしをやってくれんか」と電話がありました。
(かつて、冬の積雪でお堂はつぶれたことがあったそうで。)
翌日、お父さんが、かんじきはいて2本の杖をつきながら、
ダンナを迎えにきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/70/1566a3c4b594d717bea74afb3743a330.jpg)
「ここまで来るのに35分かかった」とぼそりと言いました。
繰り返し言うのを許してもらうなら「お隣さん」です。
雪がない時よりも、我が家に着く時間が、なんと7倍もかかっています。
雪はさらに降り続き、それでもお堂の屋根の雪下ろしを決意する、
その心を私は、表現する術がありません。
当たり前のことではない。それだけはわかるのですが。
すごいものを見ている気持ちがしました。
ここにいると、ものすごく当たり前のような慣習のようにすら思えますが、
そんなことはもちろんないんですよね。
ダンナがはしごを持ち、つえをつくお父さんの後ろに
ゆっくり、ゆっくりと
降る雪の中、
お堂へと向かう姿は、
なんかのおごそかな儀式のようでもありました。
(あんまりにもゆっくりすぎて、ということもあるけれど)
少ししたら、ダンナが帰ってきました。
「どうした。早いな」と問うたら、
「寒すぎる。危険な予感がして、一度もどってきた」と、
足と手袋の中にカイロを入れて再び戻っていきました。
完全防備のつもりで行ったが、まだ足りなかった。
それほどの雪、寒さ、風、そして立地(滝の近く)。
「一度もどらせてもらう」と言ったら、
80代のお父さんは「いけえ(たくさんの)雪だな」と言って、再び雪かきを続けたそうだ。
「すごい人だ」とダンナは言う。
しばらくしてから、その様子を息子と一緒に見に行ってみると、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/b4/1d022d262a1543fc9331983c9ed4b736.jpg)
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(失礼ながら)想像していたよりもはかどっていない。
屋根に到達するまでの間に、かかなくてはいけない雪がたくさんあったようで。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/a9/7e57eb86ba717ce1775074844ac5c405.jpg)
午前中だけでは終わらず、結局2時近くまでかかってもどってきたが、
とにかくぐったりしていました。
それでも弱弱しく見せる笑顔が、余計に切ない。
ダンナ曰く「己れの体の軟弱さ」を嘆いていました。
冒頭のセリフはその時のものです。
その後、別の集落の人から電話がかかり
「どこそこの坂で、下(の町)からきた眼鏡屋さんが、
雪で車が動けなくなっているらしい。
悪いが、助けてやってくれんか」と。
でかけるダンナ。
どうやら、眼鏡屋さんはこの雪の中を、
二輪駆動で、しかもタイヤもつるつるの状態で、やってきたそうで。
曰く「そりゃ動けなくなるわ」という車だったらしく、
眼鏡屋さんの車には2人の男性が乗っていたそうです。
何故、どちらかが、スノータイヤにかえようと言い出さなかったのか。
何故、途中の積雪で引き返そうと言い出さなかったのか。
雪山にパンプスで出掛けるような真似を何故何故してしまったのか。
場合によっては、生き死にに関わる問題だけに、なんとも考えさせられてしまいました。
ともかく、この日のダンナは、誰かのために働き、誰かのために生きた日でした。
その夜、冷えからくる痛みで眠れなかったらしく、
せめてもの供養(?)に、そのことをブログに書こう、と言ったら、
「お堂に失礼のないように」と一言。
そして、タイトルのような言葉を言ったら、
「決して、決して、そんなことはない」と言った。
お堂に対してやったことなんだからね、と笑って言った。
ダンナと私、同じ年齢(33歳)とは思えない、
そんな(どうでもいい)ことを思った1日でした。
一緒にドラクエの話とかしている時は思いっきり、同世代なんですけどね。
皆様、雪山に出掛けるときは万全の備えをお願いいたします。
ご自身の命と、雪山に住む人間の休息のためにも是非!・・・今日も1クリック、お願いいたします↓
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ダンナさんには感服です。
ご無理なさらないよう、お身体に気をつけてくださいね。