晴耕雨読、山

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雑記…

はかりしれない、この重さ『拉致と決断』

2013年04月25日 | 読書

帰国してからもう10年余が過ぎた。当時、過熱気味のマスコミと当惑気味の著者の顔をまだ覚えている。だが、あらためて知るのは、子供たちが残されている北朝鮮に戻るのか、両親兄弟のいる日本にとどまって子供を待つのか。重い、苦しいその決断は我々の想像をはるかに超えるものだったことだ。1年7か月の待ち続けた時期、その後も、両親が拉致されたことは知らずに育った子供たちが日本に残るという決断。それが間違っていなかったと思うまでの心の軌跡、そして北朝鮮での24年間が感情と感傷を抑えて綴られている。だから、民衆と拉致を指令し、それを実行した人と区別してみることが、<今後の拉致問題解決や日朝関係にも必要なこと>との言葉には、より重さを感じる。

                     


希望なき者へ希望の、『徒然草』

2013年04月25日 | 読書

「徒然草をよむ-無常をこえる意思-」(第1期・10回)が始まった。昨年の同じ講師による「『おくのほそ道』を読む」に続いての受講。河上講師の講座の特徴は、時代背景や生活環境など豊富な資料の提供、解説とともに受講生の疑問にも応えながら、一緒に読み解いていくというスタイルで大変分かりやすい。初回の「序段から24段は20代に執筆しており、外からの抑圧と外部へ身構えの<青春記>」「ベヤミンのいう<希望なき者の希望>の書でもある」など勉強になることが多い。全243段の旅、さまざまな発見が得られそうで楽しみだ。