晴耕雨読、山

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ウイスキーを傾けながら『流星ひとつ』

2014年01月15日 | 読書

昨年の夏に投身自殺した藤圭子を書いた本である。と言ってもインタビューの会話体そのまま、さらに30年以上も前の彼女28才の時のやりとりである。しかし、その内容は色あせた感じが少しも無い。それは初めて知る話が多いこともあるが、亡くなるまで変わらなかった(と思われる)性格や生き方のせいかとも思われる。少女時代、デビューからスターとしての10年間、関係なかった艶歌、前川清との結婚・離婚、その後の男性との出会いと別れ、引退の理由、家族について、などなど。そして本筋から外れるが、改めて知る週刊誌記事のいい加減さ、ほのぼのとした前川清の人間性も。下手な手記や自叙伝より、よほど読み応えがあり、藤圭子その人が分かる。書き手と言うべきか聞き手なのか難しいが、沢木耕太郎になったつもりで、ともに耳を傾けたい。火酒では悪酔いしそうなので、ウイスキーを飲みながら。