昨夕の安倍談話。国内外の声にバランスを取ったものとの評価もあるが、そうであれば何故に今さらの談話発表にこだわったのか。言いたくない言葉は引用や間接表現で繕う一方、自らの歴史観と進めようとしている安保法制については「謝罪を続ける宿命」・「積極的平和主義」などで信念を主張しているように思える。元々期待していなかったので、これ以上読み解くのは止めよう。それよりも終戦70年の今日、あらためて昨年訪ねた「無言館」の声なき叫びに耳を傾けたい。戦没画学生慰霊美術館のここには、あの戦争で亡くなった画学生の遺作・遺品が置かれている。自画像、家族や身近な人、故郷の風景などとともに添えられている出征前の言葉に涙腺の抑えが効かない。すすり泣きの美術館とも言われる所以である。歩を進めるごとに重苦しさを増す無言館への坂道、今日も蝉の泣く声が降り注いでいることだろう。
去年も蝉の泣き声が
(写真・フォトムービーとも昨年訪れたときのもの)