2日目の夜、涸沢ヒュッテでの夕食時のアルコールは我慢。ダウンに防寒衣、冬用のズボン、手袋、毛糸の帽子、そしてヘッドライトと準備は万全。7時半過ぎからまずは小屋のテラスに三脚を立て、点々と浮かび上がるテント群や星空を撮り始める。テラスでは同様に星空にカメラを向ける人、眺めながら語り合う人など、それぞれが涸沢の夜を楽しんでいる。続いて昼間に下見をしたテント地のほうへ移動、テントと星空を組み合わせた構図を狙う。1時間半ほど粘ったが、靄がかかったような感じで星がクリアに輝かない。意外と暖かいせいかもしれない。向かい側の涸沢小屋の明かりが消灯時間で弱くなり、ライトを点けて出歩く人が少なくなっても変わらないので引き上げる。そして翌朝、ここでは山蔭のため日の出を見ることはできない。代わりに朝日が穂高の山なみを照射するモルゲンロート(朝焼け)が有名。それも天候次第だが今回は引き続きの好天予想。5:20からの朝食を早めに終えてテラスに急ぐとスタンバイしている人でいっぱい。5:45過ぎから始まったショータイムは穂高岳、涸沢岳、奥穂岳の稜線とその下部を赤く染め上げる。人込みの間からカメラを上に掲げて何枚も撮り続けた。