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今回はごく一般的な「解像度」とういう言葉について考えてみたいと思います。特に高域が歪んでしゃくれ上がったり、チャラチャラ、シャリシャリした付帯音を伴った音を持ってして、「解像度が高い」と表現されることが多いのです。
これはオーディオマニアに限ったことではなく、評論家の中にもこのように表現する方は多い様ですね。音についての解像度は一般的には余り良くない表現のようです。筆者にすれば、高域が歪んでしゃくれ上がったり、チャラチャラシャリシャリした付帯音を伴った音は画素数の少ない粗く汚れた画像と同じに思えます。一番怖いのは、オーディオにおいてこのような刺激成分に慣れ親しんでしまうと、本当の解像度が判らなくなってしまうことです。
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勿論写真も音楽も同じように思えることは一番肝心なところがシャープで後はかえって多少ボケた絵が依り綺麗にも見えたりする理屈にもと思う。シャープな感じ適度なボケ味の織りなす兼ね合いが良い仕上がり写真となる。例えば動く物の撮影などはカメラ自体を移動しながら撮るとスピード感が増し動きのある写真が撮れたりする、所謂道具も使い方次第で良い仕上がりにも影響する。方や全ての撮影した物がシャープに撮る方法もあり一番わかり易いに写真が報道写真である、カメラも撮影する本人次第で撮りたい状況は千差万別である。最近の画像は殆どデジタル画像であるが印刷データーも300dtp程の画総数で保存すれば十分でプリント画像は200dtp程で十分である。
音楽で考えれば刺激成分が除去されると、全てが物足りなくなり、やれエネルギー感が無くなった、躍動感がなくなった、終いには音楽がつまならなくなったなどと言い出すこととなります。歪みと付帯音にまみれた刺激的な音で周りは大迷惑、満足しているのは自分だけということにもなり兼ねません。
音楽の躍動感や抑揚表現などは、歪みやノイズ、付帯音など余計なものを取り除いた先の、本当の解像度とDレンジが確保された時に初めて出てくるものです。歪みやノイズ、付帯音満載の音が音楽的などと表す方は、音圧を上げただけで本来のDレンジが消え失せたラウドネスウォーを良しとするのと同じですね。
もともと解像度という言葉は、パソコンのディスプレイや、スキャナー、デジタルカメラなどで使用される言葉です。解像度の厳密な定義とは、「デジタル機器で映像や画像などを点(ドット)の集合で表した場合に、その点の密度を表す際に使用する言葉」になります。
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つまり、解像度が高いといえば、きめが細かい(ドットが細かい)、奇麗な画像。解像度が低いといえば、きめが粗い(ドットが粗い)、不明瞭な画像ということになります。要するに、もともと画像や映像などの視覚情報に対して使用される言葉であり、オーディオなどの音声情報には本来は使われることのない言葉であるということができます。実は、オーディオにおける「解像度」という言葉のはっきりとした共通認識されている定義というのはないようです。
画像の撮影では最近デジタル写真が圧倒的に多いが、PDF画像はコピー等繰り返しで劣化すると言われ、知識のある方はRW方式保存がデーター劣化が少なく何時までも変わらない写真が保存できる。
昔の体験では、日本での風景写真を撮る写真と空気の澄んだカルフォルニアので撮るのとの同じ写真がカルフォルニアでの写真が断然綺麗で透明感が優れ圧倒的に綺麗に見えた。写真を写したのは同一のカメラで撮った一般社員であった、カメラも同一のシャッターを押すだけのいわゆるバカチョンカメラであった。写真を語る前に環境が如何に大事かを教えられた瞬間であった。
つまり、「誰かが言い出して、自然と広まった言い方」であるといえます。簡単に言えば、オーディオの解像度が高いというのは、音が奇麗で、一方低いというのは音が粗いという意味合いでしょう。このような言葉が使われるように聴こえるのは、もともとオーディオにおいて「演奏者や歌手が、まるで目の前にいるような臨場感」という音が追求されてきたことが大きいのだと思います。つまり、はっきり演奏者の手さばきだったり、歌手の唇の動きなどが、(あくまでも脳内の事ですが)はっきりと見えるような音が最高の音だということなのです。
このことから、もともと映像の世界で使われた解像度という言葉が、すんなりオーディオに受け入れられてできたということが言えるでしょう。
以前から筆者が感じる世界によく似た趣味がある様です、カメラとオーディオの世界もデジタル化が進み趣味の世界も昨今の環境変化により随分新しいテクノロジーが発達したが、未だ昔の真空管がもてはやされ、カメラに至っては未だフイルムカメラに脚光を浴びフイルムの持ち味を活かした世界を広げている事も独特の味を求める趣味の世界であろう。
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兎に角筆者の昔望んだタンノイの音とは低音がしっとりした音に、落ち着きある音が理想であるが、解像度が増すと言うより、なるべく自然な音が聴きたく色々パーツ等を交換した結果ある程度のこの解像度が良いと、何のように音楽が変化する化学変化は全く考えなかった。
昔マッキントッシュC-29を駆動していた頃と比べ今のラインアップが解像度は増したと思う、ソリッドな音と違いクリヤーなより自然に近い音だったのかも知れない。現在最新の機種でお聴きになっている貴兄がこの文章を読めばなんて初歩的な事をと首を傾げる愚問かもしれない。
以前もブログアップした記憶もあるが筆者好みのビル・チャーラップのお洒落でスマートな個性とともに趣味の良いタッチを聴かせて、ジャジーな魅力をいっぱいに振りまいてゆくピアニストのビル・チャーラップが、久しぶりにブルーノート・レーベルに戻ってきた。
「ストリート・オブ・ドリームス」と名付けられた新作は、インパルスへ吹き込んだ前作「Uptown Downtown」以来4年ぶり。ブルーノートでのトリオ作品としては2007年の「Live at The Village Vanguard」以来10数年ぶりのアルバムということになる。
(ブルーノートとの結びつきは、僕にとって、とても大切なものなんだ。多くの偉大なプレイヤーたちがブルーノートへ録音をおこなっているし、僕自身もブルーノートをつうじて音楽を進めていったわけだからね・・)。
そんなレーベルへの復帰ということもあって、チャーラップはいつになく思いを込めてスタジオ録音にのぞんでいるようだ。彼の弾くタッチの一音一音からは瑞々しい香気が立ち込めて、とても良い気分にさせてくれる。
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単に美しいとか楽しいというだけでなく、彼のピアノ表現はいっそうの深みを増して、これまでになかったほどの渋い味わいをもつものになっている。ベースのピーター・ワシントン、ドラムスのケニー・ワシントンとのコンビネイションもいっそう密になって、3人が互いの音を良く聞きながら、トリオとしての一体感をもった音楽を創りあげてゆくのが良く分かる。
ここでトリオの紹介です。
Bill Charlap(ビル・チャーラップ)1966年10月15日、米ニューヨーク生まれのジャズ・ピアニスト。ブロードウェイのミュージカル作曲家として名高いモース・チャーラップを父に、歌手のサンディ・スチュワートを母に、ウディ・アレン映画の音楽を担当するディック・ハイマンをいとこに持つ音楽的環境で育つ。3歳からピアノを始め、クラシックからジャズへと傾倒。トニー・ベネット、ジェリー・マリガン、フィル・ウッズらと巨匠との共演で腕を磨く。2001年以降はピーター・ワシントン、ケニー・ワシントンとビル・チャーラップ・トリオを、ジェイ・レオンハートとビル・スチュワートとニューヨーク・トリオを結成して活躍。2015年にはトニー・ベネットとの共作アルバムを発表。
Jay Leonhart(ジェイ・レオンハート)1940年生まれ、ジェイ・レオンハートは著名なベーシスト、作詞作曲家で、ジャズとポピュラーミュージックに作品を生み出している。彼はジュディー・ガーランド、カーリー・シモン, バッキー・ピッザレリ、スティング、フランク・シナトラを含む様々なアーティストと共演している。
BILL STEWART (ビル・スチュワート)1967年生まれ、米国アイオワ州出身。ニューヨーク・トリオの一員として知られるジャズ・ドラマー。幼少の頃からジャズを聴いて育ち、7歳でドラムを始める。86年にニュージャージー州立ウィリアム・パターソン大学ジャズ学科に入学し、ハロルド・メイバーンなどの名手たちと交流を深めた。89年に初リーダー・アルバム『シンク・ビフォア・ユー・シンク』でソロ・デビュー。2001年にはピアニストのビル・チャーラップらとともに“ニューヨーク・トリオ”を結成し、アルバム『夜のブルース』をリリース。抜群のスウィング感で日本でも絶大な人気を集めた。
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以前から愛聴するこのアルバム、今回のモノーラルのプリアンプの接続により、随分解像度、透明度とも深まり、クリヤーな澄んだピアノの音が実に清々しく聴ける様になったのは大変嬉しい。
実はこのAIYIMA TUBE T-7のデジプリアンプのモノーラル使用で兎に角解像度が良くなっら、ピアノの少しピンキーの音が今までとは違いキラキラする感じに聴こえたのです、ピアノの音って、凄く綺麗だった事を思い成した程である、今後音楽を聴くことが楽しみになった。
「Always」ニューヨーク・トリオ
ビル・チャーラップ率いるニューヨーク・トリオによる、前作『君はすてき』に続くソング・ライター・シリーズ。今回はアービング・バーリンの作品集。最もバーリンらしい、よき時代のアメリカン・フィーリングに満ちたベスト選曲で、チャーラップのスタンダード美学が美しく描かれています。
1. オールウェイズ Always ( 5 : 15 )
2. チーク・トゥ・チーク CTo Cheek ( 5 : 41 )
3. ゼイ・セイ・イッツ・ワンダフル They Say It’s Wonderful ( 3 : 57 )
4. アイ・ゴット・ザ・サン・イン・ザ・モーニング I Got The Sun In The Morning ( 5 : 19 )
5. ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン How Deep Is The Ocean ( 3 : 57 )
6. チェンジ・パートナーズ Change Partners ( 4 : 43 )
7. ホワットル・アイ・ドゥ What’ll I Do ( 5 : 24 )
8. イズント・ジス・ア・ラブリー・デイ Isn’t This A Lovely Day? ( 5 : 39 )
9. ザ・ソング・イズ・エンディッド The Song Is Ended ( 6 : 51 )
10. ロシアン・ララバイ Russian Lullaby ( 2 : 07 )
Bill Charlap( piano)/Jay Leonhart(bass)/Bill Stewart(drums)
録音 : 2007年5月30日、31日 クリントン・スタジオ、ニューヨーク
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以前聴いた音と比べ演奏者の位置が明確化され奥行きが感じるように変わったのは実に嬉しい現象である、筆者はLS3/5aを導入してまともな音が聴けるようになるのに、約1年6ヶ月の苦労を味わうことになった、幾度も分解し調整し半ば諦めた時に偶然的に原因が判明しその部品交換で本来のLS3/5aの極めて解像度も素晴らしくきめ細やかなでテールの良い音を味わったのです。
特にこのLS3/5aと言うスピーカーはアンプを選ぶ傾向が強く、業務用の石のアンプで使われている方も500Wのアンプでも上手い事鳴らない、兎に角アンプを選ぶと解説する方もいます。
今回のモノーラルでのプリアンプ導入が音質を変えた原因とも思えるが・・・特に最近ジャズを聴くのが楽しみになった、クリヤーな解像度が増し素直な音で鳴る正統派のジャズを味わえる環境での世界が広がるようです。また一般的に真空管は音が柔らかく優しい音と言われる方が多い様ですが、実は私は感じ方が違い、力強く、感度も良く、透明度も高い意外と優れた音がします。
後日連休は暇であり、この際時間をたっぷり掛けてスピーカージャックの補修を行う、現在まで色々スピーカーケーブルは使ってきたが、最終的にはWesternElectric 銅単線ツイスト ビンテージケーブルが一番マッチする様です、価格も財布に優しく、詳細は下記に記します。
メーカー:Western Electric(ウェスタンエレクトリック)
材質:芯線 錫めっき銅(単線) / 被覆 ビニル樹脂+綿繊維
被覆込外径:1.3mm
芯線外径:0.65mm
形状:ツイストペアケーブル(単線2本撚り対線)
材質:芯線 錫めっき銅(単線) / 被覆 ビニル樹脂+綿繊維
被覆込外径:1.3mm
芯線外径:0.65mm
形状:ツイストペアケーブル(単線2本撚り対線)
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芯線外径:0.65mmが細くねじ込み部分が甘く、形式は竹槍式のバナナプラグが安定する材質はロジウムメッキ処理品(但し価格は2倍程高額)のプラグに芯線を二重にしハンダ付けの処理をしてねじ込み完成品となった。今までWesternElectricのケーブルを何種類も試聴したがこの細いWesternElectricが最後に残った単線のこのケーブルである。興味の有る方は一度お確かめください。
ビル・チャーラップ率いるニューヨーク・トリオの『夜のブルース』から『オールウェイズ』までのアルバムの中から選曲し、名曲、名演、名録音を収録したベスト・アルバム。これまで発表してきた7枚のヴィーナス作品からセレクトした12曲をエッセンシャルというタイトルでリリースしたベスト盤。誰もが一度は耳にしたことであろう馴染みのスタンダードのオンパレード。チャーラップなりのこなし方で淡々と弾いているし、あくまでも原曲を大きく崩すことなくに安心して聴いていられるのだが、裏を返せばやや単調という解釈も出来る。但し、トリオとしてのまとまりは良い。この人のオリジナル作品、トリオ以外の編成での演奏も聴いてみたいものだ。
真空管ファンには貴重な現行管としてロシア管が品数も多く安定した価格で購入出来たが、今回の浮くライン戦争により入荷しづらく鳴るのかも知れない。
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LS3/5aを駆動するのに欠かせないパワーアンプは1972年2月発売のA3500の配線をWEのケーブルに交換し細かくは配線を纏めるインシュロックも凧糸でまとめ気を使い配線交換した、現在LUXMAN/LUXKITを騙し騙し使っているが意外と音質の相性は良く上手いことマッチし絶妙なスイングを聴かせるる様である。
オーディオ趣味を再開しアンプについて色々考慮し、以前も真空管を愛用していたが、最近の機材は最新チップを用いた製品が多く、音質も良いが筆者の耳にはどうやら受け付けなく、色々聴くうちに真空管に落ち着いた様である。最も使用する2種類のエンクロージャーも相当古い機種なので特に真空管との相性が良いのかも知れませんね!
現在は安価なAIYIMA TUBE-T7真空管プリアンプをモノーラル仕様にし2台で駆動してパワーアンプのA3500(6CA7 3結使用: 20W+20W)に繋げて使用しているが実に透明度等、相性も良くジャズ系統は素直に響くこのラインがご機嫌である。真空管はマイルドなトーンがして音が柔らかいという諸兄がいますが、真空管アンプも解像度の高いシャープな音はします、但し衝撃音は若干アタックの弱さも感じますが・・・勿論現在所有する筆者の石のパワーアンプのLINN、オンキョー、ティアック、オーレックス、業務用のビィクターと揃っているが全て視聴したが、古いA3500の真空管アンプが一番良い感じである。
使用する真空管(6CA7・EL34)は兎角人気のある球で多くの各社製品は数多く現行の松下製(6CA7)も新品を探すにも苦労はする状態である。試したい球もあるが、高額ゆえ玉転がしをする事も大変である。
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筆者は確かにプリアンプに、以前定評ある米トライパス社のデジタルアンプのチップのコピー製品が出回りB級の真空管プリアンプAIYIMA「TUBE-T7」(駆動する真空管は通信管で在庫豊富な格安のチューブ6N3使用が大きい)の発売で爆発的に売れた「TUBE-T7」との組合せの音の相性は実に良い。少しLUXトーンを抑え良い塩梅に聴こえる、簡単な改造は多種あるが2回路DIP化オペアンプの交換が簡単で音質は向上する。筆者はしろくま製作所OPA627AUに変更した。
本機に付属するチューブは軍事品ソビエト=ロシアの6N3P(キリル文字のマークが付いているので6H3Пになっています)が民生タイプの中国バージョン付属するが、レイセオンUSA製、タングソルUSA製、旧ソビエトの6N3P-EV OTKマーク付きの在庫に変更すると良いとされ、GE 5670 USAと続くがやはり最高はWE USA(396A)であろうが品薄でプレミアム価格で相当高額でもある。
皆さんご承知であろうが、ゲッターと言う言葉聞いたことあると思うのですが、真空管の上部に付着している銀色の膜をゲッターと言い使用すれば徐々に銀色の空きなくなって行きます。300Bは下降部に銀色の幕があります。この膜がなくなるのには長い時間がかかります、勿論なくなるまで聴けますが、その様に考えるなら消耗品と思い少しでも長く使えるよう大切に扱おうと思いますね!
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BILL CHARLAP TRIO (ビル・チャーラップ・トリオ)ミスター・スタンダード・ソング・ブック正統派ジャズ・ピアニストが黄金トリオで再登場!
ピーター・ワシントン(b)、ケニー・ワシントン(ds)との長年のトリオによる崇高な新作。
1997年に結成されたこのトリオは、2000年からブルーノートで『Written In The Stars』、『Stardust』、『Somewhere』など、一連の素晴らしいアルバムを録音し、ジャズ界を代表するグループとして確固たる地位を築いてきた。
2015年にグラミー賞を受賞した伝説のヴォーカリスト、トニー・ベネットとのコラボレーション『The Silver Lining: The Songs of Jerome Kern』や、インパルスからリリースされた2枚のトリオ・アルバム『Notes From New York』『Uptown Downtown』に続く4年ぶりの本作でブルーノートに復帰!グレート・アメリカン・ソングブックのスタンダード曲と、ビリー・ストレイホーン、デューク・エリントン、デイヴ・ブルーベック、ケニー・バレルなどの偉大なジャズ作曲家の曲をブレンドが素敵な誰もが聴きやすいジャズ・ピアノ作品。
メインストリーム・ジャズの真髄がここに。2度のグラミー賞ノミネートを誇る人気ピアニスト、ビル・チャーラップが元トミー・フラナガン・トリオのリズム・セクションであるピーター・ワシントン、ケニー・ワシントンとの黄金トリオで登場する。大ヒット・ミュージカル「ピーター・パン」の作曲家ムース・チャーラップと歌手サンディ・スチュアートを両親に、数々のウディ・アレン映画の音楽を担当するディック・ハイマンをいとこに持ち、’80年代から本格的な活動を開始。
これまで約30種のリーダー・アルバムを発表している。珠玉のスタンダード・ナンバー、磨き抜かれたスウィング感。永遠に色あせない“王道の魅力”を満喫したい。
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Street Of Dreams
1. The Duke
2. Day Dream
3. You're All The World To Me
4. I'll Know
5. Your Host
6. Out Of Nowhere
7. What Are You Doing The Rest Of Your Life?
8. Street Of Dreams
ビル・チャーラップのピアノ・スタイルは、けっして派手に多くの音符を弾きまくるといったタイプのものではない。磨き抜かれた感性とともに音を選んで、とつとつと歌うように弾き上げてゆくのだが、そこから絶妙なスイング感が生まれるとともに、メロディックな美しさがいっそう際立って耳に届いてくる。チャーラップの演奏を語るときに、よくテディ・ウィルソンやハンク・ジョーンズ、トミー・フラナガン、アーマッド・ジャマルなどの偉大な名手たちの名が引き合いに出されるが、彼らに共通するのはピアニストとしての優雅な味わい、趣味の良さといったもので、言い替えるならば決して奇をてらうことのない誠実な歌心であるとも言えるだろう。
そんなジャズ・ピアニストたちのもっていた美質を受け継ぎながら、今日のヴィヴィッドなピアノ・ジャズの響きを聴かせてくれるビル・チャーラップ。そして強靭なビートを送り出すベースのピーター・ワシントン。ブラッシュ・ワークを主体に、ときにスティックに持ち替えて躍動感あふれるリズムを叩き出すケニー・ワシントンのツボを得たドラミングの妙も素晴らしい。ブラボー!