伝統ある英国のTANNOY IIILZで聴く、音楽の父J.S.バッハ音楽を知る喜び・・・

音楽好きのIIILZ Monitor Goldユニットの箱を改良して楽しむダメオヤジ金ちゃんです。

やはりJ.S.バッハだ、シャンタル・スティリアニ(Chantal Stigliani)の調律されたキーボードのバッハのピアノ演奏を聴く。

2020年01月29日 | クラシック音楽・オーディオ

毎年この時期に手術した、癌の定期検査の結果を伺うため病院に訪れる、既に今年で10年目になった、担当医も手術の時の麻酔科の先生が担当医です。
勿論見知った中での会話もあり多少の饒舌も混ぜるほどの仲で、筆者は最近は出撃しないが相当の釣り好きの先生なんです。

検査結果は「異常なし」で検査結果は良好手術後の傷あとも綺麗。来年もこの時期に検査をして又お会いしましょうと挨拶して、病院を後にした。普通10年過ぎれば大丈夫ですが、私の場合は首周りのリンパも削除したため引き続きの検査は続ける事が安心と言われている。



昨日音楽好きの友人と久しぶりに会話すると、彼の話ではバッハのピアノ演奏者、シャンタル・スティリアーニの演奏のピアノ演奏を褒める、是非一度は聴けと言う。筆者は情けないが知らなかった事を思い出しながら帰宅する。

昼食を取り早速部屋の暖房を入れ、アンプも火を灯す。本日は誠に寒く温かい部屋での淹れたての珈琲が一番のご馳走です。


ここで少し音量の話をしますが、チェンバロとピアノは基本が違い、音質も違う、今日はピアノの事を考える。

鍵盤楽器のピアノの音色はピアノをひける人なら誰でもたやすく確かめられるが、ピアノの半音は、隣りどうしの振動数の比率が一・〇五九四三になるよう細心の注意をはらって調節されている、つまりある音はそれより半音低い音に比べて、およそ六パーセントほど振動数が高いわけだ。

でもピアノの左端の鍵を叩きつぎつぎにとなりの鍵を叩いていくと、鍵盤の中間くらいまでは音の高さはほとんど同じ割合で高くなるが、鍵盤の右端に移るにつれてこの関係はくずれ、ついにはハッキリしなくなる。

オーディオ装置のボリュームをあげ、大きな音で聴くのは鑑賞上いかに間違いをおかしやすいか、隣の部屋まで煩く感じる音量などでは聴かないように努めている。でもJazzを聴くときは少し音量を上げてしまい、奥方より「ウルサイ!」と注意されることが度々ある。(笑)


写真を見てスピーカーの方向が逆になっているが、この位置が丁度耳の位置と一致し、あえて逆向きに聴いてたが最終的には正規の位置に戻した。思うにスピーカー自体置き方も定位置で聴くことが最善であるかのようにバランスよく鳴るようです。ソロピアノ等の演奏はステレオ感が断然良い。実は今回ウェルフロートは本人への誕生日のために購入した。毎年歳を重ねることは間違いなく死に近づくわけである、御歳72歳になる(笑)幾つまで楽しめるのか?

確かにウェルフロートに乗せたKEF Q300を聴くと、GOODMANSの箱に移植したTANNOYを聴き比べているが、これがまんざらでもない、どうかすればGOODMANSよりピアノの音など艶っぽく響く。でも冷静に聴くと低域の自然な膨らみはKEF Q300では望めない、将来は1つの装置で両方の音質を入手したい。後日曰く付きのLS3/5aを入手し聴いているが、シャンタル・スティリアの調律されたキーボードのバッハのピアノ演奏が断然良くなった。

ここでの注意点はグランドピアノのアタック音の迫力、威圧感は断然TANNOY10吋ユニット入のGOODMANSの箱には叶わないがピアノの音色は断然聴きやすくなった、Q300にはウエルフォロートは効果的である。



早速自宅に帰り、気になったシャンタル・スティリアニピアニストを探す、iTunesでも名前を入れ検索すると、ヒットしたので早速聴いてみた。ここでピアノ曲のバッハを聴くが、やはり馴染みのあるバッハの音が実に馴染む、音質は柔らかなタッチで出しゃばらず押し付けることもなく好感度の良い演奏である。

シャンタル・スティリアーニの名前でCDを検索しても上手くヒットしない。確かに今まで余り聞いたこともない演奏者の名前だが、弾く音楽を聴けば理解できるようです。そして横文字で検索すると画面に現る。

シャンタル・スティリアニ(Chantal Stigliani)は、フランスのピアニスト、コンサート奏者。



コレーズ県ブリーヴ=ラ=ガイヤルドの生まれ。ヴェネツィア出身の家系に生まれ、パリ音楽院でピアノを学んだ。1975年にクロード・ドビュッシー国際コンクールで第1位を受賞。イヴォンヌ・ルフェビュールにピアノを学び、フランス音楽、そして現在ではバッハ演奏のスペシャリストとして名声を確立したフランスの名女流ピアニスト、シャンタル・スティリアニ。

1975年にクロード・ドビュッシー国際コンクールで第1位を受賞し、フランス音楽に情熱を注いだ後、大バッハの作品の演奏に開眼!カリオペには既に「インヴェンションとシンフォニア」を録音しており、今回の「平均律クラヴィーア曲集第1巻」は、その続編的な位置づけとなります。


BWV.846~857ではスタインウェイのモデルDを、続くBWV.858~869では同社のモデルBを弾き分けるなど、そのこだわりはかなりのもの。

演奏を聴けば分かるが特にバッハには拘りがあるようです、筆者も昔バッハ好きの先輩に言われた事を思い出す何時かはバッハに戻ってくるよと言われた。


軽やかなプレリュード(BWV.846)で幕を明けるスティリアニの「平均律」。約105分のとてもゆったりくつろいだ、バッハの旅をじっくりと味わう。 

若干少しテンポは速めに思うが聴くうちに正に堂々と「Chantal Stiglianiの調律されたキーボード」が聴ける。


今回はソフトはiTunesしか無くハイレゾで聴くが実に快適にChantal Stiglianiの調律されたキーボードが鳴った。これはやはりCDでも聴いた見たくなる演奏者ですかね、将来は第2巻の演奏が楽しみです。

【曲目】
 J.S.バッハ:平均律(良く調律された)クラヴィーア曲集第1巻BWV.846-869
【演奏】
 シャンタル・スティリアニ(ピアノ/スタインウェイ)
【録音】
 2017年1月、2018年1月、パリ(フランス)

ペイントと色に非常に敏感な彼女のプレイは、非常に多様なサウンドパレットを通してこの味を反映しています。

国際的なドビュッシーコンクールで優勝した彼女は、現代のピアノが提供する可能性を最大限に活用して、彼らの精神に特化した新しい表現手法に取り組むことで、この時代のフランスのすべての作曲家の作品を探求します。次に聴いたのは、一般にはピアノ練習曲の次に演奏する事が多いと聴くインヴェンションとシンフォニアだそうです。


ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685~1750)

2声のインヴェンション(BWV772~786)と3声のシンフォニア(BWV787~801)全曲

【演奏】シャンタル・スティリアーニ(p)
   使用楽器: ヴィンテージ・プレイエル N°150884(1910年製)


彼女が仕える作品に全力を尽くして、シャンタルスティリアーニは非常に活気のある音楽の話をしています。

レパートリーのケアは積極的で、古典から現代までのいくつかの期間をカバーしています。シャンタル・スティリアーニの若き頃の写真がありました。


筆者も好きな、J.S.バッハのドイツ組曲と言われる曲があります、まだ若い頃の録音かも知れない。この曲はパイプオルガンを使用することも多いが、ピアノ演奏も定番化していて、馴染みやすい曲です。



JSバッハ:パルティータス1.BWV 825; 2.BWV 826; 4.BWV 828

  パルティータ第1番ニ長調
  パルティータ第2番ハ短調
  パルティータ第4番ニ長調
  JSバッハ:パルティータス3.BWV 827; 5.BWV 829; 6.BWV 830    



パルティータ第3番ハ短調、パルティータ第5番ト長調、パルティータ第6番ト短調、と続いた、少し長くなりましたが、とても素直な演奏にも共感を感じます。少し前の演奏のようでしたがバッハを得意とする 演奏が良い。

是非フランス組曲、イギリス組曲などの演奏も公開して欲しい鍵盤奏者である。



シャンタル・スティリアニさんはJ.S.バッハ:平均律(良く調律された)クラヴィーア曲集第1巻BWV.846-869録音後このようにコメントしたそうです。私にとって、調律の良い鍵盤楽器は、フリーテンマンのクラヴィーア・ビューラインのワイマールで始まった後に完成した、ケーテンの最も重要なキーボード作品です、今まではチェンバロ演奏を好んで聴いていたが最近はピアノ演奏もよく聴く様になった。それなりのオーディオ装置の変わった事と特に火屋のパワーアンプとの影響も強いのかもしれない。

ヨハン・セバスチャン・バッハのすべての資質、教育学への欲求、あらゆる可能な組み合わせ、模造、鏡、正準、ストレットなどと遊ぶことによる禁忌の形態の探求、この学術論文、彼の知性、彼の好奇心、彼の大胆さだけでなく、情熱と精神性を表現する彼の才能の強さに命を与えながら構築してください!と話していたそうです。 

シャンタル・スティリアニの演奏に・・・・ブラボー!    

モーツァルトの12のピアノ変奏曲 ハ長調K.265、誰もが知っている「きらきら星」 をサビーヌ・ドゥヴィエルのソプラノで聴く。

2020年01月26日 | オペラ・歌劇・カンタータ・オーディオ全般


AIRBOW ウェルフロートボード WFB-A4導入後、しばらく聴き、置き方を変えて試聴する。ソプラノの音が大変綺麗に聴けるようになった透明度がました感じだ。

色々配置を変えて聴いたが、指向性の良いこの置き方が最良のようでした、それとスピーカーのサランネットを取ったのがより指向性は増した。このような状態が一番良く聴ける、最初白色は異様に感じたが最近はあまり感じなくなった。



低域もそれなりに素直に鳴る、太鼓の音も切れよく今まで以上に聴こえる、でもロック系統のドラムは苦手のようだ!

まず音が若干大きくなりました。体感で感じるヴォリュームは1割程かな?実測データーはありません。音の響きも増し、金管や木管がきれいに鳴ります。全体的に音が引き締まりまり,かつ音場が広がり,奥行き感が出てきます。

このあたりは流石真空管アンプの特質で音が生々しくリアルに聴こえる、石のアンプの違いの特徴でもある、勿論音の定位もよくなっていると思います。低音は歯切れよくなりました。特にコントラバスの音が好ましい方向になり、

今まで弦楽器が上手くなるとピアノがに不満が出、逆にすると弦に不満がでたが、これで丁度良い塩梅になり音楽を聴くのが楽しくなる。特に人の声のソプラノは一層透明度が増し、オペラ好きには堪りません。音の雑味や歪み,濁りなどがなくなり,スピーカー本来の音が再生されたのでしう。



以前ウェルフロートボードを使うと筆者の苦手なアキュレット過ぎる音になるのではと心配もしたが使うと納得出来ました。音楽を楽しむ筆者に取りまして、KEF Q300ののポテンシャル以上の音を出した感じがした。

これは筆者の部屋で使った感じた事です、条件により違うとは思いますが、レコードプレイヤーのインシュレーターの代わりに使うのは効果ありそうです。


新しい古楽器使用のアンサンブル ピグマリオンEnsemble Pygmalion/ラファエル・ピションRaphaël Pichon指揮を聴くヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)12のピアノ変奏曲 ハ長調K.265 (300e)〔作曲〕 1781年か82年?

この曲の主題は「きらきら星」という歌でよく知られた旋律であるが、もともとは次のような歌詞で歌われていた、ピアノ変奏曲 ハ長調K.265は、きらきら星変奏曲は原題を直訳すると、『フランスの歌曲「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」による12の変奏曲』となるフランス民謡「シルヴァンドルの愛 Les amours de Silvandre」である。

     Ah! vous dirai-je Maman,     何から話そうかしら、お母さん、
Ce qui cause mon tourment.    悩ましいわ
Depuis que j'ai vu Sylvandre     私シルヴァンドルに
Me regarder d'un œil tendre,    やさしく見つめられてから
Mon cœur dit à chaque instant,  私の心はいつも聞くのよ
Peut-on vivre sans amant ?           「恋人なんかなくていいのかい」って

この作者不詳の歌は1760年代にはパリで広く愛好されていたらしく、1761年刊行の歌集をはじめとして、その後に出版された各種の歌曲集に収録されていた。 

それだけ愛好され誰でも知っている旋律であることから、1770年以降は変奏曲の主題にも使われることが多かったという。 モーツァルトがいつ何の目的でこの主題をもとにピアノ変奏曲を書いたのかわかっていない。 

ケッヘルは最初1776年の成立と推測し、K.265に位置づけていたが、その後の研究により「モーツァルトが(母と二人で)パリ滞在していた」1778年の夏に書かれたものと見直され、K.300eに置かれた。 これは是非一度は歌曲で聴いて頂きたいと思う曲でもある。



皆さんご承知の曲をサビーヌ・ドゥヴィエル(ソプラノ)が歌うモーツァルトが良い。


 ● バレエ音楽『レ・プティ・リアン』 K.299b~序曲
 ● 『ああ、お母さん聞いて』K.265
 ● 『寂しい森の中で』 K.308
 ● パントマイム『パンタロンとコロンビーネ』 K.446~アダージョ
 ● レチタティーヴォとアリア『アルカンドロよ、私は告白しよう・・・どこより訪れるのか私は分からぬ』 K.294
 ● アリア『ああ、できるならあなた様にお教えしたいものです』 K.418
 ● レチタティーヴォとアリア『テッサリアの民よ・・・私は求めはいたしません、不滅の神々よ永遠なる神よ』 K.316
 ● アリア『わが感謝をうけたまえ、やさしい保護者よ』 K.383
 ● アダージョ ヘ長調 K.410
 ● アリア『すでにやさしき春はほほえみ』 K.580
 ● 歌劇『魔笛』 K.620~『復讐の炎は地獄のように我が心に燃え』
 ● 英雄劇『エジプトの王ターモス』 K.345~第5番:間奏曲
 ● 歌劇『魔笛』 K.620~僧たちの行進
 ● ソルフェッジョ K.393~第2番
 ● ミサ曲 ハ短調 K.427~『聖霊によりて』



 サビーヌ・ドゥヴィエル(ソプラノ)
 アルノー・ディ・パスカル(フォルテピアノ、オルガン)
 アンサンブル・ピグマリオン(ピリオド楽器オーケストラ)
 ラファエル・ピション(指揮)
 録音時期:2015年1月
 録音場所:パリ、ノートルダム・デュ・リバン教会
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)



あとは有名なフィガロの結婚は絶賛に値する。

有名な序曲に続いて、フィガロのアリア「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」、ケルビーノのアリア「恋ってどんなものかしら」など、このオペラはモーツァルトのすばらしい音楽であふれています。そして、どの曲もとても軽やか。日頃のストレスなど吹き飛んでしまうような、生命力のある音楽を聴くことができます。物語の内容は、ロッシーニのオペラ『セビリアの理髪師』の続きとなっています。

『セビリアの理髪師』は、アルマヴィーヴァ伯爵が結婚するまでの話です。フィガロとスザンナは婚礼の準備をしています。一方、スザンナは「伯爵のお気に入り」です。伯爵はスザンナをものにしたいがために、「初夜権の復活」を企んでいます。フィガロとスザンナはそれを阻止しようとします。

フィガロ(バリトン)    伯爵の家来。スザンナと結婚予定。スザンナ(ソプラノ)    伯爵夫人のお手伝いさん。フィガロと結婚予定。伯爵(バリトン)    スザンナを気に入っており、「初夜権」の復活を企んでいる。伯爵夫人(ソプラノ)    伯爵の自分への愛が冷めてきたことを嘆いているケルビーノ(メゾソプラノ)    伯爵のお世話係。すぐ女性に恋をしてしまう思春期の少年。そして『フィガロの結婚』では、伯爵は既に結婚しており、フィガロ(セビリアの理髪師)が結婚する物語を描いています。


オペラ『フィガロの結婚』は、日本でもよく公演が行われていますがこのオペラ、実にいろいろな伏線が仕掛けられていて、一度観ただけでそのすべてを理解するのは難しいほどです。そしていたる所に「笑い」が仕込まれています。

勿論全曲ではありませんが第1幕(フィガロの結婚)だけでも思わず聴いて見ました。

 モーツァルト:LIBERTA!(自由!)~3幕から成る想像上のドラマ・ジョコーソ
第1幕~熱狂の日(フィガロの結婚)

 1. 序曲~『騙された花婿』 K.430(424a), 1783-84年より
 2. 四重唱「ああ、なんという冗談!」~『騙された花婿』 K.430 (424a), 1783-84年より
 3. アリア「このような美しい瞳が他にどこにあるだろうか」(『騙された花婿』より)
 4. セレナータ「わたしの名を」(パイジェッロ:『セヴィリアの理髪師』, 1782年より)
 5. レチタティーヴォ、アリア「わたしの美しい恋人…いかないで、愛しいひと」 K.528, 1787年
 6. カノン「私のいとしい人、私の偶像よ」K.562, 1788年
 7. アリア「女はいつもこう言う」~『カイロの鵞鳥』K.422(未完), 1783 年より)
 8. カンツォネッタ「静けさがほほえみながら」K.152 (210a), 1775年
 9. 二重唱「私には言えません」~『イドメネオ』 K.366, 1786年版より
 10. ノットゥルノ「いとしい人よ、もしあなたが行ってしまったら」K.438, 1786年頃

 第2幕~罰せられた放蕩者(ドン・ジョヴァンニ)
 第3幕~恋人たちの学校(コジ・ファン・トゥッテ)と続くが

  ザビーヌ・ドゥヴィエル(ソプラノ)
  ショブハン・スタッグ(ソプラノ)
  セレーナ・マルフィ(メゾ・ソプラノ)
  リナール・ヴリーリンク(テノール)
  ジョン・チェスト(バリトン)
  ナユール・ディ・ピエロ(バス)
  ピグマリオン
  ラファエル・ピション(指揮)


毎回凝ったコンセプトのディスクと切れ味抜群の演奏で人気急上昇中の、ピション&ピグマリオン。

勿論J.S.バッハ:ミサ・ブレヴィスのすべて(全5曲)~BWV.233-BWV.236、



等好きなバッハもあり目が離せない、今後の活躍を期待する、ブラボー!

これがAIRBOW(エアボウ)ウェルフロート (Wellfloat) オーディオボードWFB-A4の導入、果たして音質は向上したのかの巻。

2020年01月22日 | クラシック音楽・オーディオ

以前山岡さんが紹介されておられた自身もお使いになり成果を出している、またTANNOYのオートグラフに重量級のウェルフロートを使っておられる方もいて、大変音質が良くなったそうです。勿論小型の物もあり現在本人もA4サイズのものを使用しているが頗る音質は向上したそうです。
まるで湖の上に構築された家に住むような感じである。現在のTANNOYのⅢLZにウェルフロート (Wellfloat) オーディオボードを使用すると、音が大変良くなると紹介していましたが、AIRBOW(エアボウ)のHPで価格を調べると、これが筆者にしては、とんでもない価格が表記されている。

我が家のGOODMANS AXIOM 80の箱を乗せるタイプを調べると、先程オートグラフ用とよく似た、重量級ウェルフロートはとても高額で購入は断念するしかあるまい(笑)



因みにGOODMANSの箱にはAIRBOW - WFB-Order160(600×400mm)1枚価格は税込み77,000円と表記されている、セット価格は154,000円だそうです。オートグラフ使用にはこの重量より更に上の物のようです。

このタイプのウェルフロートの導入は諦め、当分現在のインシュレーターでの試聴を続けることにする。但しレコードプレイヤー下地に使えば効果的かも知れない。筆者は後日GOODMANSの箱様に簡便なフロート式のインシュレーターを自作したが、効果的で誠に良い塩梅である。


現在KEF Q300に乗せるタイプならA4タイプの(WFB-A4)で十分対応するようである。しかしKEF Q300のインシュレーターにしてはコスト高である、正面を向けて据え置けばぴったりA4サイズで上に乗る。

手で少し触ってもウェルフロートの効果抜群のことは理解出来た、期待大である、特にミニのエンクロージャーには効果が良さそうな感じだ。因みにKEF Q300は297☓210mmA4サイズですので正規に置けばピッタリサイズです、置き方も変えると音質は違うものか早速テストしてみる。
現在サブシステムで使えばKEF Q300には効果がよくなると思った。音質は一言で言えばかなりリアルでクリーンな感じの音質が響きわたる、ともかく自然な感じに聴こえる。それとサランネットを外して聴くと更にリアルに聴こえる、今ままではサランネットを外しても音質はこれ程変わらなかったのに此のウェルフロート (Wellfloat) オーディオボードに乗せただけで更にクリヤーな音に変わる。


それでも2個で福沢様が約4.5枚必要なようですが、この際カタログ表記にも効果的オーディオ仲間も絶賛しているので、意を決してAmazonにて購入に至る。

後日LS3/5aを入手し聴き比べるる、じっくり視聴すると、ここでKEF Q300の音質の本音の音色が聴こえる、確かに意外とローコストでコスパは良いスピーカーで有ることが判明した、アンプに真空管のパワーアンプに変えて聴くと、演奏の粗さに気づく、ローコストアンプでは気が付かない、ベース音の倍音再生が違う感じに聴こえる、同じコンパクトのLS3/5aの音と比べQ300もは余分な音が付きまとう処の差は大きい。
ユニットは同じKEFの製品ではあるがやはりコストの違いである湯である。一般的に考えれば音楽に対し対応範囲が広い手頃な仕上がりである。


以前から現在のサブシステムには色々不満なところもあり将来はLS3/5a 15Ωが欲しいが、ある程度の良質のものはプレミアムも付き到底手も足もでない?ロジャースの程度の良いものは40万程と表示されていた。

当然購入すれば、アンプも検討を余儀なくすることになると思う・・・今までの体験で解るが、ここで思うは良いスピーカーになれば、なるほどアンプの音質が意外とストレートに音に表現するため高頻度なアンプは選ぶ傾向になる当然アンプの価格は跳ね上がる、一般的にグレートアップは意外と落とし穴があり泥沼の誘い水のようである、現実は夢物語である。

AIRBOW ウェルフロートボード WFB-A4注文して翌日には到着した、CMには、音の濁り(混変調)がほぼ完全に消滅し、音場がストレスなく大きく広がります。とアナウンスされていた。この心地よさを知ってしまうと他のボードは一切考えられなくなります。安価なKEF Q300も意外と聴ける音に変身するこも驚きだ。インシュレーターとの併用も可能ですが、フローティングによりインシュレーターの効果が半減しますので、インシュレーターは使われないこと(直置き)をおすすめいたしますと記載されていた。

大きさはA4サイズで、このボードの効果が顕著に現れるのはスピーカーやレコードプレーヤーですが、アンプやDACなど振動とは関連がないと思われる機器にお使いいただいても大きな効果が期待できます。と解説がある、スピーカーにお使いいただいたけば耐震性が向上し、トールボーイスピーカーでも震度5+程度の揺れでは倒れなくなります。と謳い文句には良いことばかり紹介されている。使用方法は簡単でボードの上に乗せれば終わりで簡単です。

それとこのウェルフロートボードの効果は設置すれば音質効果はすぐに現れる、特に効果的な点はスピーカーから音が離れステレオ感がよくなる、価格は高額だが効果は抜群に思う。ウェルフロートボードに乗せた瞬間から違いが分かり離したくない衝動に駆られる。


早速試しに使って見た。セッティングして見ると、フロートの部分が自然に揺れる、KEF Q300で音出しをする、BOB VAN ASPERENでバッハの「良く調律された鍵盤楽器のための曲集」を聴く、確かに音が一段と澄んだように感じに聴こえる、特に驚いたことはグレン・グールドのピアノ演奏は生のような響くピアノの音でした、ピアノの音は使用効果が謙虚に出る。特に木管楽器の音は随分生音を聴くような鳴り方をする、これは特筆ものの音が聴こえた。

据え置いた瞬間からエンクロージャーが消え、スピーカーから音が離れたのである、これは意外と良い買い物かもしれない?


このように簡単にエンクロージャーから、音が離れて聴けるのか?驚きである。ただし中域の具合が若干張りが薄くなる傾向があるが、全体的には魅力ある音になるようだ。

GOODMANS AXIOM 80の箱にもAIRBOWウェルフロート (Wellfloat) オーディオボードを装着すれば音質が断然向上して聴こえるのかもしれない、将来は是非欲しいインシュレーターであるかも知れない。



今回は写真掲載した、以前も紹介したがニッキ・パロット Nicki Parrott、昨年は新しいCDを発表していました。 

ニューカッスル、 オーストラリア生まれ。4歳の時にはピアノと、フルートを始め音楽の訓練を開始した。15歳の時ベースを始める。シドニー のニューサウスウェールズコンセルヴァトワール音楽院でジャズの勉強し、その後ロシアのミュージシャンダニエル クレーマーとアレクサンダーボビー フィッシャー 、アメリカのトランペットシューとチャック フィンドリーオーストラリアツアーへ参加。


オーストラリアでCDデビュー、1994年5月オーストラリアの芸術文化振興会にノミネートされる。

そしてベーシスト、ルーファスリードと一緒に勉強するように なり、2002年5月彼女の妹リサ パロット共に参加した’Tribute to Mary Lou Williams festival ’の模様がナショナルパブリックラジオで放送され、著名なミュージシャンと共演するようになり、国際的に高い評価を受けるようになった。


ウッド・ベースを弾き、マイク・スタンドで艶やかに甘いシルキー・ボイスで歌うスタイルが見えるようだ、とてもチャーミングである。

ニッキのニュー・アルバムはタンゴ、マンボ、ルンバが満載の「パパはマンボがお好き」魅力たっぷりの歌が聴ける、ヴォーガルもウェルフロート効果が大きいようです。ニッキ流オシャレなニュー・ラテン・ジャズ・サウンドで香り豊かな極上ブレンドであなたを魅惑する! 



<パーソネル> ニッキ・パロット (vocals & bass)、
       ケン・ペプロフスキ (clarinet & tenor sax)、
       ヴィンス・チェリコ (percussion)、
       ジャスティン・ポインデクスター (acoustic & electric guitar)、
       サム・レイダー (accordion)

  1. コーヒー・ルンバ Moliendo Cafe
  2. グリーン・アイズ Green Eyes
  3. パーフィディア Perfidia
  4. キス・オブ・ファイアー Kiss of Fire
  5. ある恋の物語 Historia De Un Amor
  6. 恋い焦がれて Te Extrano
  7. ナイト・タンゴ Night Tango
  8. ソモス・ノヴィオス Somos Novios
  9. くちなしの花 Dos Gardenias 
  10. オブリビオン Oblivion
  11. ブルー・タンゴ Blue Tango
  12. 何も言わないで No Me Platiques Mas
  13. パパはマンボがお好き Papa loves Mambo
  14. アルフォンシーナと海 Alfonsina Y El Mar
Produced by Tetsuo Hara 
Recorded at Trading 8's Studio in New York on January 2,3 &4, 2019. 
Engineered by Chris Sulit
Mixed and Mastered by Tetsuo Hara



ニッキのニュー・アルバムはタンゴ、マンボ、ルンバが満載のニッキ流オシャレなニュー・ラテン・ジャズ・サウンドで香り豊かな極上ブレンドで魅惑する! 今までとドラムの鳴り方がリアルに聴こえるのは、得した気分です。

勿論リード楽器はリードが震える感じが聴ける様になったのは一層のリアル感がした、一番驚いた再生はオーケストラの演奏で、以外に壮大な響きが聴ける、今まで味わったことのない演奏が登場する、大音量にすれば指揮者が見えるのかも知れない。



後日ご指摘を受ける、ウェルフロートの使用は設置台に花崗岩の様な石の板を敷きその上にウェルフロートを載せての試聴が一番効果的とご指摘を受ける、現在はLS3/5aで使用中ですが、実に良い塩梅になっている。一応参考に写真を掲載します。

勿論AIRBOW(エアボウ)で勿論安物のKEF Q300が唸った・・・ブラボー!

サントリーCMソングの考案、「ウイスキーが、お好きでしょ」は、石川さゆりが1990年に発表した楽曲である。

2020年01月19日 | 日記


サントリーウイスキーのCMは昔から好きで良く聴く、この曲もCMに流れ始めもはや30年にもなる・・・
色々な歌手のカヴァーがあるが、やはり最初が一番に思うは筆者だけか・・・?でも私の愛飲するウイスキーの銘柄は他社の某メーカーではあるが・・・(笑)

最初のCDは「SAYURI」ででています。名前を明かさない所が洒落ている。ソプラノの美しい歌が聴こえた。


上記写真は発売当時の物のようです、今回購入のCDは下記の写真です。今年は彼女NHK大河の「麒麟が来る」の明智光秀の母に熱演し期待しましょう。
意外と色っぽい母親役が見どころ十分であり今後の母親役に目が離せません。


作詞:田口 俊、作曲:杉 真理(すぎ まさみち)、編曲:斎藤 毅(斎藤ネコ)。サントリーのウイスキー「サントリークレスト12年」のCMソングとして企画制作され、1990年から1991年にかけて使用された楽曲である。 
曲調が演歌ではないため、CM画面上のクレジット表記は「Song by SAYURI」とされ、後にシングルとしてリリースする際も「SAYURI」名義でリリースされた。

1991年2月21日には、SAYURI名義のシングル(カップリング曲:「あやまらなくていいの」作詞:田口俊・作曲:杉真理・編曲:羽田健太郎)としてリリースされた。


記憶に残るは井川遥のCM、忘れちゃならない大原麗子も、とてもキュートだった!


2007年から、「小雪」出演のサントリー角瓶のCMソングとしてリバイバル使用された。

サントリーは面白い会社です、例えばオールド等最初は実に美味しいウイスキーと思っていたが時を過ぎると徐々に味が落ちる。何故だろう、大量生産することで原料他同じものが使えず、生産するのだろうか?現在ウイスキー愛好者は減ったとも聞くウイスキーに限らずアルコール全体の消費量は減ったと言われる。

小さなことを述べるとお叱りを受けるが、筆者は同価格帯のウイスキーなら断然ニッカが美味い、でもコマーシャルはサントリーは優秀である。最も雰囲気重視の場合はサントリーで十分という判定なんだろう。


以降、現在までCMソングとして一貫して使用されている。サントリーのCMの旨さは舌を巻く。

しかし人間年を重ねるとお酒も少量で良い気持ちになる、勿論量も減るので、最近アルコールは料理に合わせ好きな銘柄を嗜んでいます。



又サントリーのCMは「大原麗子」は一番思い出に残る女優である。何故かいつの間にか死亡記事を読み驚いた次第である。

大原麗子で思い出すのは当時山崎パンの社長が大原麗子の大ファンで強引に自社のコマーシャルに大原麗子を起用し、どうだ「似合うだろう」と言ったが、今も筆者は似合わないと思っている事が記憶に残る。


石川さゆり自身2019年現在、過去41回出場中の「NHK紅白歌合戦」ではまだ一度も披露していないが、同じNHKテレビの歌謡番組では何度か歌唱している今後に期待したい。

2019年3月5日(火)、10月8日(火)放送の「うたコン」でも歌唱されたようだ。又、畠山美由紀、ゴスペラーズ、竹内まりや、ハナレグミ、田島貴(ORIGINALLOVE)、浜崎貴司、藤巻亮太らのカヴァーがあるが
やはり本命は「石川さゆり」のものが一番良い。最初聴いたとき・・・誰この澄みきった歌声はと思われた諸兄は多いともうが・・・・
テレビから流れる歌を聞いて、こう思われた方も多いのでは無かったでしょうか、あの石川さゆりだったんです。


実は、このCMソングが流れたのは1990年、同じくサントリーウイスキーのCMでした。

話は反れるが、オペラ歌手も自分たちの声を「楽器」と呼ぶと言うらしい、この楽器を使い40年以上使い続けやっと本物の良い音が出るようになると言われる楽器と仕上がるそうです。
思えば石川さゆりさんも丁度、声に一層艶がでて良い塩梅に聴こえる時代になって来たのかも知れない。


 ウイスキーが お好きでしょ
 もう少し しゃべりましょ
 ありふれた 話でしょ
 それで いいの 今は

 気まぐれな 星占(うらな)いが
 ふたりを めぐり逢わせ
 消えた 恋 とじこめた
 瓶を あけさせたの

 ウイスキーが お好きでしょ
 この店が 似合うでしょ
 あなたは 忘れたでしょ
 愛し合った事も
石川さゆりウイスキーが、お好きでしょを聴き透明度のある声にうっとりしています。
演歌らしさもなく、Jazz、いや上等のブルースを聴く感じが好印象、勿論CDも購入改めて聴くと、実に歌が上手い、大人の雰囲気漂う、聴いているだけでウイスキーが飲みたくなる楽曲、そしてウイスキーがより美味しく感じられる楽曲です。別にサントリー以外も大いに結構である。

デビュー1972年頃からレッスンを始め今年で48年目になるそうです。石川さゆりの楽器も丁度良い塩梅に鳴る楽器の時期になったようです。


最近は、ルパンのエンディング「ちゃんと言わなきゃ愛さない」も歌っています、是非お聴きください。


声の音出しでが抜群な、音が聴けるヴィンテージエンクロージャー
TANNOY IIILZ in Cabinet(Chevening)をひっそり聴くには、

色っぽく歌う「さゆり」は実にブラボーである!


旧約聖書がバッハなら新約聖書のピアノ・ソナタ演奏は、アニー・フィッシャーが弾くベートーベンの何が新約聖書かの巻?

2020年01月16日 | オペラ・歌劇・カンタータ・オーディオ全般


音楽愛好家の筆者は考える、旧約聖書はバッハ「平均律クラヴィーア曲集」であるが新約聖書はベートーベンのピアノ・ソナタの何番を指すのでろう?

ベートーヴェンは、第14番で第1楽章に緩徐楽章をおくなど更なる多様な試みを行い、 古典派ピアノ・ソナタの最大の完成者として、そのピアノ・ソナタ集は「ピアノの新約聖書」 として知られており、音楽学生にとっては世界的に避けて通れないレパートリーとなっているそうです。


現在、我が家のエンクロージャーはIIILZ をGOODMANS AXIOM 80の箱に移植したので聴くがTANNOYIIILZ in Cabinet(Chevening)で聴くよりレンジの幅が広く聴こえる、パワーアンプも真空管に変えた効果かもしれない。特にピアノ曲はいかにもグランドピアノらしい響きが聴ける様になったことは大変ありがたい。

それにしても玉転がしには多くの真空管を買いすぎたが、これも色々聴けた楽しみであった。
しかも真空管一つで音質の変わる真空管アンプは大変道楽者ですが、嵌まると抜け出せない魅力が麻薬的だ。


現在接続ケーブル、真空管等パーツもエージングも無事進み、すべてバランスよく聴けるようになった。

綜合的には、もちろんグレードアップされたものは美音の音域も広がるものだが、これには全体的なハーモニーや音域のバランスを考慮しなければならず、パーツの一部をよくしたぐらいでは、たとえばピアノであれば、その高い音域だけがよくなるので、極言すれば、高い音と低域ではピアノ自体の音色が違い、
驚嘆な言い方をすれば、二台のピアノを左右片手ずつで弾く感じになる。ピアノの再生は微妙で難しい、パーツにも相互の相性があるからで、そのあたりの調整が腕の見せどころであろう。

将来は音質重視のLS3/5Aのポータブルスピーカーも手懐けたいが高額のため手も足も出ない事が残念でもある。


少し前のピアニストで、本日は個人的趣味でアニー・フィッシャー(Annie Fischer)1914-1995を選んでみました。

実は最近ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集アニー・フィッシャーの名盤が復活して話題のようです!
コメントをみて早速CDを衝動買い、早速聴き始めたが、実に良い演奏で気に入ってます。

勿論ベートーベンの三大ソナタといえば一般的には・・・・・・・・・

その3曲とは、 「悲愴」と呼ばれるソナタ第8番ハ短調作品13 『大ソナタ悲愴』、

       「月光」と呼ばれるソナタ第14番嬰ハ短調作品27-2、

    そして 「熱情」ことソナタ第23番ヘ短調 作品57のことを指している。

尚、標題は「悲愴」のみ作者自身が付けたもので、他の2曲は後世の人が曲の雰囲気から勝手に呼んだものである。


筆者の思うはビューローがピアノ音楽の「新約聖書」と呼んだベートーヴェンのピアノ・ソナタは、数あるピアノ・レパートリーの中でも中核をなす最も重要な作品群。その中でも最後の3つのソナタは、
ベートーヴェンが到達した孤高の境地が示されています。

ベートーヴェン :ピアノ・ソナタ 第29番「ハンマークラヴィーア」 Op.106 変ロ長調で始まり第30番、第31番からスタートしました。続いて1977年の第32番と続く3つの作品が該当するように思う。

  ● ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109
  ● ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
  ● ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111


ハンガリーの生んだ大ピアニスト、アニー・フィッシャー[1914-1995]。
彼女は円熟著しかった60代前半の1977年から翌年にかけて、ブダペストのフンガロトン・スタジオでベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲を録音しました。


2002年に発売され話題となりましたが、長く入手困難となっていました。

当時、フィッシャーのベートーヴェンのソナタをコンサートで聴いたフンガロトンのプロデューサーが感激し、全集録音を打診。好きなだけテイクを重ねること、好きなだけ録音時間を費やして良く、結果が気に入らなければ発売しないという破格の条件を添えたといわれます。

録音は1年で完了しましたが、編集に対するフィッシャーのこだわりは果てしなく、数年にようやく一枚を許可する(数日後に却下もあったそう)というペースで、1995年に彼女が歿するまでにすべてが刊行できなかったいわく付きのものです。


フィッシャーの死後、フンガロトンのスタッフや評論家たちが検討した結果、文句なく素晴らしい出来ということで日の目を見たといわれます。

実際、ちょっと想像を絶する出来です。フィッシャーのベートーヴェンは造形が大きく、感傷性や曖昧さのかけらもありません。

テンポは早目で、聴き手の気持ちを煽るようなボルテージの高さが独特。有名な『悲愴』『月光』『熱情』など、はじめて聴く作品のような新鮮さに満ち、また緩徐楽章での語り口の巧さに引き込まれます。


正統派でありながら、こんなベートーヴェンは絶対に聴けません。



A.セーケイとE.ドホナーニより受け継いだ知的な解釈に加えて、男性的な力強さにも不足しないフィッシャーの持ち味が、ここでは見事に結実しています。

ベーゼンドルファーの深みある響きも、彼女の解釈に相応しい効果を上げており魅力的。正にTANNOYの独壇場です。

戦時中はスウェーデンに戦禍を逃れていましたが、戦後ブダペストに戻ると、夫のアラダール・トートがブダペスト歌劇場芸術監督に就任、トートがオットー・クレンペラーを音楽監督に招いた繋がりもあって、アニー・フィッシャーはクレンペラーと親交をもつようになり、
クレンペラーがブダペストを離れた後も、ロンドンやアムステルダムで共演していました。


モーツァルトやシューマン、ベートーヴェン、バルトークの演奏でも高い評価を受けており、
その演奏はリヒテルなども称賛、ショルティはハンガリー最高のピアニストと称えていました。

アニー・フィッシャーは、生涯ブダペストを拠点として活動していたため、遺されたレコーディングは少ないのですが、ここでは彼女がEMIでおこなったレコーディングを集めています。

独奏曲では、アビーロード・スタジオで録音したベートーヴェン、シューベルト、シューマンが収められており、アニー・フィッシャーの詩情豊かな演奏を味わうことができます。



そう言えば、彼女は晩年にフンガロトン・レーベルでベートーベンのソナタを全曲録音しています。

まずは、録音にどれだけの時間を費やして、好きなだけテイクを重ねてもいいこと。

さらには、(これがすごいのですが)、それだけテイクを重ねても結果として気に入らなければ発売しないという条件です。

幸いにして、録音そのものは1年で完了しました。

1995年に彼女が歿するまでにすべてをリリースすることが出来ず、彼女が亡くなった後にレーベルの独自判断で残された録音がリリースされたそうです。

このエピソードを読んで、何故に彼女が録音を嫌っていたかが少しは分かったような気がしました。

おそらく、彼女は録音を嫌っていたのではなくて、録音を恐れていたのだろうと思います。

ピアノの新約聖書も素晴らしい演奏が聴けました。ブラボー!