最近は改良したLS3/5A鳴らしたのだけど、、、音は、やっぱりとても良くなったのですが、こちらの音楽聴く年季が長くなったこともあってか、演奏そのものは、ちょっと退屈に感じられた様である・・・でも、ピアノの音は、凄く良くなった様に感じる。欧州の音とでも言える一口に言えば、少し渋めなそれでいて透明度は強く陰影も豊かに感じさせる音質が特徴に思える。
世間でいう英国の音とは、BBCモニター系列のスピーカーを言っているようだが、BBCは英国放送協会《British Broadcasting Corporation》の頭文字をとったもの。1973年に民間放送が許可されるまで英国では唯一の放送局(長波・中波・短波・FM・TV)であり、受信料で運営される一種の国営企業だった。
BBCモニター系スピーカーのなかでもロジャース/スペンドール/KEF/ハーベス等々のメーカーが作った小型のLS3/5Aの人気が特に高い。
中でも特に初代のロジャーのLS3/5Aの人気は高くプレミアム価格で取引されている様である。
でもエンクロージャーの据え付けはかなり微妙な条件があり、音質に付いては変化する、とにかくポン置きは良い結果は出ない様に思われる。筆者の場合はWellFloat(ウェルフロート)BW001 TYPE A4を使っているがとても効果的である。サイズも各種あり汎用性も高く一度確かめると手放せなくなる様です。
LS3/5Aについて改めて詳細を見てみましょう。ここでは一番人気のあるROGERS「LS3/5A」1980年頃発売され40年の月日が過ぎ、現在では昔の音に聴こえるかもしれないが・・・。KEF社のユニット供給が終わり1999年末に生産が完了したが、その後もロジャース社やスターリング・ブロードキャスト社はBBCのライセンスをとって復刻モデルを製造・販売している。
LS3/5Aのプロトタイプが出来たのが1972年、一般に発売開始されたのは1975年だからなんと40年間ほぼ現役ということになる。お化けのようなスピーカーだ。これまで10万セットが製造され、その内ロジャースだけで4万セット製造している。音質は各社微妙に若干の差があるようでで、其のあたりが人気の秘密があるようで、基本はKEFで製作のユニットを使っているようです。
此の様なコメント案内を信じ、2年前デットストック品を購入し筆者所有のLS3/5Aの改良を続けきたが、此処でやっと致命的欠陥部分を見つけて改良し、狙い通りの音質に改良され現在は略満足しています。
詳しく生産メーカーは年代ごとに違い、非常に複雑だがBBCライセンスでLS3/5を生産したメーカーは以下の通りである。
ロジャース - Rogers Loudspeakers Ltd.
チャートウェル - Chartwell Electro Acoustics
オーディオマスター - Audiomaster
ラム - RAM Loudspeakers
グッドマンズ - Goodmans Industries Ltd.
スペンドール - Spendor Loudspeakers
ハーベス - Harbeth Audio Ltd.
ケーイーエフ - KEF
(1999年まで 「Unofficial LS3/5A Support Site」調べ)
最近の2社の復刻版は除くが、全て同じユニット、全て同じ仕様で作られている。全く化物(バケモノ)的なスピーカーである。
<主な仕様>ユニットは共通
・ウーファー :KEF/B110 SP1003 10cm べクストレン振動板
・ツィーター:KEF/T27 SP1032 2.5cm ソフトドーム型
・クロスオーヴァー周波数:3KHz
・インピーダンス:15オーム(初期型) 11オーム(1987年以降)
・寸法:188 (W)×304 (H) ×185 (D)
当初は出荷時の製品チェックが厳重でメーカーや生産時期が違ってもステレオ・ペアーが組めるほどだったという。
LS3/5Aは商品のモデル名ではない。単なるBBCの機材の規格名称だ。頭に付く"LS"はLoudspeakerを意味する記号。次の"3"はスタジオ外放送・屋外中継用を表す番号。ちなみに"LS5"はスタジオ用。スラッシュのあとの番号は開発番号。スタジオ外放送用途で5番目に開発されたことを表す。最後の"A"は開発後に一回の変更があった表示。最初に局内配布用でプロトタイプと同じLS3/5が20台つくられ、その後ユニットに変更があり、最終型番がLS3/5Aとなっている。
1960年代後期から、英国放送協会(BBC)は、スタジオ外からの放送のための小型のモニタースピーカーを求めていた。それまでのモニタースピーカーは中継車や、会場の一室などに設置するには大きすぎた。市販の民生機では条件にマッチするモデルはなかった。そこでBBCは自ら開発することを決めた。開発にあったったのはBBCの技術研究所(BBC Designs Department)。
プロトタイプの開発にはTVの中継車での使用を想定しての設計が行われた。開発にあったっては、多少低音の再生能力に限界があっても、再生音量が制約されても、小型化が優先された。放送スタジオ用のものと違った開発ポリシーが用いられた。60年代米国を席巻していた小型スピーカーのアコースティックリサーチ社のAR-3やKLHのことは参考にしただろうが、BBCはユニットの開発を含め、全く新たに設計に取り組んだ。
【英国におけるステレオの普及とFMステレオについて】
ステレオが一般家庭に普及するのは1970年代に入ってから。一部の好事家を除いて一般家庭ではモノラルの電蓄で音楽を楽しむのが普通。ステレオ盤が広く出まわるのは1970年代半ば。それまでモノラル盤が主流だった。事情は他のヨーロッパ諸国でもあまり変わらない。ステレオ化は米国や日本より10年近く遅れている。基本的には英国って昔から閉鎖的なんですね!
以前に紹介したビートルズの「Hey Jude」は英国においてはビートルズの活動中にはリリースされなかった。(米国・日本除く)。CDでステレオ版が収録されたのは1988年3月発売のアルバム『パスト・マスターズ Vol.2』である。
ビートルズの活動中には正規なのは全てモノラル盤。ステレオ・ミックスはプロデューサーのジョージ・マーティンがエンジニアとこしらえて米国のキャピトル・レコードに送っていた。メンバーはこのミックスをほとんど聴いていなかったというのは有名な話。
ステレオ録音にビートルズが本格的に興味を持ち始めたのは、8トラックのマルチレコーダーが導入された「Hey Jude」以降だという。
1973年10月、英国では法律改正によりロンドンにはじめての民放局が登場した。LBCとCapital Radioである。翌年には全国で15の民放が中波とFMで放送を始める。FMのステレオ化は搬送波の技術的問題もあり1980年代に入ってからと大幅に遅れた。若者達にとってはウオークマンでのイヤフォーンリスニングの時代と重なることになった。
LS3/5Aの開発には当時のお金で10万ポンド(現在の金額で1億円〜1億5千万円)という巨額の費用が投じられた。金に関係なく最高のものを揃えるのが国営企業のやり方と言えばそれまでだが、スタジオ用のものなら当時アルテック604EやタンノイのMonitor Goldなどの優れたユニットがあり、高品位システムを揃えることが可能であった。これに対して小型の優れた特性のスピーカー・ユニットを収めたシステムはほとんど白紙からスタートだった。近い将来のFMステレオのプログラムに対応させるため、ステレオのペアーが条件。
狭い放送ブースの調整卓の前面に、ステレオ・イメージを仮想的に配置する方法についてもBBC技研は実験を重ねた。 サウンド・ステージという疑似音響は、その後のニアフィールド・リスニングの基本になっていった。この様は背景を考察すると、LS3/5Aでオーケストラの再生音はミニオーケストラが小さなステージに浮かぶように聴こえる。
BBCモニタースピーカーは専用アンプ内臓のROGERS LS5/8(AM8/16)が有名で専用アンプはQUAD 405に該当するものが挿入されて、LS3/5AもQUADアンプでのドライブが一番のマッチングかもしれない。プリのQUAD 44パワーのQUAD 405-2の組み合わせはお洒落であるが音質は昔の製品で音質は期待は出来ないが、個人的には見た目にQUAD 33・QUAD 303の組み合わせがさり気なく設置されている風景は、お洒落で、デザイン感は実に好みでもある。
現在筆者は1972年頃発売された古い真空管アンプLUXKIT A3500を出来る限りメンテして駆動している、随分球転がしの結果勿論松下製真空管6CA7と日立製の6AQ8も落ち着いています。真空管トレースの優れた違いは、音の厚みと奥深さが現れる違いであろう。LS3/5aの音は昔を懐かしむだけの古臭いものではないです。しかし永くきくとどこかつまらないのです。
ここに至って「普通の音」が持ち味なんだと思います。だから半世紀近く前の設計のまま今も存在している孤高のスピーカーなんでしょう。そこで敢えて真空管アンプに変えて聴いています。
ジャズ向き・クラシック向きのと言われるオーディオ機器、オーディオシステムが存在するという話は昔から良く聞く話だ。勿論筆者もジャズもクラシックを好きではあるが、歳と共にジャズの分野が変わってきた、スイングジャズ傾向が強い、どちらかと言えばピアノ・トリオのようなオーソドックスの感じを聴く事が多くなっている、勿論たまには金管楽器も聴きたくはなるが頻度は少ない、実際問題として、ジャズもクラシックもどちらも素晴らしく鳴ってることが前提で一番ではあるがそれは無理難題のようである、
オーディオの機材を思えば最近益々回顧的になっていく様に思う、やがてこの趣味は最後には閉鎖するのであろう。最近はイヤホン、ヘットホンで代用しているのですが筆者には耳の部分がヘットホンで占領された思いもあり購入以降使用はしていない。またオーディオ機材も益々高額が当たり前の世界で、新築一戸建と比べ同等、いやそれ以上のプライスが掲げられ、それで音が悪ければ詐欺行為にも感じる。益々一般にはオーディオ離れする様である。
確かに常用するユニットによっても聴く音楽ジャンルの傾向は明確に影響は強い様に伺える。贅沢を言えばアメリカ製の西海岸のユニットを加えたくもなる。
ワンダ・ランドフスカ(Wanda Landowska)
それと個人的に好きで良く聴く演奏者にワンダ・ランドフスカは比較的よく聴くが、古い演奏と録音状態も決して良くありません。ピアノの普及により埋もれてしまっていたチェンバロを現代に復興させた立役者。20世紀初頭、バッハの作品は少ないながらも演奏会で取り上げられてはいましたが、チェンバロ作品についてはほぼモダン・ピアノ演奏の一択という状況でした。
チェンバロ奏者、音楽教師、作家として活躍。ワルシャワ生まれ。4歳からピアノを始める。ワルシャワ音楽院でヤン・kレクジンスキ(Jan Kleczynski)、アレクサンダー・ミカロウスキ(Aleksander Michalowski)に師事。ベルリンでハインリヒ・ウルバン (Heinrich Urban) に作曲と対位法、パリでモーリツ・モシュコフスキにピアノを師事。
ピアノよりもチェンバロに注力することを決意し、1908年から1909年にロシアでプレイエル・チェンバロによるコンサートツアーを行った。1912年から1919年の間、ベルリン芸術大学でチェンバロを教えた。1923年にアメリカでデビュー。1933年にバッハのゴルトベルク変奏曲をチェンバロで初めて録音した。1938年にフランス市民権を取得。1949年にアメリカのコネチカット州レイクビルに住んだ。1954年に演奏活動を引退した。バッハ、クープラン、モーの作品を中心に音楽学にも精力的に取り組んだことで知られる。ショパン、スカラッティ、モーツァルトの作品の録音も行っている。
ワンダ・ランドフスカ / バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻(2CD)
マーク・オバート=ソーン復刻。散発的にRCA Victorへ録音を行い全曲盤になったものですが、この復刻では状態のいいSP盤をソースに使ってピッチ修正などを行い、録音日のばらつきを感じさせないような仕上がりにしているのがポイント。ランドフスカ晩年の演奏が蘇る2枚組です。
J.S.バッハ(1685-1750):平均律クラヴィーア曲集第1巻 BWV.846〜869(全曲)
J.S.バッハ(1685-1750):平均律クラヴィーア曲集第2巻 BWV.870~893(全曲)
ワンダ・ランドフスカ(チェンバロ)
バロック時代の鍵盤音楽を現代に知らしめた今世紀最大のチェンバロ奏者、ランドフスカによる戦前の録音。
古楽関係者からは時代の遺物のように嫌われているモダン・チェンバロだが、彼女が居なければ現在の古楽復興すら叶わなかったかもしれない。ランドフスカの魔術の如き華麗な指さばきは演奏家として超一流。高音質クリームレーベル!チェンバロ音楽の開拓者であり、ランドフスカにより一つの完成を見たこれら音楽に触れておくことは決して無駄ではい。
確かにランドフスカ(チェンバロ)の音質は古い音がする、音質もどちらかと言うと重い音がするチェンバロはピアノと違い二段鍵盤を弾くことでフォルテの音を出している。上段での音質はチェンバロらしい涼やかな音はするが、下段での弾く音がよろしくない様に思う。演奏は一級品だが音質はイマイチです。しかし平均律クラヴィーア曲集を聴くにはランドフスカの演奏が一番の基本に思える。
以前ケーテン時代に仕上げた平均律クラヴィーア曲集第1巻 念頭にあったと思うんだけど、1723年にバッハは、ライプツィヒのトーマス教会のカントルに就任し、最後の27年間をそこで過ごした。バッハはその職務の性格上しばらくの間宗教音楽の作曲に集中するが、それが一段落ち着きた1735年頃から再びチェンバロ曲に向かい始めた成果がこの曲集平均律クラヴィーア曲集第2巻 と言われている。
またバッハはこの曲の終わりに「音楽を志す若人の勉学のために、またすでにその道の達人のために、J.S.バッハにより起草され、完成さる−1722年」と締めくくりされる。ブラボー!