最近筆者が購入し聴いているCDは古いSP時代の演奏者が演奏する曲が多い、
ウラディーミル・ド・パハマン (ピアノ)のショパン、ハンス・クナッパーツブッシュ指揮の
ワグナー、ヘルムート・ヴァルヒャ・バッハのチェンバロ作品集、ワンダ・ランドフスカチ
ェンバロ作品集実に古い録音のCDを聴きスクラッチノイズの酷いものもあるが、音質より音
楽を楽しんでいる。そこには素晴らしい演奏があるからなのかも知れません。
筆者のタンノイIIILZ in Cabinetも此の程度の小編成の音楽は、水を得た魚の如く、良く歌い
ます。筆者のシステムも落ち着き初め、小編成の音楽なら程よく聴けるようになり再度気にな
ったメンバーの音楽を聴くことにした。気軽にバッハが聴きたい、前にも紹介したが、キアラ
・マッシーニが居間で簡単に奏でるようなリラックス気分で聴きたい。
前にも紹介したがカフェ・ツイマーマン演奏のバッハがリラックス出来る。ただ全体にテンポ
は速めですカフェ・ツィマーマンはヴァイオリニストのパブロ・バレッティとチェンバリスト
のセリーヌ・フリッシュが結成したバロック・アンサンブル(ピリオド楽器使用)で,グルー
プ名は,バッハが毎週コンサートを行っていたライプツィヒのゴットフリート・ツィマーマン
のライプツィヒのコーヒーハウスの店名Cafe Zimmermannにある。
基本編成は弦楽器5人とチェンバロ1人ですが,曲によりメンバーが入れ替わったり追加された
りしています。基本的には1パート1人で演奏されています。
前にも紹介はしていますが、セリーヌ・フリッシュCéline Frischの平均律クラヴィーア曲集
演奏も大変素晴らしい。
程よいテンポで奏でる平均律も安心して聴ける。
J S Bach, Prelude & Fugue No 1, BWV846
カフェ・ツィマーマンによる「さまざまな楽器のための協奏曲集」(現在、第四集まで刊行中)
がそれである。さらに、「さまざまな楽器のための協奏曲集」というシリーズ名は、「ブランデ
ンブルク協奏曲」献呈譜の表紙に仏語で書かれた「Six Concerts Avec plusieurs Instruments」
(さまざまな楽器のための6つの協奏曲集)に由来しており、各アルバムにはブランデンブルク協
奏曲より一曲ずつが収録されるという粋な趣向。自筆譜にはフランス語でで「いくつもの楽器によ
る協奏曲集」(Concerts avec plusieurs instruments)と記されているだけである。
この自筆譜には、代筆されたと推定されるフランス語の献辞が添えられており、
2年前に伯の御前演奏をした際に賜った下命に応じて作品を献呈する旨が記されている。
しかし、いつどのようにして御前演奏する機会を得たのかは、
献辞に記された日付から1719年のことと推測されるものの、はっきりとは分かっていない。
献辞に示された動機を否定するものではないが、本作品が成立した本当の理由は就職活動だったの
だろうと考えられている。当時バッハが仕えていたレオポルト・フォン・アンハルト=ケーテン侯
は自ら演奏もこなす大変な音楽愛好家で、一諸侯には珍しい立派な宮廷楽団をかかえ、楽団は多く
の名手をそろえていた。
バッハはケーテンの宮廷楽長として一生を終えるつもりだったが、ケーテン侯の妃となった女性が
音楽嫌いであったためにレオポルト侯の音楽熱は冷め、宮廷楽団も縮小される事態に至ったという
ケーテン(Köthen)はザクセン=アンハルト州に属する人口3万人ほどの小さな町です。
ドイツの偉大な作曲家3Bの一人であるヨハン・セバスチャン・バッハ(1685-1750)が1717年
から1723年までアンハルト=ケーテン候レオポルトの宮廷楽長として仕えていた町で、バッハファ
ンにとって彼の功績を辿る上で重要な町であり、彼のファンが多い日本人も多数訪問しているよう
です。筆者も機会があれば一度訪れたい所です。
考えて見ればこのバッハのケーテン(Köthen)時代はバッハファンにとっては素晴らしい5年間です
バッハが器楽曲を作り弟子たちの練習曲をまとめた時代がなければ、此のような素晴らしい器楽曲は
聴くことはできなかったかもしれない?何という偶然の産物なのか?
最後に作曲されたと見られる第5番については、作曲の時期と動機をうかがわせる、かなり有力
な状況証拠が残っている。1719年、宮廷からバッハに大金が支払われた記録があり、その明細
によると、バッハがベルリンまでチェンバロを受け取りに行ったらしい。
購入されたチェンバロが高価であることから、バッハがそれ以前に一度ベルリンに赴いて、オー
ダーメードでチェンバロを作らせたのではないかと考えられている。新しいチェンバロを前にし
て、バッハが作曲の腕をふるっただろうことは想像に難くない。すでに完成していたと見られる
初稿BWV1050aと献呈稿を比べると、有名な第1楽章のチェンバロ独奏部は献呈稿において初稿
の約3倍の長さ(19小節→65小節)になっており、チェンバロのお披露目を意図した改変である
ことが想像される。通常は通奏低音楽器のチェンバロを独奏楽器群に加えること自体が独創的で
るが、第5番はチェンバロの活躍が著しく、実質的に音楽史上初のチェンバロ協奏曲として、後代
のピアノ協奏曲の出現を準備する画期的な作品となった。
ちなみに、この2回のベルリン行きの際に辺境伯に会う機会があったのではないかとする説も有力。
カフェ・ツィマーマンはこの協奏曲集からCD1枚ごと1曲ずつを選び、そのほか3曲ずつを加えて
この シリーズを制作しているため、「ブランデンブルク協奏曲」全曲のほんのに、「管弦楽組曲」
4曲のほか、複数のチェンバロを使う協奏曲も収録、
さらにBWV1055にはたが「チェンバロ協奏曲曲」と「復原オルエエ・ダモーレ版」の双方を聴
き比べられるという凝りようです。演奏も極上、全アルバム分の日本語解説含め、非常に価値の
高い仕上がりとなっています。価格もかなり高額で貧困老人に厳しく最近CDの購入が多く購買を
控えています。
【収録情報】
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ( 1685~1750 ):
・チェンバロ協奏曲短調BWV1052
・オーボエ・ダモエレ協奏曲イ長調BWV1055a
・ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV1042
・ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV1050
・ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調BWV1048
・2挺のヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1043
Café Zimmermann Ensemble / Alegro D Minor BWV 1043
・序曲(管弦楽組曲)第1番ヘ長調BWV1066
・オーボエとヴァイオリンのための協奏曲ハ短調BWV1060a
J. S. Bach - Concierto para oboe y violín en do menor, BWV 1060R - Café Zimmermann
・ブランデンブルク協奏曲第4番長調BWV1049
・オーボエ協奏曲ニ長調BWV1053a
・3台のチェンバロと弦楽器のための協奏曲ハ長調BWV1064
・序曲(管弦楽組曲)第2番ロ短調BWV1067
・ヴァイオリン協奏曲短調BWV1041
・2台のチェンバロと弦楽合奏のための協奏曲ハ長調
・三重協奏曲短短BWV1044 ・ブランデンブルク協奏曲
第2番ヘ長調BWV1047
・序曲(管弦楽組曲)第3番BWV1068
・チェンバロ協奏曲ヘ短調BWV1056
・ブランデンブルク協奏曲第6番番ロ長調BWV1051
・3台のチェンバロと弦楽合奏のための協奏曲ニ短調BWV1063
・序曲(管弦楽組曲)4番BWV1069
・チェンバロ協奏曲イ長調BWV1055
・ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
・4台のチェンバロと弦楽合奏のための協奏曲ニ短調BWV1065
パブロ・バレッティ、アマンディーヌ・ベイエール、ダヴィド・プランティエ(VN)
ディアナ・バローニ(フィート)ミヒャエル・フォルム(BFL)
パトリック・ボジロー、アントワーヌ・トリュンチュク(OB)ハンネス・ルクス(TP)
トーマス・ミュラー、ラウル・ディアス(hr)
セリーヌ・フリッシュ、ディルク・ベラルナー、アンナ・フォンターナ(cmb)他
カフェ・ツイマーマン
カフェ・ツイマーマン演奏は楽しめますが筆者には少しテンポは速めに感じます。でも演奏
はまとまりかなりリラックス出来、録音状態も優れて聴きやすい。今まではブランデンブル
グ協奏曲、管弦楽組曲とセットで聴いてきた筆者にはこのCDの組み合わせは初めてで新鮮に
感じる。今後益々カフェ・ツイマーマン演奏に期待します、 ブラボー!