最初は誰に聞いたのか?はっきりとは覚えていないのだが、以前から
《鮎の遡上時期に、豊川の水温が矢作川より低いので、豊川で産卵し流下した仔魚が、本来豊川に上らなければならないのに、矢作の方に上ってしまってこっちが不漁になってしまう》と言われていて、私もずっとそう思っていた。
昨年の豊橋河川事務所さんとの意見交換会の際に、そのことを話題にした所、早速調査してまとめていただいた。全三年分の資料なのだが、ほぼ同じ傾向なので昨年(平成24年)の資料のみ紹介する。
調査地点は 三河湾:蒲郡沖・吉良沖 豊川:当古 矢作川:米津・岩津
ナント!、この調査によると鮎の遡上時期には豊川のほうが水温が高い・・。
鮎の遡上には13℃以上の水温が必要と言われているが、三河湾、豊川、矢作川ともこの水温以上になるのは3月下旬だ。そして、年明けから鮎の本格的な遡上時期である4月末まで、豊川のほうが平均2℃ほど温かいのだ。水温の高い方へ上るのなら豊川に多くの鮎が上ってしまうことになる・・・。
《豊川上流は奥が深く、渓流が多いので冷たい》などと尤もらしい曰くがついていたのだが、この結果だ。昨年は矢作・豊川とも天然鮎の遡上が多かったが、ここ数年不良続きだったので、隣りの川が良く見えたのだろうか。
冬季に吉良の水温が蒲郡より高く推移しているのが気になるところではあるが、自然は奥深く本当のところは判らない。貴重な資料を提供していただいた豊橋河川事務所の方々に感謝すると共に、このような調査の積み重ねが、私たちの知見を増やし、昔のような豊かな川をとり戻す手助けになればと願う。