武田信虎入道(寺田農)は息子・信玄(永島敏行)に甲斐国を追放され、駿河を経て京で足利将軍に仕えて
いた。追放から30年ほど過ぎた1573年、信玄の死が近いことを知った80歳の彼は、復権の好機と考え
帰国を試みる。信濃で甲斐入国を拒まれたものの、信玄の息子・勝頼(荒井敦史)や武田家重臣たちと面会
した信虎は織田信長(渡辺裕之)との決戦にはやる勝頼を危ぶみ、武田家存続のために最後の力を振り絞る
信虎という人物に詳しくなく、予備知識なしで・・・最近は現代によせたセリフやキャラクターが登場
する時代劇が多いような気がします。そう言う作品に共感するというより違和感を感じていたので
『信虎』は自然に観る事が出来ます。作品は、信玄が三方ヶ原の戦いの渦中で病死した直後からの物
です。信虎が信玄、不在の武田家をどう維持するのかで苦闘する様子が描かれる。京都から甲斐国への
織田勢の中の突破行など、当時の戦争の現実的な再現がなされ面白い一面を見せる。
何といっても冒頭のクレジットによる断りにある通り、全編に遠慮なく言葉や名前を説明する字幕が多様
されています(確かに説明が無いと厳しい)武田氏ゆかりの寺の数々とロケ地の多さ、そして調度品の
重厚さ・・・まるでタイムスリップしたような錯覚に陥ります
もう一つは久遠寺をはじめとする仏教の教えが、かつて悪行を働いた信虎に対し自戒させ、多くの煩悩
が自分の周りに取りついていた事を悟る、それは単に歳を重ねた事だけでは無いはずだと、自分の境遇が
図らずも武田氏滅亡への一端となったことが重なり、煩悩を一つずつ落とすことが武田氏滅亡への楔と
なることに気が付いたのでは無いだろうか・・ 結果どうなんだろう?と思って居たのだが面白かった。
全編「寺田 濃」さんの演技に引き込まれますね
歴史好き、武田好きが没入するにはこれ位しないと納得しないかも ☆☆☆☆