今日(8月24日)は「愛酒の日」
酒をこよなく愛した歌人・若山牧水(本名:若山繁)の誕生日。
「秋草の花のうち、最も早く咲くは何であらう。萩、桔梗、などであらうか。
桔梗も花壇や仏壇で見ては、厭味になりがちである。野原のあをあおとした雑草のなかに、思ひがけない一輪二輪を見出でた時が本統の桔梗らしい。」・・・【秋草と虫の音の一節(若山牧水)より】
人間や自然への溢れる想いを歌い、日本の短歌史に偉大な足跡を残した国民的歌人「若山牧水」は、旅を愛し、酒をこよなく愛した歌人でもある。
「白玉の歯にしみ透る秋の夜の酒は静かに飲むべかりける」
牧水の酒を歌った歌は多いがその中でもこの有名な歌は私の大好き歌である。明治、大正、昭和にかけて活躍した牧水は
「幾山河越えさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく」
の歌のごとく牧水は旅を愛し、放浪の果てに沼津に落ちついた。1928(昭和3)年の初秋、この地に病で床に伏すが、衰弱したなかでも微かに眼をあけ、酒をのぞんだというが、1928(昭和3)年9月17日病で逝く。<43歳>
「酒ほしさまぎらはすとて庭に出でつ庭草をぬくこの庭草を」
上の歌は牧水最後の歌である。
牧水は"酒仙の歌人"とも称され、その酒量は、毎日、朝2合、昼2合、夜6合、1日合計1升を飲む大酒豪であったそうだ。そして、来客でもあると、もう1本もう1本となったようで、人生の悲哀を酒と歌とで昇華しながらの旅も、最後は肝硬変により果てたようである。
その生涯には、発表されたものだけで15冊の歌集があり、約6900首収録されているが、そのうち酒を詠ったものが200首に及ぶという。
牧水の「樹木とその葉 」(副題: 16 酒の讃と苦笑 )には、以下の様に書いている。
”「それほどにうまきかとひとの問ひたらば何と答へむこの酒の味」
眞實、菓子好の人が菓子を、渇いた人が水を、口にした時ほどのうまさをば酒は持つてゐないかも知れない。一度口にふくんで咽喉を通す。その後に口に殘る一種の餘香餘韻が酒のありがたさである。單なる味覺のみのうまさではない。
無論口であぢはふうまさもあるにはあるが、酒は更に心で噛みしめる味ひを持つて居る。あの「醉ふ」といふのは心が次第に酒の味をあぢはつてゆく状態をいふのだと私はおもふ。斯の酒のうまみは單に味覺を與へるだけでなく、直ちに心の營養となつてゆく。乾いてゐた心はうるほひ、弱つてゐた心は蘇(よみがへ)り、散らばつてゐた心は次第に一つに纒つて來る。・・”
本当に酒が好きなんだな~。そして、いよいよ病に冒されて酒を断たざるをえない状態に陥った時の歌には、
「膳にならぶ飯しも小鯛も松たけも 可笑しきものか酒なしにして」
があり、食卓に酒の無いのを悲しんでいるが、この牧水の歌が本当によく理解できる。私も、若い頃は、本当に無茶苦茶な酒の飲み方をしてきた。歳もとり、肝機能も低下し、今は、酒量も抑えて夕食には、2合と決めてはいるがついつい越すことが多くなりがちである。しかし、この盆に、通風の黄色信号が出てきた。医者には、危険信号の手前であるが、今の状況を続けると本当に通風なるので酒量を抑え、休肝日を作るよう厳重注意された。それで、今週から、週1で休肝日を作ることにした。止むを得ない・・・、牧水のような惨めな状況にならないよう、そして、大好きなお酒が何時までも飲めるようにある程度は我慢しなければしようがない。
彼の歌の中には、大好きな銘酒を名前をあげて讃えている歌もある。
「まさむねの一合瓶のかはゆさは 珠にかも似む飲まで居るべし」
「津の国の伊丹の里ゆはるばると 白雪来るその酒来る」
「酒の名のあまたはあれど今はこは この白雪にます酒はなし」
「とろとろと琥珀の清水津の国の銘酒 白鶴瓶にあふれ出づ」
やはり、伊丹や灘の酒が好きだったようであり、同じ酒好きの神戸っ子としては、本当に嬉しく想う。
「人の世にたのしみ多し然れども酒なしにしてなにのたのしみ」
さ~、暑いとはいえ、多少秋めいてもきたことでもあるし、今、健康のため平素は、焼酎を飲むことが多いが、今夜は、愛する徳利と盃を使って牧水を想いながら灘の酒で燗酒でも楽しんでみようか。酒量は守って・・・・。
酒をこよなく愛している凡人よーさんのHP「よーさんの我楽多部屋」。ここでは、よーさんが酒を楽しむために集めた「酒器類」のコレクションを中心に酒の肴にと色んな我楽多類も案内している。興味のある方はご覧ください。酒器の数だけは誰にも負けないよ・・・(^0^)。酒器類のページはここ。
(画像は、暮坂峠(群馬県)の詩碑。《『みなかみ紀行(1922(大正11)年』の旅路にあった牧水が暮坂峠越えを詠んだ長詩「枯野の旅」の一節が刻まれている)とともに、今しがた登って来た暮坂峠を見晴るかすかのように、旅姿の牧水の銅像が建立されている。旅を愛した牧水を彷彿させる銅像である。》
参考:若山牧水[miyazaki-c.ed.jp]
年表、牧水カルタ等。この牧水カルタでどれだけ牧水の歌を知ってるか試しては・・・。http://himuka.miyazaki-c.ed.jp/db/kyouzai/public/wakayama/boku/
青空文庫作家別作品リスト:No.162「若山牧水」
若山牧水の色々な作品がウエブ上で読めますよ。
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person162.html
若山牧水の色々な作品がウエブ上で読めますよ。
沼津市若山牧水記念館(沼津市の公式HP)
http://web.thn.jp/bokusui/index.htm
酒の詩歌句集
http://jns.ixla.jp/users/jofuan505/myhaiku_008.htm
よもやまばなし― その六十 ― 「[若山牧水と白鶴](白鶴酒造のホームページ)
http://www.hakutsuru.co.jp/know/guide/guide_bn.html
酒をこよなく愛した歌人・若山牧水(本名:若山繁)の誕生日。
「秋草の花のうち、最も早く咲くは何であらう。萩、桔梗、などであらうか。
桔梗も花壇や仏壇で見ては、厭味になりがちである。野原のあをあおとした雑草のなかに、思ひがけない一輪二輪を見出でた時が本統の桔梗らしい。」・・・【秋草と虫の音の一節(若山牧水)より】
人間や自然への溢れる想いを歌い、日本の短歌史に偉大な足跡を残した国民的歌人「若山牧水」は、旅を愛し、酒をこよなく愛した歌人でもある。
「白玉の歯にしみ透る秋の夜の酒は静かに飲むべかりける」
牧水の酒を歌った歌は多いがその中でもこの有名な歌は私の大好き歌である。明治、大正、昭和にかけて活躍した牧水は
「幾山河越えさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく」
の歌のごとく牧水は旅を愛し、放浪の果てに沼津に落ちついた。1928(昭和3)年の初秋、この地に病で床に伏すが、衰弱したなかでも微かに眼をあけ、酒をのぞんだというが、1928(昭和3)年9月17日病で逝く。<43歳>
「酒ほしさまぎらはすとて庭に出でつ庭草をぬくこの庭草を」
上の歌は牧水最後の歌である。
牧水は"酒仙の歌人"とも称され、その酒量は、毎日、朝2合、昼2合、夜6合、1日合計1升を飲む大酒豪であったそうだ。そして、来客でもあると、もう1本もう1本となったようで、人生の悲哀を酒と歌とで昇華しながらの旅も、最後は肝硬変により果てたようである。
その生涯には、発表されたものだけで15冊の歌集があり、約6900首収録されているが、そのうち酒を詠ったものが200首に及ぶという。
牧水の「樹木とその葉 」(副題: 16 酒の讃と苦笑 )には、以下の様に書いている。
”「それほどにうまきかとひとの問ひたらば何と答へむこの酒の味」
眞實、菓子好の人が菓子を、渇いた人が水を、口にした時ほどのうまさをば酒は持つてゐないかも知れない。一度口にふくんで咽喉を通す。その後に口に殘る一種の餘香餘韻が酒のありがたさである。單なる味覺のみのうまさではない。
無論口であぢはふうまさもあるにはあるが、酒は更に心で噛みしめる味ひを持つて居る。あの「醉ふ」といふのは心が次第に酒の味をあぢはつてゆく状態をいふのだと私はおもふ。斯の酒のうまみは單に味覺を與へるだけでなく、直ちに心の營養となつてゆく。乾いてゐた心はうるほひ、弱つてゐた心は蘇(よみがへ)り、散らばつてゐた心は次第に一つに纒つて來る。・・”
本当に酒が好きなんだな~。そして、いよいよ病に冒されて酒を断たざるをえない状態に陥った時の歌には、
「膳にならぶ飯しも小鯛も松たけも 可笑しきものか酒なしにして」
があり、食卓に酒の無いのを悲しんでいるが、この牧水の歌が本当によく理解できる。私も、若い頃は、本当に無茶苦茶な酒の飲み方をしてきた。歳もとり、肝機能も低下し、今は、酒量も抑えて夕食には、2合と決めてはいるがついつい越すことが多くなりがちである。しかし、この盆に、通風の黄色信号が出てきた。医者には、危険信号の手前であるが、今の状況を続けると本当に通風なるので酒量を抑え、休肝日を作るよう厳重注意された。それで、今週から、週1で休肝日を作ることにした。止むを得ない・・・、牧水のような惨めな状況にならないよう、そして、大好きなお酒が何時までも飲めるようにある程度は我慢しなければしようがない。
彼の歌の中には、大好きな銘酒を名前をあげて讃えている歌もある。
「まさむねの一合瓶のかはゆさは 珠にかも似む飲まで居るべし」
「津の国の伊丹の里ゆはるばると 白雪来るその酒来る」
「酒の名のあまたはあれど今はこは この白雪にます酒はなし」
「とろとろと琥珀の清水津の国の銘酒 白鶴瓶にあふれ出づ」
やはり、伊丹や灘の酒が好きだったようであり、同じ酒好きの神戸っ子としては、本当に嬉しく想う。
「人の世にたのしみ多し然れども酒なしにしてなにのたのしみ」
さ~、暑いとはいえ、多少秋めいてもきたことでもあるし、今、健康のため平素は、焼酎を飲むことが多いが、今夜は、愛する徳利と盃を使って牧水を想いながら灘の酒で燗酒でも楽しんでみようか。酒量は守って・・・・。
酒をこよなく愛している凡人よーさんのHP「よーさんの我楽多部屋」。ここでは、よーさんが酒を楽しむために集めた「酒器類」のコレクションを中心に酒の肴にと色んな我楽多類も案内している。興味のある方はご覧ください。酒器の数だけは誰にも負けないよ・・・(^0^)。酒器類のページはここ。
(画像は、暮坂峠(群馬県)の詩碑。《『みなかみ紀行(1922(大正11)年』の旅路にあった牧水が暮坂峠越えを詠んだ長詩「枯野の旅」の一節が刻まれている)とともに、今しがた登って来た暮坂峠を見晴るかすかのように、旅姿の牧水の銅像が建立されている。旅を愛した牧水を彷彿させる銅像である。》
参考:若山牧水[miyazaki-c.ed.jp]
年表、牧水カルタ等。この牧水カルタでどれだけ牧水の歌を知ってるか試しては・・・。http://himuka.miyazaki-c.ed.jp/db/kyouzai/public/wakayama/boku/
青空文庫作家別作品リスト:No.162「若山牧水」
若山牧水の色々な作品がウエブ上で読めますよ。
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person162.html
若山牧水の色々な作品がウエブ上で読めますよ。
沼津市若山牧水記念館(沼津市の公式HP)
http://web.thn.jp/bokusui/index.htm
酒の詩歌句集
http://jns.ixla.jp/users/jofuan505/myhaiku_008.htm
よもやまばなし― その六十 ― 「[若山牧水と白鶴](白鶴酒造のホームページ)
http://www.hakutsuru.co.jp/know/guide/guide_bn.html