LOHASな感じ!

日頃、仕事やプライベートで感じた事をLOHASな感覚で書いています。

滝桜  復興への願い そしていわきへ

2012-05-01 | lohas的情景
都まで音に聞こえし滝桜
いろ香を誘へ
花の春風

江戸時代より遠く都まで知られていたこの地三春の滝桜を訪れた。

早朝、日の出前に現地に到着した。
観桜専用の駐車場に向かう途中、滝桜すぐ前の小高くなっている路上で数10台の車が停車しており、
まだ5時前というのに一時的にせよ渋滞を引き起こしていたのにはいささか閉口した。
駐車場に着くとすでに50台前後の車が駐車していた。

私のイメージでは、早朝日の出前、朝靄に包まれた滝桜が日の出と共に浮かび上がる幻想的な光景を思い描いていたが、
次から次へとやってくる見物客に圧倒されてしまっていた。
この地に専用歩道や駐車場など、ほとんどこの期間のためにこれだけの整備をするのは容易に理解できた。

樹齢1000年と言われるこの滝桜。
7本の幹が絡み合いそれらが一体となり全体像を映し出す。


滝桜は1000年という途轍もなく長い年月を生き抜いてきた復興の象徴の桜でもある。
先日NHKで三春の滝桜を取り上げていた。
滝桜を取り巻く人間模様、人々の様々な思いがひしひしと伝わり感動した。

今回滝桜を訪れようと思ったのは、その影響が強い。
また、今年元旦の日経・朝日両新聞においても復興の意味で滝桜が掲載され、自分自身ブログ投稿していた事も思い起こされた。
是非現地に行ってみたい。そんな強い思いに駆られてやってきた。

滝桜をそっと囲むように歩行路が整備されている。
近づいて見ると、1000年の歳月を生き抜いてきた古老桜木、枝葉、花弁が生命力をあらわにしていた。




被災を受けた人々の復興への思いを、この桜木を通して少しでも共感できればと身勝手かもしれないがそのように感じた。

土地に根ざして生きる人々。
根ざすべき土地を奪われ必死に生きている方々。

様々な思いが交錯する中で、いずれにしても我々は生きていかなければならない...。


滝桜駐車場を出ると仮設住宅が一瞬視界に入ってきた。
何もできない自分。
目頭が熱くなり、その光景が脳裏に焼き付いた。


その後三春から磐越自動車道に入り三和ICで降り、いわきへと向かった。

塩屋崎灯台近くでは、美空ひばりの歌が流れていた。


豊間近くの海岸。何もなかったように波音だけが聞こえている。


江名。様々な爪痕が物語る。


三崎公園。桜はすでに散りかけていた。


三崎潮見台より太平洋を望む。


幾多の思いを胸にいわきを後にした...。