永子の窓

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枕草子を読んできて(108) 

2019年02月12日 | 枕草子を読んできて
九五  細太刀の平緒つけて、清げなるをのこ (108) 2019.2.12

 細太刀の平緒つけて、清げなるをのこのこの持てわたるも、いとなまめかし。紫の紙を包みて封じて、房長き藤につけたるも、いとをかし。
◆◆細太刀の平緒をつけて、きれいな感じの召使の男が持って通るのも、たいそう優雅だ。紫の紙を包んで封じて、房の長い藤につけてあるのも、たいへんおもしろい。◆◆

■細太刀の平緒(ほそだちのひらを)=束帯の時につける儀礼用太刀で、その太刀につける平組の緒。緒の結び余りを前に垂らす。

*写真は細太刀  長さ85 江戸時代
三条家伝来の細太刀。鞘は唐木の素木とし青貝の孔雀で装剣される。 細太刀は、華麗な飾りで知られる唐剣系の飾剣の飾りを簡略にしたもので、 束帯着用のとき平緒で佩用することから平緒の太刀とも呼ばれる。刀身は水牛角。