このところ、「市民社会」という用語の扱いについて悩ましく感じています。
ギリシャやローマの市民共同体、イギリスやフランスにおける市民革命以後の近代市民社会、はたまたマルクス主義の立場などから紐解く方がいる一方で、国連開発計画のように「市民社会とは国家と市場以外の場で活動するすべての形式の組織を意味し、社会運動やボランティア団体、先住民の組織、会員制組織、非政府組織、地域密着型組織、さらには個人またはグループで活動するコミュニティや市民も含まれる。」とする解釈もあります。
このように市民社会は多義的な概念であるとしても、多くのNPOがそれぞれの立場で当たり前のように使ってきました。
ところが最近、NPOや社会起業家のトップランナーである若者達の中には、市民社会という用語自体を知らない、使ったことがないという方が相当数いるようなのです。
彼らに不勉強だと言ってみても始まらない、だって素晴らしい実績をあげているのですからね。
さて、これからも市民社会という用語を使い続けるべきなのでしょうか、使わないとしたら何と表現したらよいのでしょうか、何だか悩ましいのであります。