ブログ仙岩

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東儀秀樹のアート交遊録

2015-01-14 09:40:10 | エッセイ
篳篥(ひちりき)や笙(しょう)の音色は儀式の席で聞く雅楽の世界であったものが東儀さんの出現で庶民には大変身近になった。

東京生まれの55才東儀秀樹さんは商社マンの父と1~7歳までタイのバンコクで生活、父が聞くレコードベートーベンなど、ピアノもやり中高ではロックバンドしているとき、雅楽もあるという家族のアドバイスで夜学大学生で、別の世界だし年だから無理と言われたが試験で合格7年間宮内庁式部楽部を卒業した。

1986年から宮内庁職員となり、在職中に申請すればダメと言われることを知りながらアルバムを出すことを認めてもらった。予想以上の反響に宮内庁は驚き、退職を1年保留され宮内庁の儀式に身を捧げようと決心していたが11年で退職した。

雅楽は見た目には美しい総合芸術で奈良時代大陸から伝わった音楽で日本伝統のものを広めようと模索したが方法が見つからない。自分で古典音楽を楽しむ演奏の自然なスタイルが浸透していき、フリーランスのチャレンジャーとして、ピアノやシンセサイザーとのコラボが良くマッチした。

雅楽の前のロックなどが効を奏してコミニケーションも楽で、かえって邦楽とのコラボに気を使った。他のいろんな楽器とのコラボが楽しく、自分の知らない雅楽の演奏を見つけ出すことができた。

バイオリンの古沢さん、アコーデイオンのcobaさんとの3人の出来るはずのないコラボが大変面白い。これは、楽器ではなく、人と人とのコラボで、礼儀正して聞く雅楽でなく、リラックスして参加できる音楽の世界を作った。

多趣味な自分は他人のやっていることを見よう見まねで自分の世界にしてしまう。例えば、初心の乗馬でも基本からくるから、経験があると嘘をついてイメージを膨らませて乗馬してしまう。鳳凰の鳥をイメージして絵本に描たり、小2の息子がおもちゃの廃材で物を作るのに勢いで迷いがない。黄色の象を描いた絵を修正するとその子の将来をダメにする。

目標は出てこないが、目の前のことに集中すれば未来につながることで、目標を定めると固まってしまうからわくわくがなくなる。自分で工夫してやるとワクワクしてそのプロセスが楽しいから、自分になり切ってしまうアドラーの心理学と同じ歩み方であったという感想である。