ブログ仙岩

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仲代達矢の夫婦論を聞いて

2015-01-24 09:30:46 | エッセイ
今朝6時台後半、サタデーエッセイ無名塾主宰仲代達矢氏のトークを聞いた。

相変わらず渋い声で、19年前に亡くした妻との夫婦論でもないがと断って、39年間の夫婦生活で一度もケンカをしたことがないと。

1932年東京目黒区生まれ82才の仲代氏はバス運転手の父の転勤で津田沼、小2で父と死別、母が青山の弁護士事務所の留守番役となり、工業学校終戦、いろんな仕事に就き定時制高校を卒業しても定職がなく、映画や芝居見物で感銘、1952年俳優座養成所入所、55年に卒業俳優座入団、七人の侍で台詞なしのエキストラで初主演した。この時黒沢監督に侍の歩き方で怒られたとか。

ろくな食べ物もなく、通勤代も削っての生活、俳優座の女優宮崎恭子さんに夕飯を御馳走、週に1回が多くなりついに、恭子さんを下さい と言ったら、上げられないが嫁に出すと言われたという。恭子さんは演技力で仲代さんに負けると引退、1975年夫婦で無名塾を開き、79年に仲代氏は退団して、恭子さんの脚本演出で、影武者や風林火山での信玄役の違いに納得したり数多くの出演をしてきた。

穏やかな仲代氏も演技の方法で三船や万屋さんと喧嘩しても、妻とはお互いに認め合い一歩引くと喧嘩にならないとう。自己主張の強い夫婦はすぐケンカになるが、そんな映画も制作、こうなって欲しくないという意味でのものと。

最後に、書き物をした妻は、39年の夫婦生活で、サンキュウと書き残していると。素晴らしいトークであった。