やまぼうしー自然の記録帳ー

富山県内の自然を中心に、自然や自然現象を記録にとどめておきたいと思っています。

イラガ(羽化)(太郎丸公園/富山市太郎丸)

2016-07-22 17:55:32 | 昆虫類

2016/07/20 のブログで、イラガの羽化について報告しました。イラガは、年1化で初夏には羽化していると思い込んでいたので、例年イラガの繭がたくさん見られる太郎丸公園で、手に届く範囲のイラガの繭を採取して、確認することにしました。採取した繭は合計52個、内訳は次のとおりで、羽化は始まっているもののまだピークではないという結果でした。

  ➀ 羽化前の繭(中は蛹か中の状態が確認できないもの)     39個(75.0%)
  ② 羽化前の繭(中は寄生蠅の蛹のもの)                2個(  3.8%)
  ③ 羽化済の繭(繭に蛹の殻の残っているもの)            9個(17.3%)
  ④ 羽化済の繭(繭に蛹の殻の残っていないもの)           2個(  3.8%)

羽化済の繭の81.8%には繭から体の一部を出した蛹の羽化殻が残されています。これは、イラガが繭の中で完全に羽化して出てくるのではなく、羽化し始めた成虫が完全に羽化する前に動き出し、繭からの脱出口に下膨れした蛹の抜け出しを阻まれ、その状態で完全に羽化した結果ではないかと思います。

イラガは、『日本の鱗翅類ー系統と多様性』には「通常年1化、時に2化、2化の場合、成虫は6-9月、幼虫は7-8月および8-10月に出現するが、8月下旬-9月に多い」と書かれており、1化の場合の成虫の出現時期がよくわかりません。 

《まだ羽化していないイラガの繭 2016/07/20》 

 《羽化殻の一部が外に出ているイラガの繭(蓋、羽化殻) 2016/07/20》 

《羽化殻の一部が外に出ているイラガの繭 2016/07/20》 

《繭の中のイラガの蛹 2016/07/20》 

《イラガの繭の中で蛹化していた寄生蠅 2016/07/20》

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頼成の森のキノコ(34)カバイロツルタケ(県民公園頼成の森/砺波市頼成)

2016-07-22 02:29:40 | キノコ

2009年4月から2011年3月にかけて、県民公園頼成の森で見かけたキノコの写真があります。これらのキノコについて、順次報告していきたいと思います。なお、キノコは、富山県中央植物園橋屋誠氏に実物をもとに同定いただきました。

カバイロツルタケケは、テングタケ科テングタケ属の中型のキノコで、夏から秋にかけてブナ科やマツ科の樹下に発生します。ツルタケと似ていますが、傘の色が樺色(茶褐色)から褐色を帯びている点が異なります(ツルタケの傘は灰色から灰褐色)。柄やつぼも多少褐色を帯びます。ツルタケの変種とみなされてきましたが、最近のDNA解析結果から独立種として扱うのが適当と考えられています。(『カラー版きのこ図鑑』参照)

《カバイロツルタケ 2010/10/06》 

 《カバイロツルタケ 2010/10/06》 

《カバイロツルタケ 2010/10/11》  

 《カバイロツルタケ 2010/10/11》

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