やまぼうしー自然の記録帳ー

富山県内の自然を中心に、自然や自然現象を記録にとどめておきたいと思っています。

ウスバフユシャク(交尾)(富山市営農サポートセンター/富山市月岡町)

2022-12-14 04:27:47 | 昆虫類

この日(2022/12/12)は貴重な晴天。窓ガラス拭きなど新年・冬を迎える準備を切り上げ、11時ころから1時間半ほど富山市営農サポートセンターで散歩(生きもの探訪)してきました。

用水縁のさくら並木でウスバフユシャクを探していると、最後の1本のサクラの幹に、ちらちら飛ぶ薄茶色の小さな蛾が目に入りました(12:11~)。「ひょっとして?」とゆっくり近づくと、フユシャクのようです。翅がある2匹の蛾が、何かに執着するかのように飛んでいます。よく見ると、翅のない1匹の♀に、2匹の♂が交尾しようと懸命になっているところでした。このあと、1匹の♂がいなくなって2匹が交尾していましたが、フユシャクの交尾を見たのは初めてです。

ウスバフユシャクの仲間(シャクガ科フユシャク亜科Inurois属)のウスバフユシャク、クロテンフユシャクなど9種はよく似ていて見分けに自信はありませんが、「内横線がほぼ直角にカーブ」「外横線がクロテンフユシャクほど角ばらない」「外横線の後方が白く縁取られる」などの特徴と照らし合わせると、ウスバフユシャクではないかと思います。

ウスバフユシャクについて、ウェブサイト『日本産フユシャクWEB図鑑』では次のように説明されています。
「山地にも平地にも全国的に産する普通種。北海道や東北では11月から見られ、年内に終わる。平地では12月から出現し、2月まで見られる。
だが関東でも山地では出現時期は早まる。多数の食樹が知られ、各地で多産するのでInurois属で最も観察しやすい種の一つである。
斑紋や変異幅は大きく、近似種と混同される可能性もある種でもある。」


《すっかり葉を落とした用水縁のサクラ並木 2022/12/12》


《サクラの幹で1匹のウスバフユシャク♀に交尾を迫る2匹の♂  2022/12/12》


《サクラの幹で1匹のウスバフユシャク♀に交尾を迫る2匹の♂  2022/12/12》


《サクラの幹で1匹のウスバフユシャク♀に交尾を迫る2匹の♂  2022/12/12》


《サクラの幹で1匹のウスバフユシャク♀に交尾を迫る2匹の♂  2022/12/12》


《サクラの幹で1匹のウスバフユシャク♀に交尾を迫る2匹の♂  2022/12/12》


《サクラの幹で交尾するウスバフユシャクの♂♀  2022/12/12》


《サクラの幹で交尾するウスバフユシャクの♂♀  2022/12/12》

この日の午後は、何故か(理由はわかっていますが…)高揚感にあふれ、満ち足りていました。ウスバフユシャクの♀との再会だけでなく、交尾の場面にも遭遇できたからです。
来年には後期高齢者の仲間入り、そんな年になっても、子どもの頃と同じようにワクワクできるなんて幸せだなとつくづく思います。レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー(The Sense of Wonder)』です。他人から見れば、眼にも入らないくらいの、何の価値も見いだせないような小さな生きものの営みに出会えたことで嬉しくなり、家族にもちょっとだけ寛容になる自分がいました。


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