コープで警備員をやっている兄(あん)ちゃんとの話の続きです。メッシ-君・ミツグ君から足を洗い、女子大生の彼女をキッパリ諦めたと言っていた彼ですが、その後どうしているか聞いてみると、・・・。
「甘い物と酒ですわ。どうしてもつい手が出てしまって・・・。」
「ほぉ、甘辛の両刀遣いか。アル中が酒を止めたら皆が皆、やたらに甘い物を欲しがるんだが・・・。そうそう、アル中になるから朝から酒はダメだよ、絶対に!」
「ハイハイ。そう言えばおっチャン、アル中だったとか?」
「完治のない病気だから、今もアル中で変わりない。飲まないでさえいればこんなふうに普通なんだけど、一杯でも飲んだら元の木阿弥さ。」
「どう見てもそうは見えないけど、なぜアル中に? おっチャン、ゴミ拾いにハマっているようだから、やはりハマリやすい性格とか?」
「ハマリやすい? そう、間違いなくそれはあるね。それとね、若いというのは特有の思い上がりや自惚れが強いのよ。私にも変に歪んだ思い込みがあって、自分に出来ないものはないなどと、とかく不遜になりがちでねぇ。
ところが、思い通りになるほど世の中甘いものじゃない。なかなか思い通りにならないものだから、おもしろくないやらモヤモヤが溜まるやらでねぇ。その憂さを晴らそうと、ついつい酒に縋るようになったんだなぁ、それがオレ。」
「理想と現実の乖離ですか? そんなの誰にでもあることでしょう。もしそのせいだとしたら、誰でもアル中になってしまうじゃないですか?」
「そう、専門家は誰でもアル中になり得ると言うんだけどね。酒はね、飲むのが頻繁であればあるだけ酒に強くなって酔えなくなる。少しばかりの酒では一向に酔えないからと、勢い酒量がドンドン増えてしまうことに・・・。私の場合は、元々酒に強い体質だったことが拍車をかけたんだね。」
「いつ頃からアル中だってわかったんですか?」
「40代半ば。お昼頃になると手が震えてることに気づいたのが決め手だったけど、もうそのときは立派なアル中の一丁上がりでね。・・・その相当前から始まっていたようだねぇ。
30代末だったかなぁ、成果の割には思い通りに昇進できなくて、なぜ自分だけが不遇なのかと嘆いてはダラダラ飲んでいたからねぇ。今思えば、未熟な世間知らずだっただけのことで、よくもあれだけ “身の丈知らずの身の程知らず” でいられたなぁと思うばかりよ。」
「“身の丈知らずの身の程知らず” ですか?!」
「理想に憧れるのもいいが、足下も見ないで高嶺を望んでばかりじゃ危ないってこと。後40年も経てばわかると思うよ。」
「40年もですか? それじゃ、おっチャンの歳ということじゃないですか。まぁ、心しておきますよ。」
* * * * *
8月に循環器内科を受診したとき、主治医から「なぜ、アル中に?」と同じ質問を受けました。「心に闇があって・・・」と答えたのですが、「心に闇なんて、誰にでもあることだよ」と、にべもなく返されました。
その時に比べれば、兄(あん)ちゃんへの今回の説明は少しはマシだったでしょうか? 単なる常習の飲酒習慣と、酒に耽溺状態となるアル中との間にある不連続な変化が、未だに深い闇に包まれていてわからないままでいる私です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加中です。是非、下をクリックして順位アップに応援お願いします!
クリックしますと、その日の順位が表示されます。
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ
↓ ↓
「甘い物と酒ですわ。どうしてもつい手が出てしまって・・・。」
「ほぉ、甘辛の両刀遣いか。アル中が酒を止めたら皆が皆、やたらに甘い物を欲しがるんだが・・・。そうそう、アル中になるから朝から酒はダメだよ、絶対に!」
「ハイハイ。そう言えばおっチャン、アル中だったとか?」
「完治のない病気だから、今もアル中で変わりない。飲まないでさえいればこんなふうに普通なんだけど、一杯でも飲んだら元の木阿弥さ。」
「どう見てもそうは見えないけど、なぜアル中に? おっチャン、ゴミ拾いにハマっているようだから、やはりハマリやすい性格とか?」
「ハマリやすい? そう、間違いなくそれはあるね。それとね、若いというのは特有の思い上がりや自惚れが強いのよ。私にも変に歪んだ思い込みがあって、自分に出来ないものはないなどと、とかく不遜になりがちでねぇ。
ところが、思い通りになるほど世の中甘いものじゃない。なかなか思い通りにならないものだから、おもしろくないやらモヤモヤが溜まるやらでねぇ。その憂さを晴らそうと、ついつい酒に縋るようになったんだなぁ、それがオレ。」
「理想と現実の乖離ですか? そんなの誰にでもあることでしょう。もしそのせいだとしたら、誰でもアル中になってしまうじゃないですか?」
「そう、専門家は誰でもアル中になり得ると言うんだけどね。酒はね、飲むのが頻繁であればあるだけ酒に強くなって酔えなくなる。少しばかりの酒では一向に酔えないからと、勢い酒量がドンドン増えてしまうことに・・・。私の場合は、元々酒に強い体質だったことが拍車をかけたんだね。」
「いつ頃からアル中だってわかったんですか?」
「40代半ば。お昼頃になると手が震えてることに気づいたのが決め手だったけど、もうそのときは立派なアル中の一丁上がりでね。・・・その相当前から始まっていたようだねぇ。
30代末だったかなぁ、成果の割には思い通りに昇進できなくて、なぜ自分だけが不遇なのかと嘆いてはダラダラ飲んでいたからねぇ。今思えば、未熟な世間知らずだっただけのことで、よくもあれだけ “身の丈知らずの身の程知らず” でいられたなぁと思うばかりよ。」
「“身の丈知らずの身の程知らず” ですか?!」
「理想に憧れるのもいいが、足下も見ないで高嶺を望んでばかりじゃ危ないってこと。後40年も経てばわかると思うよ。」
「40年もですか? それじゃ、おっチャンの歳ということじゃないですか。まぁ、心しておきますよ。」
* * * * *
8月に循環器内科を受診したとき、主治医から「なぜ、アル中に?」と同じ質問を受けました。「心に闇があって・・・」と答えたのですが、「心に闇なんて、誰にでもあることだよ」と、にべもなく返されました。
その時に比べれば、兄(あん)ちゃんへの今回の説明は少しはマシだったでしょうか? 単なる常習の飲酒習慣と、酒に耽溺状態となるアル中との間にある不連続な変化が、未だに深い闇に包まれていてわからないままでいる私です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加中です。是非、下をクリックして順位アップに応援お願いします!
クリックしますと、その日の順位が表示されます。
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ
↓ ↓