ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

“楽になる / 楽になった” 新年はこの感覚を第一に!(下)

2018-01-12 05:52:28 | 病状
「今は楽になれました」AAのミーティングで仲間からこの言葉を聞く度に、初めの頃はとても新鮮(奇異?)に思えたものでした。この言葉を知らなかったわけではなく、実感としての意味がわからなかったという方が正確でしょう。この言葉は、実はアルコール依存症(アル症)者にとって特別な意味合いを持っています。

 アル症者に共通するのは、人付き合いがうまくいかず、そのため閉塞感に長い間苛まされてきたという悩みです。感情を表に出すにしても、この閉塞感が邪魔をして自然な感情表現にはならないということもあります。その背景には、偏ったものの見方・考え方(“認知のゆがみ”)に雁字搦めになっていたことがあります。

 “楽になる / 楽になった” という感覚は、自分が囚われていた “認知のゆがみ” に気づき、その囚われから自由になり始めた兆しのようなのです。その感覚の芽生えが心の回復の一里塚なのかもしれません。

 現在の私にとって心底 “楽になった” と思えたのは、断酒10ヵ月目にあった “憑きモノ” が落ちた体験でしょうか。ところがそのとき浮かんだ言葉は、長年続いた妄想がやっと消え失せたとか、アルコールがやっと脳から抜け切ったとかという事実関係を表わす言葉だけで、不思議なことに “楽になった” という感覚の言葉ではありませんでした。このいびつさ・奇妙さを教えてくれたのが、実はAAのミーティングで聞いた「今は楽になれました」だったのです。

 どんなに “辛い / しんどい” 体験をしても、その過酷さは消えたらそれまでですが、その感覚はいつまでも記憶に残るものです。“楽になる / 楽になった” も同じで、その感覚はいつまでも鮮やかに記憶に残り続けます。ただ一つ後者が違うのはそこに至ったプロセスも一緒に記憶に残ってくれることです。これらは経験の中にしっかり組み込まれ、その後の大事な行動指針となってくれるようなのです。

 身の回りの異変や身体の変調を最初に知らせてくれるのは感覚です。“辛い / しんどい” も、“楽になる / 楽になった” も、どちらも肉体的 / 精神的を問わず感覚を表現できる重宝な言葉です。言わば五感を総合した心の感覚を表現した言葉で、第六感と言われる予感もこの心の感覚なのかもしれません。

 なので、今年もこれらの感覚を道標にし、素直にそれに従って暮らせて行ければそれでヨシ。唯々こう願っている私です。
(この項おしまい)



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