6週間にわたる食道がん放射線治療も最終週に入り、その日は週1回の放射線治療科医の診察日。担当医の H 先生、診察室に入るなりこう言って迎えてくれました。
「順調な経過ですから私の診察は今回が最後、次回から元通り外科の方で担当してもらいます。」
この機会を逃したらもう二度と聞くチャンスはないかもしれないと思い、私は最も聞きたいことを尋ねてみました。
「ところで、放射線治療の成果はいつになったらわかるのでしょう?」
放射線治療を受けていながら、先行きが一向に見えて来ないことから “うつ” になりそうだったのです。
「そうか、まだ説明してなかったですねぇ?!」 H 先生、こう続けました。
「がん細胞にも世代交代というのがあって、放射線はそこに効くんです。
だから、効果がハッキリするのは早くて3~6ヵ月ぐらい後からで、
それまでは、たとえ内視鏡で見てもわかりません。
効果は十分期待できますから、まっ、楽しみに待っていてください!」
“治療効果は何時になったらハッキリするのか? ”
これはがん患者に共通で、しかも最大の関心事であるはずです。
医者なら当然心得ているはずなのに、H 先生は迂闊にも、その説明をすっ飛ばしていたようなのです。
医者も人間、失念することもあるでしょう。医者が説明してくれないなら、患者の方から説明するようせっつくべき。今回、そう実感した次第です。
なんやかんやあってもさすが臨床医のH 先生、放射線照射による副作用については治療開始前の初診時にジックリ説明してくれました。安全性についての説明ですから当然、全く抜かりナシでした。
中でも発赤(皮膚)、食道炎、肺炎、血小板減少症、白血球減少症は、急性期副作用としてよくあるようで、治療期間中 H 先生も特に注意を払っていました。当然ですが、これら副作用にはすべて “放射線性” が冠に付きます。
ご多分に漏れず私にも、食道炎と血小板減少(症)が出て、照射部位の皮膚にも発赤が現われたようですが(自分では識別できず)、幸いいずれも軽いままで済みそうです。
効果発現に3~6ヵ月もかかるということは、胸椎骨折など遅発性の副作用(晩期の合併症)もそれ以上の注意期間が必要ということ。ヤレヤレ、厄介なことです。
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