2011年5月5日-2
福島原発事故120:原発推進派へ転向理由は気候変化予測
反原発の活動家だった、
「グリーンピースUKの前代表スティーブン・ティンデール(Stephen Tindale)は、〔略〕原発推進派へ転向した」
(2011-04-02 原発マネーの誘惑)
http://d.hatena.ne.jp/pantheran-onca/20110402
とのことだが、(この「原発マネーの誘惑」で知った)『The Independent』紙の23 February 2009の「Nuclear power? Yes please...」という記事で、
"It was kind of like a religious conversion. Being anti-nuclear was an essential part of being an environmentalist for a long time but now that I’m talking to a number of environmentalists about this, it’s actually quite widespread this view that nuclear power is not ideal but it’s better than climate change,”
http://www.independent.co.uk/environment/green-living/nuclear-power-yes-please-1629327.html
とある。訳すと、
「宗教的転向のような類いのものでした。反核であることは長らく環境主義者であることの本質的部分でしたが、今では、多くの環境主義者にこのことについて話かけていまして、原子力は理想的ではないけれども気候変化〔気候変動〕よりもましだというこの見解は、実際にかなり広まっています。」
また、
「None of the four was in favour of nuclear power a decade ago, but recent scientific evidence of just how severe climate change may become as a result of the burning of oil, gas and coal in conventional power stations has transformed their views.」
http://www.independent.co.uk/environment/green-living/nuclear-power-yes-please-1629327.html
と、彼らが反原発から原発推進へと見解を変えたのは、化石燃料を燃やすことの結果として、きびしい気候変化をもたらすという科学的根拠によると言う。
彼らとは、
「このインディペンデント紙の記事では、原発を支持する四人の有力な環境主義者が紹介されており、そのうち、スティーブン・ティンデールとマーク・ライナス(Mark Lynas)が原発推進派に転向したときの気持ちを述べている。ちなみに、マーク・ライナスは、『+6℃ 地球温暖化最悪のシナリオ』(寺門和夫 監修, 翻訳)の著書でも知られている環境コメンテーター。残りの二人は、「英国版グリーン・ニューディール」を推進している英国の環境庁長官クリス・スミス(Christopher Robert Smith)と緑の党の活動家で作家のクリス・グドール(Chris Goodall)。」
http://d.hatena.ne.jp/pantheran-onca/20110402
とある通りで、その一人である、スミス男爵 Lord Chris Smith of Finsbury(the chairman of the Environment Agency)は、
"Renewable sources of energy, such as wind, wave and solar power, are still necessary in the fight against global warming, but achieving low-carbon electricity generation is far more difficult without nuclear power, Lord Smith said."
http://www.independent.co.uk/environment/green-living/nuclear-power-yes-please-1629327.html
と、原子力無しには、低炭素で発電するのはきわめて難しい、と言う。
放射性廃棄物のことは考えなかったのだろうか? また、原発の危険性はたいしたことは無いと思ったのだろうが、それはなぜだろうか。
「小宮山宏も「原子力はつなぎだ」と同じ理屈をほざいているようだが、この男はいつも人のパクリばかりで、知の構造化(Knowledge structuring of issues)だとか、サステイナビリティ学だとかもそうだ。」
http://d.hatena.ne.jp/pantheran-onca/20110402
とある、小宮山宏氏は、東京電力の外部監査役だそうである。『サステイナビリティ学』シリーズの編者でもある。
『サステイナビリティ学〈2〉気候変動と低炭素社会』の終章 「明日に向かって」は、住明正氏の執筆だったと思うが、IPCCゲート事件に触れていたと記憶する。
[K]
小宮山宏 ・住明正 ・花木啓祐 ・武内和彦 ・三村信男(編).2010.9.サステイナビリティ学〈2〉気候変動と低炭素社会.東京大学出版会.