3月の最終営業日の利用です。JR南越谷駅近くの大学病院の桜はほぼ満開、昨年と比べるとその時期は1週間程早かったようです。お店には14時28分頃に到着し、中待ち席にもお客さんが0人という状況の中、直ぐにカウンター席に案内されました。
大豚、麺軟らかめ大蒜脂+生卵。
この日は青特大丼での提供でした。量的には白特大丼でも収まる量に見受けられますが、店主さんの遊び心かと。
一時よりも細め薄めで安定したよう。この日はモチモチさを堪能したく久しぶりに軟らかめをお願いしました。通常よりも1分以上は長く茹でられ、店主さんが指で茹で加減を確認しての提供でした。
表面はツルっとして全体に水分を多めに含み、咀嚼していると、期待通り歯や舌に絡みつくような感覚のある麺は、小麦の風味も豊かなものでした。神田神保町店と比較するならば、鉈のように重量感のある切れ味を持つものと感じました。
時間が経過しても最後までその状態を維持し続けてもいました。
最終盤は卵の丼に麺を移して卵黄を中央に。
固形脂と大蒜も忘れずに。
脂は小さな塊の集合体。ところどころに軟骨のような硬い部分もありました。
大蒜はいつの間にかスープの中に溶け込んでしまい、その味をピリッとしたものに変えてしまう程の強さ。
サブ丼には野菜と豚。今回も着席後店主さんから豚増しのお誘いを受けお願いしました。
見た目には脂身の量が少なめも、しっとりとした赤身のお陰でパサつき感の全くない豚。
こちらも適度にサシが入って軟らかく、たっぷりの旨味を内包する赤身が嬉しい豚。
一目見ただけでわかる位にたっぷりと入ったサシが示すとおりの味を伝えてくれた豚。
ややワイルドな肉質でかぶりつくと豊富な筋線維に沿って裂けていく肉質の豚。
裏返すとタレの染みた脂身が姿を現しました。
この豚もそうなのですが、今日の豚は脂身少なめで赤身の味を楽しむべきものでした。また、タレが良く染みているとは言い難く、比較的淡泊とも言える出来栄えでした。以前もそうだったのですが、素材そのものの特質をダイレクトに味わえる豚が店主さんの理想とするものなのでしょう。
野菜の量は多めで、醤油ダレが回し掛けられたもの。キャベツには少しのホクホク感があり、もやしもしんなり感があって火の通りが深めでした。いつもと同じく麺と和えて食べました。
表面の油膜多めのスープは、豚の旨味が強烈に伝わってきて強い甘みを感じる円やかさ全開の味わい。ただし、醤油の塩味がその土台となっているかのようにしっかりと感じられ、高いレベルでそれぞれが融合した仕上がりでした。レンゲで10回は口に運んだはずです。また、卵の白身を麺丼に移すととあっという間に固まってしまう位に熱々の状態で提供されました。
今回も丼で提供していただいた生卵。卵黄だけを掬おうとすると、こんもりとして厚みのある白身がなかなか分離せず、かなり鮮度の良いものを使用していることが分かりました。
完食までには約23分、最後の客となったこともあってゆっくりと。完食後も、片付けに忙しい店主さんを無駄話に付き合わせてしまい、またも長居してしまいました。