Have You Met Hank Jones/Hank Jones
(Savoy MG-12084)
ピアニストにとって自分のピアノだけで,一枚のアルバムを作るというのは結構大変なのではなかろうかと思います。アルバムの中で一曲だけ演奏するのとは訳が違いますよね。全曲です。30分から40分を軽くソロプレイだけに終始するってのは結構スゴイと思います。と言うのもスタイルにもよりますが,左手のベースラインと右手のメロディでスウィング感を出して行く手法でLP一枚を乗り切るわけですよね。モンク、レイ・ブライアント,キース・ジャレットなどの大物ピアニストには,ソロピアノアルバムを何枚も作ってますよね。最近は、簡単にソロアルバムを作るピアニストが増えてきましたが,コストがかからないのを幸いに何でもソロにして出してやろうというレコード会社の思惑も垣間見えてあまり聴く気がしませんね。それに引き換え,やはり老舗アルバムのソロアルバムっていうのは味があります。本日は名手,ハンク・ジョーンズの56年録音のソロアルバムをアップしますね。
タイトルはスタンダード「ジョーンズ嬢に会ったかい?」をもじったタイトルであることは容易に想像がつきますよね。勿論この曲も収録されていますが,他にも"It Had To Be You", "Let's Fall In Love", "But Not For Me", "Body And Soul", "How About You", Gone With The Wind", "You Don't Know What Love Is"などスタンダードを中心の選曲です。左手のベースラインと右手のメロディのストレートでスウィンギーなソロプレイで好感が持てますね。モンク,キース,エヴァンスなどと異なり、肩凝らず聞き流すには最適ですね。決してソロアルバムは得意じゃないですが,たまにはソロもいいものです。
所有盤はサボイのオリジナルモノラル盤で赤ラベル,シルバーロゴです。RVGの録音でバランスもいいですね。コーティングも美しく、サボイならではですね。