Claudette Soares
(Mocambo LP40283)
(Mocambo LP40283)
ボサの女性ボーカルと言うとアストラッド・ジルベルト、シルビア・テリス、ナラ・レオン,エリス・レジーナあたりが有名でしょうか?もう一人忘れることができないシンガーがいます。クラウデッチ・ソアーレスがその人です。ファーストのモカンボ盤では女性で初めて名曲”イパネマの娘”を録音しているようです。残念ながらまだ聴いたことがありません。国内盤でこのアルバムはCD化されているようですので,よっぽど購入しようかと未だ悩んでいます。本邦では”イパネマの娘”というとアストラッドの名前が挙がりますが,歴史的にはクラウデッチの方が古いんですよね。本日は,このクラウデッチのセカンド,全ての女性ボサ/シンガーのアルバムBEST3に挙げる方も多いと言われる名前を冠した大名盤をアップしますね。
フロントカバーをみると、ちょっとフィリピン系、いや東南アジア系の顔つきに見えますが,gatefoldのバックカバーを見るとキュートな美人あることがわかります。そのボーカルはボッサ独特の気だるい雰囲気で、フレーズの途中で息が漏れるかのような歌唱法は彼女ならではかも知れませんね。特にA面の素晴らしさは彼女の実力,ボッサの魅力を万人に伝えることに成功したボーカルだと思います。マルコス・ヴァーリのやや速めのボッサ"Gente"で幕を開けますが,むしろフェレイラ作のA-2"Chuva"、モラエス作のA-4"Primavera"などスローなナンバーへの対応こそが彼女の真骨頂と言えると思います。またB-1の”Preciso Aprender A Ser So"の出だしのため息のようなボーカルも涙物です。マンフレッド・フェスト・トリオやジョンゴ・トリオのツボを心得たバッキングも見事で,名盤にふさわしい出来です。
所有盤はブラジル・モカンボのモノラルオリジナル盤です。ブラジル盤ってこうやって最初から曇ったビニル袋がかけてあるんです。他のレーベルにもよく見られますが,ジャケ写が曇って見えるのはそのためですね。