J. J. In Person!/J. J. Johnson
(Columbia CL1161)
(Columbia CL1161)
トロンボーンシーンを語るとき絶対はずせない人物,それはJ. J. Johnsonをおいて他はないですよね。愚鈍な楽器でパーカーフレーズを吹く,トランペットばりに速いパッセージで作られるフレージングの素晴らしさは他の追随を全く許しません。J&Kの演奏でもそうですし,本日アップするようなスモールコンボでのプレイでもあきらかです。60年代に入ると少し編成の大きなレコーディングが増え,自己満足的な録音になりジャズファンが少しずつはなれていった事実はやはりあるのではと推測します。50年代後半のJJは多忙を究め,ダンスセッションから大学でのライブ、ヨーロッパでのライブと彼の人気が頂点を究めた時代であったと言えるのではないでしょうか?本日アップのライブ盤もそんな58年の録音で,ブルートロンボーン,ダイアルJJ5のすぐ後のライブであり好調な彼の吹奏が聴ける好アルバムです。
JJとピアニストと言うと,この人を於いて考えられないトミフラのピアノ,オーバーシーズでも共演したウィルバー・リトルのベース,ドラムはエルビンではなくアルバート・ヒースが担当しています。そしてフロントには同じ金管,コルネットのナット・アダレイを加えたクインテットです。演奏曲も有名なスタンダードが多く聴きやすい仕上がりです。A面が"Tune Up", "Laura", "Walkin'", "What Is This thing Called Love?"の4曲で、特にWalkin'ではマイルスのこの曲の名演に迫る雰囲気がありますね。B面はトップはJJ旧知のモンクの"Misterioso"で、この演奏はアルバムの白眉とも言える出来で最も好きですね。ナットの鋭いコルネットも印象的です。続く"My Old Flame"のバラード解釈、ラストのパーカー曲"Now's The Time"ではJJの得意の速いパッセージとバラエティにとんだB面は最高です。
所有盤はコロンビアの6eyeモノラル盤です。ライブらしく一曲ずつ入るJJ自身によるMCもあって雰囲気満点の一枚です。