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大物ピート・シーガーが発掘したシンガー,ロバータ・ペック

2007-08-15 04:52:34 | jazz & vocal
Extraordinary/Roberta Peck
(Columbia CS9458)


 どこの世界でもそうですが,女性は結婚・子育てで一時は第一線を退いていたものの子供が大きくなって再び第一線にカムバックしてくるケースと言うのは良くある物です。現在は、退かなくてもそのまま続けていけるような環境が整いつつあるのかも知れませんがやはり男性のようにはいきません。このような事情は、ジャズボーカル界にも見られます。特に才能重視のこの世界ではカムバックと言うのは,単に努力だけでは何ともならず,仲介に寄与した大物の存在が必要になってきます。モダンフォークに御詳しい方なら,「花はどこへ行った」で知られるピート・シーガーを知らない方はいないと思います。彼がカムバックに一役かったのがこのロバータ・ペックです。リーダーアルバムはこのカムバック盤ぐらいしかないのかも知れませんが有名ジャズメンを従え,ナイスなボーカルを披露してくれています。本日のアップはこのカムバック盤です。美しい声ではありませんがテクニックに長けたボーカルが印象的です。

 サイドメンも大手のコロンビアらしく,Pat Rebillot(p), George Benson(g), Reed Wasson, Richard Davis, Aaron Bell(b), Willie Ruff(frh), Frank Wess(fl), Clark Terry(flh,, tp), Buck Clayton(tp), Jimmy Lovelace(ds)という結構大物ミュージシャンが招集されていて、ほとんどリハーサルなしのspontaneousなプレイを展開してくれているのが嬉しいですね。選曲も"Lover Man", "I'm Beginning To See The Light", "Body And Soul", "Makin Whoopie", More Than You Know"等渋いスタンダードが選ばれており彼女のテクニカルなボーカルとともにサイドメンのジャジなソロを楽しめる内容です。C.テリーのです"I'm Beginning To See The Light"でフリューゲルホーンや"Lover Man"でのウェスのフルート,このとき売り出し中だった"Makin Whoopie”でのベンソンのソロなど聞き所も多いです。

  所有盤はコロンビアの2eyeラベルのステレオ盤です。ちょっと珍しいボーカル盤かも知れませんが,インストファンも納得の一枚と思います。