Let It Go/Stanley Turrentine
(Impulse AS-9115)
(Impulse AS-9115)
50年代から活躍するスタンレイ・タレンタインはアーシーでソウルフルなテナーを吹く御贔屓のテナー奏者です。初期のタイム盤や先日天に召された偉大なるドラムの巨匠マックス・ローチのグループでの活躍に始まり,ブルーノートに移りホレス・パーランとのコラボを中心にファンキーな演奏を残しています。以前にアップしたDearly Beloved(Blue Note BST84081)から後に奥方となったシャーリー・スコットとの共演が始まり多くのオルガンジャズの快作を録音しています。タレンタイン名義はほとんどがブルーノートからスコット名義のモノはほとんどがプレステッジそして一部インパルスからリリースされています。本日は,インパルスからリリースされた唯一のスタンレイ名義のアルバムをアップしますね。
まず,このカバーに目が行ってしまいます。美しいコーティングもさることながらフェアアイルの赤いセーターでテナーを吹く姿を斜め下から捉えたショットを使ったカバーが極めて印象的です。前述のDearly Belovedのシアサッカーのジャケットといいスタンレイの伊達男ぶりが垣間見えるGOOD COVERです。66年の録音で、メンバーはスタンレイ,スコットに加えベースにロン・カーター,ドラムスにマック・シンプキンスを加えたカルテットで演奏されておりメロディアスで力強く時にメローなスタンレイを聴くには最高のフォーマットです。A-1のタイトル曲"Let It Go"から後のフュージョンへの萌芽を感じいさせる軽快でメロディックなスタンレイのプレイが光ります。続く"On A Clear Day"は同名アルバムをスコットがインパルスに録音しており彼らの十八番ですよね。ボッサ風の良いメロディを持った"Ciao, Ciao"も佳曲ですね。B面ではB-2のブルース"Good Lookin' Out"はアーシーな魅力に溢れたプレイが聴けますし,ラストの"Deep Purple"のメローな美しさはパーフェクトです。
所有盤はオレンジ/黒のインパルス/ステレオオリジナル盤です。後期の録音ですがスタンレイの唄心満載の好アルバムと思います。