Johnny "Hammond" Smith Cooks With Gator TailJohnny "Hammond" Smith & Willis Jackson(Prestige 7239) ラテンナンバーはジャズでは良く取り上げられますが,最も最初にラテンナンバーを取り上げたのは巨匠Duke Ellingtonの「ピーナツ・ベンダー」であったと言います。多くはフルバンドで演奏されることが多かったわけですが,60年代ブラジルから起こったギターを中心にしたこじんまりした編成でのボサノバが紹介されジャズの一つのスタイルとしての市民権を得たことは衆知のとおりです。こういったボサノバ以外にもラテンの名曲はジャズメンが好んで取り上げたモノです。特に"Besame Mucho"、“キサスキサスキサス”、“タブー”,”ブラジル”等は比較的良く知られたナンバーだと思います。中でも“ベサメムーチョ”は超有名曲でアート・ペッペーの十八番として知られる曲ですよね。他にもウェス,ズート(フラー),バルネイ・ウィランなど優れた演奏がありますが、本日はジョニー・ハモンドのオルガンとコテコテテナーの代表ウィリス・ジャクソンのコラボによるコテコテ/ベサメムーチョをアップいたします。
メンバーはJohnny "Hammond" Smith(org), Willis Jackson(ts), Eddie McFadden(g), Leo Stevens(ds)のカルテットです。A-2のスピリチュアル(風)の, "Nobody Knows The Trouble I've Seen"がジャクソン抜きのオルガントリオで演奏されるほかはジャクソンのコテコテテナーがfeatureされます。問題のベサメはB-1です。ラテンリズムに乗って、うねるようなジャクソンのテナーとバックでリフを弾くマクファーデンのギターが印象的です。インテンポになってロングトーンを駆使したスミスのオルガンが入りテーマに戻る展開です。こう言う演奏はコテコテ愛好家には涙ものでしょうね。コテコテが嫌いな方はプレステッジのカタログで歯抜けになっている部分のかなりのパートを閉めているのがこう言ったオルガン盤だと思います。7200番台は7200がマイルスの"Steamin'"があり周囲には珠玉のハードバップ盤が目白押しですが,丁度プレステッジの主役が変わりつつあった時期なのかもしれませんね。
所有盤はBergenfield, NJの黄黒ラベル、モノラル盤です。ロゴのみの黒地のカバーも簡素で却って気が利いた感じですね。