学生時代ユースホステルの会員だったので、あちこちの山を仲間と
ハイキングしたり、夏休みには子供キャンプ教室をしたりした。
その時知りあった超美人のNさんと、偶然同じ詩人の同じ詩が好き
というので意気投合し、ユースを離れてからもたまに会ったりしていた。
その詩人とは、八木重吉。
東京都町田市に生まれた彼は、熱心なキリスト教徒であり、
純粋で素朴で、切ない程美しい心を詩にしている。
2000以上の詩を遺して、29歳という若さで肺結核で他界。
そして私が初めて出会った彼の詩が、この「素朴な琴」だった。
日々安穏と暮らしていた私の心を立ち止まらせる衝撃的な詩だった。
澄み切って凛とした秋の空気、風と葉音しか聞こえない透明な静寂、
その美しさに耐えかねて鳴りいだす琴の音。
美しさに耐えかねた琴とは、重吉の心そのものだったのだろう。
今改めて読んでも、胸に染み入ってくる。
なんて美しい詩なんだろう・・と、しみじみとした感動を覚える。
また彼の詩を読みたくなった。書きたくなった。
八木重吉記念館は、町田市相原町にある。
私もまだ行ったことはないけれど、秋の美しさに耐えかねて・・
重吉の心を求めて出かけてみようかな。