書道教室、絵手紙教室それぞれで、毎回一文字を宿題にしている。
同じ文字でも人によって、その意味の捉え方や表現方法が違ってくるから面白い。
たとえばこの魚という文字。
今夏入会したばかりのK氏の文字を、私なりにアレンジして書いてみた。
始めた頃はイメージが湧かないと皆さん悩んでいたようだけど、最近ではそれぞれに
これはイカ、これは秋刀魚、これはマグロとイメージして書いているようで、
以前と比べて発想も柔軟になり、楽しそう。
でも、何かが違う・・・と思いつつ、感覚だけに頼ってしまい、理論に弱い私は
この一文字を書く勉強の意味を、ずっと伝えられずにいた。
その「何かが違う」が、今ふとわかった!
文字は文字で、絵ではないわけで。
いろんな魚をイメージして書いてみて~と言うと、その文字の持つ意味=魚を
イメージして、それがそのまま表現になってしまう。。わけ。
でもそれでは、あくまでも形ある実在する「魚」を書こうとしているわけで、
文字への意識が薄いような気がする。
だから空間を読めなくなる。
絵画と同じで、白い紙全体に文字というか絵をとにかく書き込んでしまう。
空間を読むことは忘れて、単なる説明書きになってしまう。
書と絵の違いは、空間の捉え方、生かし方。
イメージはあくまでもヒントであって、全てになってはいけないわけで。。
そして書は線の芸術とも言われるように、線が命。
絵を意識すると、書の線は書けない。
形に囚われてはだめ。
絵を描くのではなく文字の意味や形をヒントに、もっと全体を見て
黒白の世界をどう構築していくか、そこに集中するのです。。
あ・・それって、人間関係にも言えるような気がする。
人の噂や思い込みで相手を決めつけないで、もっと視野を広げて
理解しようとすると、意外といい出会いがあったりするかも。。
少し・・伝わったかなぁ・・。