心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
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求めて~ by 沙於里

「悼む人」

2008-11-30 | つれづれ
                          (半紙1/2)




先週久々にふらっと書店に立ち寄ったら、映画にもなった「包帯クラブ」の原作者、
天童荒太氏の新刊 「悼む人」 が目について。



「悼む人」は、新聞の死亡記事を見て、亡くなった人を亡くなった場所で「悼む」ために
全国を放浪している坂築静人を中心に、善と悪、愛と憎しみ、生と死が渦巻く人間ドラマが
繰り広げられる長篇。(文芸春秋HPより)

そうしたら昨日ちょうどテレビのインタビューに答えている天童さんを見つけ。

「意味がないことを重ねていくことが尊いって思います。
全てが意味があることになってはいけないんです。」

そうまっすぐに静かに語り 

そして。
今の社会のあらゆるマスメディアは、何か事件があったら犯人のことばかりを
何度も何度も放送する。
その結果、犯人だけを覚えていくという社会に。

けれど、犯人よりも亡くなった人のことを「覚えていく」社会を作っていくことで、
生命の大切さを忘れない社会になるのではないかと、思っている。

そのことを伝えるために書いたこの「悼む人」には、7年の歳月がかかった・・と。

ほんとだ・・って思った。

何か事件があると、犯人の生い立ちから憶測も含めて、
そこには、もしかしたらどこか作られていくドラマ。

人々の記憶や心の中には、憎しみや偏見ばかりが残り、生命の尊さに気づかず、
人を信じられない社会を作っているように思う。

テレビは、もっと日常の人の善意や、心温まる出来事を報道して欲しいって
ずっと思ってた。

人は学習する。つまり毎日の繰り返しによって、できていくわけで。

「悼む人」
久々に読んでみたい思った一冊です 

今日はお天気だけど、小さな「雨」が寄り添う姿が浮かんできたので・・。
人の気持ちに寄り添うことを忘れずにいたいなぁ・・と思って 


コメント (2)
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