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●米国ビキニ環礁水爆実験『放射線を浴びた『X年後』』: 福島でも、X年後に「因果関係の証明は困難」と

2014年09月27日 00時00分43秒 | Weblog


東京新聞の記事【延べ556隻、検査記録あった ビキニ被ばく文書開示】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014092090071209.html)。

 「第五福竜丸以外の船の被ばくを裏付ける資料も含まれ、関係者はビキニ事件の全容を解明する上で「貴重な資料」としている」・・・・・・第五福竜丸だけじゃない。「魚の廃棄基準だった毎分百カウント以上の放射線が乗組員から検出された船は延べ十二隻(実数十隻)」あったそうだ。山下正寿さん「ビキニの実態を解明することは福島の今を考えることにつながる」・・・・・・全くその通りだ。『放射線を浴びた『X年後』』、福島でも、「因果関係の証明は困難」、とアベ様を始めとした原子力ムラ住人達はうそぶきかねない。なんといっても、東京電力原発人災で誰も責任を取らない国ですから。

   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』: 
      「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」
   『●「辺野古の海を守ろう」:
            アベ様の「政権が抱える差別性の極み」に屈せずに
   『●辺野古移設推進の仲井真弘多氏や丸腰の市民に
         掃海母艦を派遣するようなアベ様を支持してはいけない
   『●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
        『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』


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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014092090071209.html

延べ556隻、検査記録あった ビキニ被ばく文書開示
2014年9月20日 07時13分

     (厚労省が開示した、ビキニ環礁周辺海域で操業していた
      漁船の乗組員や魚の放射能検査の結果を示す文書)

 一九五四年に米国が太平洋のマーシャル諸島ビキニ環礁で実施した水爆実験をめぐり、厚生労働省は十九日、周辺海域で操業していた漁船の放射能検査などに関する当時の文書を開示した。乗組員二十三人が被ばく、うち一人が死亡した静岡県焼津市のマグロ漁船、第五福竜丸以外の船の被ばくを裏付ける資料も含まれ、関係者はビキニ事件の全容を解明する上で「貴重な資料」としている。 

 第五福竜丸が被ばくした五四年三月のビキニ事件では、多数の日本漁船が周辺海域で操業していた。厚労省によると、文書から分かる範囲では、第五福竜丸以外で国や自治体が検査を実施した延べ五百五十六隻(実数四百七十三隻)のうち、魚の廃棄基準だった毎分百カウント以上の放射線が乗組員から検出された船は延べ十二隻(実数十隻)あり、最も高かった人は同九百八十八カウントだった。

 二週間被ばくが続いた場合、一・六八ミリシーベルトに相当し、同省は「がんなどのリスクが高まるとされる国際基準(一〇〇ミリシーベルト)より大幅に低く、健康被害が生じるレベルを下回っている」と説明するが、内部被ばくの実態が考慮されていないとの指摘もある。

 厚労省によると、第五福竜丸の乗組員の推定被ばく線量は一・六~七・一シーベルトとされ、他の漁船と比べ突出して高かった。

 開示を請求したのは、太平洋核被災支援センター事務局長山下正寿さん(69)=高知県宿毛(すくも)市=ら。国や関係自治体が五四年三~六月にかけて延べ五百五十六隻の漁船の被ばく状況を調べた検査結果や政府の会議記録など三百四点(計約千九百ページ)が開示された。

 旧厚生省が五六年に都道府県に出した通知には「(第五)福竜丸以外には、特に放射能症を認められる事実のないことが明らかとなったとの記載もあった。

 ビキニ事件をめぐっては、これまでも漁船の検査結果などの文書で内容が明らかになっているものはあるが、厚労省がまとまった形で開示するのは初めて。職員が公文書の保管倉庫を探し、段ボール箱に入っているのを見つけた。同省によると、情報公開法施行後、今回と同様の開示請求が一件あったが「保有していない」と回答。担当者は「これまで資料が確認されなかったことは申し訳ない」としている。


◆国の責任ただす

<第五福竜丸の元乗組員大石又七さん(80)の話> 国はビキニ事件を早く終わらせたいという姿勢だと思っていたので、文書の公開はないとあきらめていた。何も分からず亡くなった元乗組員の仲間たちに、どう責任を果たすつもりなのか東京電力福島第一原発事故が起きて、放射能の問題は現在も続いている。今回の公開を機に、あらためて国の責任をただしたい。


◆「過小評価 福島と同じ

 「ないとされた文書が見つかった。「関係者全員に見せたかったが、ほとんど亡くなってしまった」。開示を受けた太平洋核被災支援センター事務局長の山下正寿さんは、六十年という時間の重みをかみしめるように語った。

 体力自慢のはずの漁師たちが、突然声が出なくなったり、体調を崩す。漁港近くで育った山下さんには、幼心におかしいと思った記憶がある。

 ビキニの被害は第五福竜丸だけではないと気付いたのは一九八五年。当時、高知県で高校教師として地域の現代史を探る高校生サークルを指導していた。県内に住む広島・長崎の被爆者を探すうち、第五福竜丸とは別のマグロ船の若い乗組員が、ビキニで被ばくした事実を知った。乗組員は病気を苦に自殺していた

 約三百人への聞き取り調査で、がんや原因不明の病気に苦しんだ漁師が大勢見つかった実習船で死の灰をかぶり、白血病を発症して亡くなった高校生もいた。国は当時、乗組員らの被ばく量検査を行いながら、結果や発病の危険性を知らせていなかった

 これまで、高知県などが資料開示や調査を要請してきたが、国は「資料はない」「因果関係の証明は困難」と繰り返してきた。しかし昨年十一月、外務省が一部報道機関に対し、旧厚生省がまとめた資料の一部を開示。国内向けには「ない」としながら、米国に渡していたことも明らかになった。

 山下さんは東京電力福島第一原発事故後、福島県相馬市の漁業者と交流を続けている。被ばく状況は異なるが、「政府は事故をなるべく小さく見せようとし、重要な事実を隠す内部被ばくを軽く見ているのも同じだ」と感じた。

 ビキニの実態を解明することは福島の今を考えることにつながる。今回の開示で、船員や船体の放射能調査、担当大臣らによる会議の議事録も出てきた。「原文には本音が見えるもの。精査し、次の展開を考えたい」 (柏崎智子)


<ビキニ事件> 1954年3月1日、米国が太平洋・マーシャル諸島のビキニ環礁で水爆実験「ブラボー」を実施した。爆発力は広島型原爆の約1000発分の15メガトンで、放射性物質の「死の灰が広範囲に降り注いだ。静岡県焼津市のマグロ漁船、第五福竜丸の乗組員23人が被ばくし、半年後に久保山愛吉さん=当時(40)=が死亡。汚染されたマグロの廃棄が相次ぎ、反核世論が高まるきっかけになった。55年1月、米が日本に見舞金200万ドル(当時のレートで約7億2000万円)を支払うことで政治決着した。

(東京新聞)
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