東京新聞の記事【自殺「展望見えぬ避難で絶望」 福島地裁、東電の責任認定】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014082601001675.html)と、
社説【自殺と原発事故 苛烈な現実を見た判決】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014082802000155.html)と、
もう一つ記事【避難者自殺、東電が控訴見送りへ 4900万円賠償命令判決で』(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014090501001601.html)。
『●「原発さえなければ」を福島地裁が認定:
原発「事故によって死亡者が出ている状況ではない」という寝言』
「自殺と原発事故の因果関係を認めた・・・・・・東電も国も、血の通った対応が迫られよう・・・・・・自殺と原発事故との因果関係をはっきり認めた・・・・・・「原発関連死」は本紙の独自調査で少なくとも一千人を超す。昨年三月から約二百六十人増えている」そうである。高市早苗氏の「事故によって死亡者が出ている状況ではない」などといった寝言の反省が求められる。
一方、「原発事故が起きた場合の想定について「住民は避難を余儀なくされ、さまざまなストレスを受けて自死に至る人が出ることも予見できた」と、東電の責任を厳しく指摘」した判決を受け、ブログ主は〈東電の「真摯に対応」をとくとご覧あれ〉と“つぶやいて”いたが、東電は控訴を見送るようだ。遺族側の対応はまだ伝わってこないが、少なくとも東電が遺族を更に苦しめることは回避されたようだ。
この先何百年、何千年と大地の汚染を取り除くことはできず、そして、当然、死者は蘇らない。本訴訟に関して東電の「真摯な対応」は、一応、一区切り。でも、「原発関連死」は千人を大きく超えるとみられ、そして、増え続けている。
『●言葉が見つかりません・・・』
『●再稼働・輸出問題に続いて、
東京電力原発人災下の五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続』
『●自公議員や原子力「推進」「寄生」委員会委員らは
「闘うみんな」ではないようだ』
『●「鼻血問題」: 「原発関連死」と「死の街」発言』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014082601001675.html】
自殺「展望見えぬ避難で絶望」 福島地裁、東電の責任認定
2014年8月26日 19時39分
(自殺者の遺族に賠償を命じた福島地裁判決で、
記者会見する原告の渡辺幹夫さん(中央)=26日午後、福島市)
東京電力福島第1原発事故で避難していた福島県川俣町の渡辺はま子さん=当時(58)=の自殺をめぐり、東電に約4900万円の賠償を命じた26日の福島地裁判決で、潮見直之裁判長は、事故と自殺の因果関係を明確に認め「展望の見えない避難生活への絶望と、生まれ育った地で自ら死を選んだ精神的苦痛は極めて大きい」と判決理由を述べた。
さらに、原発事故が起きた場合の想定について「住民は避難を余儀なくされ、さまざまなストレスを受けて自死に至る人が出ることも予見できた」と、東電の責任を厳しく指摘した。
東電は「判決の内容を精査し、真摯に対応したい」とのコメントを出した。
(共同)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014082802000155.html】
【社説】
自殺と原発事故 苛烈な現実を見た判決
2014年8月28日
自殺と原発事故の因果関係を認めた福島地裁の判決は、苛烈な避難生活を直視した結果だ。「東京電力はストレスによる自殺も予見できた」と述べた。東電も国も、血の通った対応が迫られよう。
二〇一一年七月に自宅で焼身自殺した五十八歳の女性がどんなにつらい立場に置かれていたか、判決文からも如実に伝わってくる。
生まれてからずっと福島県川俣町に住んでいた。夫と子ども三人を育てて、〇〇年には自宅を新築した。そこに東日本大震災と福島第一原発事故が襲った。女性の家は計画的避難区域に指定され、福島市内でアパート暮らしをせざるを得なかった。
農場での仕事を失い、家族や地域の共同体とのつながりも失った。住宅ローンの支払いも残っていた。帰還の見通しが立たないまま、心細い避難生活を続ける-。「ストレスは非常に強いものだった」「耐えがたい精神的負担を強いて女性をうつ状態にした」と判決が述べたとおりだろう。
とくに東電に対して、「事故が起きれば核燃料物質などが広範囲に飛散し、居住者が避難を余儀なくされ、さまざまなストレスを受けて自死に至る人が出ることも予見できた」と明確に言い切った。自殺と原発事故との因果関係をはっきり認めたことは重い。他の訴訟にも大きな影響を与えよう。
原発事故の避難中に病気や自殺などで亡くなった「原発関連死」は本紙の独自調査で少なくとも一千人を超す。昨年三月から約二百六十人増えている。
内閣府が公表している「震災関連自殺者」は福島で五十六人にのぼっている。この自殺者数は一一年に十人、一二年に十三人、一三年に二十三人と、むしろ時がたつほど増えているのが特徴だ。今年も既に十人に達している。
阪神大震災でも震災後三年から、ストレスによるアルコール依存症などが増えたといわれる。これが意味するのは、当然、避難生活が長期化すればするほど、ストレスはどんどん蓄積され、人間の心や身体を蝕(むしば)んでいくことだ。
地域防災計画は、まず災害時の避難に重点を置いている。それは当然のことだが、長期にわたる避難生活に伴う心身のケアにももっと目配りするべきだろう。
東電や国は責任を痛感してほしい。「真摯(しんし)に対応する」とコメントした東電は、その言葉どおりにすべての被災者に真摯な対応をしないと、さらなる怒りを買う。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014090501001601.html】
避難者自殺、東電が控訴見送りへ 4900万円賠償命令判決で
2014年9月5日 15時40分
東京電力福島第1原発事故で避難し、2011年7月に自殺した福島県川俣町、渡辺はま子さん=当時(58)=の遺族に対する賠償を東電に命じた8月26日の福島地裁判決について、東電は5日、控訴を見送る方針を固めた。
遺族4人が「自殺は避難生活で精神的に追い詰められ、うつ状態になったため」として東電に計約9100万円の損害賠償を求め、福島地裁判決は約4900万円の支払いを命じた。
原発事故による自殺で東電に賠償を求めた訴訟としては初の判決となった。
(共同)
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