[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督) (LOFT)↑]
琉球新報のコラム【<金口木舌>75年前、隠された惨劇】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-950062.html)と、
【<社説>自衛隊の情報保全隊 国民に活動内容の説明を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-950055.html)。
《▼軍国主義の下で情報は統制され、「女性と子どもも潔く死んだ」と美化されて報じられた。権力が隠そうとしたのは南洋戦の実態だけではない。軍隊は住民を守らないという正体も覆い隠された》。
《宮古島市と与那国町への陸上自衛隊の配備で、自衛隊の秘密情報を守るために編成された防衛相直轄の部隊「情報保全隊」が配置されていた。防衛省は住民らに説明していない。隠蔽体質がまたも露呈したとのそしりは免れない…情報公開請求で保全隊の情報を入手した軍事評論家の小西誠氏は部隊について、住民の調査・監視のほか、島嶼戦争の際の対スパイ戦任務も想定されると指摘》。
『●「世紀の大悪法 特定秘密保護法案」
『週刊金曜日』(11月15日、968号)についてのつぶやき』
「三宅勝久さん【「広報」を通さないと刑務所送り!? 元情報保全隊長が
法廷で漏らした記者監視という任務】、「「働きかけ」を監視」
「記者も調査対象に」「あらゆる官庁が情報収集」。こんな法案が通ってしまうと
…(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a38306f4b58e0871400154b303996c38)」
wikipediaの「情報保全隊」のページ(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%83%85%E5%A0%B1%E4%BF%9D%E5%85%A8%E9%9A%8A)を見てみると……:
《情報保全隊(じょうほうほぜんたい)とは、陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊のそれぞれに置かれていた、情報保全業務のために必要な資料及び情報の収集整理及び配布を行うことを任務とする防衛大臣直轄部隊。「情報保全」は「Intelligence Security」、「Counter-Intelligence」の和訳とされており、防諜を意味する》
《それまで、各自衛隊には「調査隊」という部隊が置かれていた。…2009年7月31日をもって廃止となり、翌8月1日付で防衛大臣直轄の自衛隊情報保全隊が発足(事実上の改組)した》
《市民活動監視問題》
《日本共産党による批判…この内部資料は、本来任務たる「自衛隊に対する外部からの働き掛け等から部隊等を保全するために必要な資料及び情報の収集整理等」(内部統制)のためであるとして隊が行っていた情報収集(日本共産党、社会民主党、ジャーナリストなど報道関係者や、市民や聖職者による自衛隊イラク派遣反対の活動や反戦運動、また集会などの調査)を示すものであり、活動日時・場所・内容、活動に携わった団体の名称や活動の規模、活動団体の代表の氏名などについての調査結果、及びそれらの活動が自衛隊関係者または国民世論への影響や活動の今後の見通しの分析などが中心となっていた。
共産党によれば共産党系を「P」、社民党系を「S」、民主党及び連合系を「GL」、新左翼系を「NL」、その他の市民運動を「CV」、個人その他を「その他」と分類し、その活動を記録するほか、活動内容の種類によっては、『反自衛隊活動』と分類し、適宜、自衛隊活動の正当性を強調する内容の脚注が付けられていた。
公明党は調査対象にされていなかったことから、調査対象とされた団体・個人から「戦前の憲兵政治の再来だ」、「一般市民の活動を監視している」と批判される結果となった。調査の対象には消費税や年金の問題、あるいは春闘関連の集会、団体には地方議会までも含まれている、「自衛隊、防衛問題とは無関係でないか」とその正当性を問う批判も出ている》
《社民党党首の福島瑞穂と同党議員の保坂展人は6月8日に市ヶ谷の防衛省を訪問し、防衛事務次官の守屋武昌に市民活動監視は不当・不法として抗議を行った。その際に守屋がキャンプ・シュワブでの基地移設反対運動についても、海自の情報保全隊が事後の情報収集を行っていると言及したと保坂は自身のブログで報告している。ただし、守屋は其の後の記者団との非公式会見ではこの事を否定しており、各社の報道は両論併記となった》
……以上のように、「情報保全隊」の防諜は、《「戦前の憲兵政治の再来だ」、「一般市民の活動を監視している」と批判》され、また、《沖縄でも沖縄弁護士会や沖縄平和運動センターなどの団体や個人が監視され、戦前の憲兵隊や特高警察を想起させるとの批判》が出ている。《市民集会や自衛隊、米軍に批判的な団体・個人の活動を監視》していた訳だ。《憲法で保障された表現の自由や思想・良心の自由を侵害するような活動は許されない》のに…。
『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
…米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)』
『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
…米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その2)』
『●米中戦争の「防波堤」:
与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?』
『●「武力によって平和を創造することはできない」…
「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」』
『●「戦争マラリア」…いま再び自衛隊配備で先島諸島住民を分断し、
「戦争や軍隊の本質」の記憶を蘇らせる…』
『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督
…「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根』
《 “戦争に備える軍隊”は、本当に人々を守るのか。…沖縄戦における
少年ゲリラ兵、軍が住民を強制移住させた「戦争マラリア」の問題、
本土から送り込まれた陸軍中野学校出身者の暗躍、そして、
軍統制下での秘密保持と相互監視のもとで起きた「住民虐殺」の真相に迫る》
『●「武力によって平和を創造することはできない」…
「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」』
『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」』
『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》』
『●虚偽説明…《宮古島では、島民の基地負担は
ますます重くなっている。政府がやってるのはいじめそのもの》』
「《いじめそのもの》。《石嶺香織さん(38)は「防衛省は、住民に事実を
明らかにして説明する義務がある。『住民を守る』と言いながら、
実際は安心できない生活環境を押し付けている。沖縄戦の記憶から、
弾薬庫が真っ先に攻撃されるのは明らか。再び島が標的にされる」と訴える》」
『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備:
《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?』
『●沖縄イジメ…《この74年間、沖縄戦以来、
陸兵が軍服を着て宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない》』
「情報保全隊」は《情報保全業務》を担うが、《戦前の憲兵政治の再来》という批判もある。
コラム<金口木舌>は《軍国主義の下で情報は統制され…美化されて報じられた。権力が隠そうとしたのは南洋戦の実態だけではない。軍隊は住民を守らないという正体も覆い隠された》。
いま南西諸島に自衛隊が配備されている…。《中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心をないがしろにして、地域の平和を守るといえるの》か? また、《“戦争に備える軍隊”は、本当に人々を守るのか》?
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【https://ryukyushimpo.jp/column/entry-950062.html】
<金口木舌>75年前、隠された惨劇
2019年7月8日 06:00
タピオカ テニアン 太平洋戦争
那覇市や福岡市で同じ行列を見かけた。目的はタピオカ入りの甘いドリンク。全国で流行している。もちもちとした食感のタピオカの原材料はキャッサバ。沖縄や熱帯気候の地域で栽培される
▼30年間日本が委任統治した旧南洋群島のサイパン、テニアンなどでも移民した県人が生産していた。パラオにはタピオカ工場もあった。海の幸も含め自然の恵みは豊富で、移民者から南洋は楽園と呼ばれた
▼1944年、戦火が襲い、地獄に変えた。太平洋戦争が起きる3年前、南洋の県人は5万3千人を超え、現地住民の数を上回った。南洋戦の一般邦人死者数は約8千~1万人、このうち県人は約6千人とみられる
▼南洋から本土への引き揚げ船は次々に撃沈された。住民は味方と信じた日本軍から壕(ごう)を追い出され、食料を奪われた。米軍から辱めを受けるともすり込まれ、住民は崖から飛び降り、家族を手にかけた
▼南洋の組織的戦闘は7月7日に終結した。証言に触れるたびに、がくぜんとする。その後の1年間、同じ惨劇が沖縄や周辺の海で繰り返されたからだ。テニアンからは広島、長崎に原爆を投下する米軍機が飛び立った
▼軍国主義の下で情報は統制され、「女性と子どもも潔く死んだ」と美化されて報じられた。権力が隠そうとしたのは南洋戦の実態だけではない。軍隊は住民を守らないという正体も覆い隠された。
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【https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-950055.html】
<社説>自衛隊の情報保全隊 国民に活動内容の説明を
2019年7月8日 06:01
宮古島市と与那国町への陸上自衛隊の配備で、自衛隊の秘密情報を守るために編成された防衛相直轄の部隊「情報保全隊」が配置されていた。防衛省は住民らに説明していない。隠蔽(いんぺい)体質がまたも露呈したとのそしりは免れない。
防衛省は3月、宮古島に新たに陸自駐屯地を開設、約380人の警備部隊を先行配備した。鹿児島県奄美大島にも駐屯地を開設し警備部隊と地対空・地対艦ミサイル部隊を配備している。与那国島では2016年に約160人の陸自沿岸監視部隊が発足した。
これらの部隊の配備に伴い宮古島と与那国で情報保全隊が発足していた。規模は数人程度という。奄美でも発足した。建設中の石垣駐屯地にも配置される可能性がある。だがこうした事実を防衛省は明らかにしてこなかった。地元からは不安や批判の声が出ている。無理からぬことだ。
情報公開請求で保全隊の情報を入手した軍事評論家の小西誠氏は部隊について、住民の調査・監視のほか、島嶼(とうしょ)戦争の際の対スパイ戦任務も想定されると指摘している。
情報保全隊は、従来は陸海空3自衛隊にそれぞれ編成されていたが、09年8月に統合された。自衛隊への攻撃に対する事前の情報収集や自衛隊員が外部の不審者と接触していないかといった調査を行うが、自衛隊のイラク派遣反対の活動をした団体や個人を監視していたことが07年に発覚し、大きな問題となった。
イラク派遣反対活動の監視では16年、東北地方の住民が国に損害賠償などを求めた訴訟で、公表していない本名や勤務先の情報収集はプライバシー侵害で違法だと認めた判決が確定した。
情報保全隊は那覇を拠点に県内でも活動している。防衛省は離島への配置について「内部管理が任務の部隊で、北海道から沖縄まで配置されている。与那国や宮古島が特別なわけではない」と話した。そうであればなぜ事前に地元に説明しなかったのか。
宮古島駐屯地では、住民に説明がないまま迫撃砲弾や中距離多目的誘導弾などの弾薬が保管されていた。与那国では弾薬保管の「火薬庫」を「貯蔵庫」と説明していた。基地問題や防衛政策に関する防衛省説明への不信や疑念は枚挙にいとまがない。今回も都合の悪い情報を隠していたのではとみられても仕方がない。
情報保全隊は過去に各地で市民集会や自衛隊、米軍に批判的な団体・個人の活動を監視していたことが報告された。沖縄でも沖縄弁護士会や沖縄平和運動センターなどの団体や個人が監視され、戦前の憲兵隊や特高警察を想起させるとの批判が出ていた。
憲法で保障された表現の自由や思想・良心の自由を侵害するような活動は許されない。今回の配置を含めて、情報保全隊の活動内容をきちんと説明し、県民、国民の十分な理解を得ることは防衛省の最低限の義務である。
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