エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

性的に虐待されてきた娘たちの,危うい育ち

2017-03-05 09:16:42 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
何があっても 「大丈夫!」
   おとぎ話の鈴鳴らし  自然の力や神の意思を感じていたい。 The Sense of Wonder 『不思議を感じる心』から p91の第2パラグラフ......
 

   発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.165,第4パラグラフから。

 

 

 

 

 

 性的虐待をされた娘たちは,正常な発達とは全く異なる発達をすることになります。この娘たちは男友達も女友達もいませんし,それは,この娘たちは自分も人も信頼できないからです。この娘たちは自分のことが大嫌いですし,この娘たちの身体も自分の身体を攻撃するくらいですから,悪いことで目立ったり,黙り込んでしまったりするわけですね。性的に虐待されてきた娘たちは,通常の,憧れによって衝き動かされた,くっついたり離れたりするゲームの中では,育っていきません。このゲームをやってれば,ストレスに晒されても,冷静さを失うことはありません。他の子ども達も,性的に虐待されてきた娘たちと関わりたがらないのが普通でしょ。性的に虐待されてきた娘たちは,あまりにも風変わりなんですね。

 

 

 

 

 

 ですから,性的に虐待されてきた娘たちは,誰も信頼していない上に,自分のこと,人のことも無知のままです。しかも,自分の気持ちを整える場も,心構えもありません。騙されやすい条件が,思いがけず? そろってしまいます

 

 

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聖書の言葉: 息と笑顔

2017-03-05 04:12:05 | 聖書の言葉から

 

 この女子高生は,ブログの内容と関係ありません。

 

 
7つの舞台の果実 : 揺ぎ無い確信
   反抗的人間 Noとハッキリ言う≪市民的勇気≫  先日このブログでご紹介しました、岡田尊司さんの『子どもが自立できる教育』の一節。「ヨーロッパの教育......
 

 今宵の聖書の言葉は,息,呼吸,πνεμα プネウマです。

 もともと「動いている空気」のことですから,「」の意味にもなれば,「」の意味にもなります。しかし,それだけではありません。「息」がなければ,「命」もありませんから,「」という意味にもなれば,「心」「人格」がなければ,生きていても死んでいるのと同然ですから,「」「人格」という意味にもなります。

 これは,それぞれの結びつきを,ユダヤ・キリスト教の文化の人々は実感していたからでしょう。でも,「」という漢字が示すように,「息」と「心」の結びつきを知っていたのは,中国の人々も同じでしたね。

 赤ちゃんの頃から家庭内暴力を繰り返し見せられてきた,あるいは,そのとばっちりを受けて来た子ども残念ながら,今のニッポンでは,少数者ではないのです。ごくごく「普通」,巷に溢れているんです。本当に残念なことです。家庭内暴力を繰り返し見せられてこたことが,発達トラウマとなり,発達トラウマ障害(DTD)になって,不眠になって,摂食障害になって,学校にも行けなくなって,…苦しんでいた子どもが,「息」を意識的に整えることで,回復に向かっている…。

 聖書の言葉は,実にリアルなものである,本当のことを教えてくださるものであるということに改めて思いが至ります。それと同時に,この子どもが,その本来持ち合わせている,強いヴァイタリティ―と,実に晴れやかで伸びやかな人柄を回復して,周りの人に笑顔を届ける日を,祈りの中で,もうすでに見ている思いがしますね。

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現世考: 津久井と小金井から

2017-03-05 03:10:47 | 間奏曲

 

 

 

 
何があっても 「大丈夫!」
   おとぎ話の鈴鳴らし  自然の力や神の意思を感じていたい。 The Sense of Wonder 『不思議を感じる心』から p91の第2パラグラフ......
 

 津久井やまゆり園事件,小金井アイドル傷害事件,…。障碍者差別の問題,ストーカー規制の問題…と,それぞれバラバラにニュースになったり,ニュース解説されるだけですね。多くの人にとっても,それらは,個々バラバラな事件にすぎないものだと思っていることでしょう。

 しかし,私は,小学生を中心に,保育園生から短大生までの子どもたちのサイコセラピーをしてきましたけれどもね,これらは1つのことの応用問題,発展形,あるいは,なれの果てだと考えているんですね。

 どういうことでしょうか?

 事件を起こす人は少数派なのですが,これらの犯人は,発達トラウマ障害(DTD)の人たちなのです。それが治療もされず,学校などで,決してやっとはならない禁忌とされることを毎日繰り返しされて,つまり,学校でも繰り返し虐待されて,病状が悪化に悪化を重ねた結果,その中の少数が,ニュースになるような事件を起こしているんです。秋葉原無差別殺傷事件,釧路イオンモール無差別殺傷事件,名古屋大生高齢者殺人事件,特養高齢者突き落とし事件…。

 ですから,施設の安全管理を高めようとも,ストーカー規制を強めて,厳罰化しても,何の意味もありません。

 本当の意味でこられの事件を防ごうと本気で考えるのなら,1)今の学校制度を変えなくてはなりません。また,2)国立トラウマ治療センターを各地に作ることです。それから,長時間労働は禁止する,つまり,3)労働基準法を順守するということも必要です。

 そのくらいやってはじめて,発達トラウマ障害(DTD)の子どものパンデミックを解消します

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インターメッツォ: エリクソンの叡智:  ヴィジョンの実力

2017-03-05 02:32:10 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
偉大な子ども
   反抗的人間 Noとハッキリ言う≪市民的勇気≫  先日このブログでご紹介しました、岡田尊司さんの『子どもが自立できる教育』の一節。「ヨーロッパの教育......
 

 Toys and reasons. p.150から。

 

 

 

 

 

 「世の中はこんなところですよ」という見方には,無意識の中にある一番不思議で,いつの時代でも,世界中どこに行っても通用する,いろんな希望に対して,人の心をつかんで離さない魅力がなくてもなりません。また,毎日の礼拝によって,子どもの頃の育まれた期待に対しても,同様な魅力がなくてはなりませんね。それから,その世の中に対する見方は,制度を作る時の,文字にも精神にも一致していなくてはなりません。そのようにして初めて,世の中に対する見方は,歴史のある時期の,実に幅広い人たちひとりびとりに,新しいものを生み出し,人のためにもなるエネルギーの源になる,その時代にピッタリの力が生まれます

 

 

 

 

 

 そして,この力が生まれるのは,いろんな人たちがいる中で,社会の中心にいる人であることはめったになく,たいていは,周辺の人です。マックス・ウェーバーの言う辺境変革説です。

 

 

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