エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

聖書の言葉: 土の器

2017-03-30 18:45:06 | 間奏曲

 

 

 

 

 

 

 
悪だくみが行われてしまう時
   不思議を感じる心、最終回 風を感じて  不思議を感じる心は永遠です。 The Sense of Wonder 『不思議を感じる心』から p106の......
 

 聖書の言葉は,土の器

 昨日と同じ,パウロさんの手紙,『新約聖書』の「第Ⅱコリント人への手紙」第4章に出てきます。

  土の器

 7われらはこの宝を土の器に持っています。それはあふれる力が神のもので、われらからでないためです。8われらはあらゆることに苦しめられながら押しつぶされず、途方に暮れながら行きづまらず、9迫害されながら見捨てられず、倒されながら滅びません。10たえずわれらはイエスの死を体に帯びていますが、それはイエスのいのちもわれらの体に現われるためです。

 

 私ども,どんなに根源的信頼感が豊かでも,「土の器」でしかありません。途方に暮れる場合もあるかもしれません。虐められるかもしれません。人がニヤニヤしながら掘った穴に落っこちる時だってあるでしょう。私どもは「土の器」でしかないのです。

 しかし,その「土の器」でしかないのに,行き詰らない,押しつぶされない,滅びない何故でしょうか?

 それは,

13あなた方の出会った試みで、世間ありきたりでなかったものはありません。神は真実にいまします。神はあなた方が耐えうる以上に試みられることをお許しにならず、試みとともに、耐えうるよう逃げ道をお作りでしょう」(「第1コリント人への手紙」第10章13節)

 人智を超えた逃げ道も,善く見れば見つかるみたいです。

 どうぞ,皆さんもお試しくださいね。

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現世考: 東北の青空

2017-03-30 15:59:24 | 間奏曲

 

 

 

 

 

 

 
郊外がいい
   不思議を感じる心、最終回 風を感じて  不思議を感じる心は永遠です。 The Sense of Wonder 『不思議を感じる心』から p106の......
 

 

 去年の今日,レイチェル・カーソンの『不思議を感じる心』を翻訳終了しました。

 大学の時,ワンダーフォーゲル部で,北は北海道の知床半島の付け根から,南は紀伊半島の熊野の森まで,あるいは,韓国のソラク山まで行きました。いろんな場所で,いろんな自然,いろんな人と出会うことができました。 

 その中で一番好きだったのが,夏合宿「東北周遊隊」の2週間でした。
もう1つのパーティーと,山形県小国で一緒になり,最後に,全てのパーティーが,新潟県新鹿の浜の終結地に集まりました。

 何で東北が好きだったのか? 

 秋田駒から見た夕日が,湖面にも映って,この世のものとも思えないほどの

 早池峰のお花畑の白,黄,赤

 岩手山や飯豊梅花皮(カイラギ)山荘からみた,空の青

それが好きでした。

 また,駅やお寺でテントを張っている時に,スイカや野菜を気前よく下さった,

 おばさんやお婆さんの優しさ

それが好きでした。

 そんな体験を下すった東北の青空よ,ありがとう

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トラウマの痕跡の暗~い影 と のぞき見

2017-03-30 13:04:44 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 

 

 

 
生き物としての根源的な繋がり、および、得体のしれない不安
   小学生と安倍政権 子どもに不信を植え付けています。改訂版  そして、小学生のことを考えることが、今私どもは、どのような社会に暮らしているのか? を......
 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.1,第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 人として私どもは,とても柔軟な種族に属しています。ずっと昔から,情け容赦ない戦争,数え切れないほどの災害(自然災害もあれは,人災もありました),自分自身の生活の中にある暴力や裏切りからも,立ち直ってきました。しかし,トラウマになる経験は,それが,大規模なものでも,身近なものであっても,自分たち家族のみんなに痕跡を残しています。そして,そのトラウマの痕跡には,世代から世代に受け継がれるのに,ほとんど気付かれることにない暗い影があるものですね。トラウマの経験は,私どもの心と気持ちにも痕跡を残しますし,歓びや親しみを人と分かち合うことにも,さらには,身体にも免疫システムにさえも,痕跡を残すことになります。

 

 

 

 

 

 トラウマ,発達トラウマが,いかに深刻で,しかも,なかなかそれと気付かれないままに,世代から世代へと受け継がれるかが解かりますでしょ。自分がなぜか分からないママにしている行動が,知らない内に受け継いだトラウマによる影響だ,とは考えませんでしょ。謎のまま,毎日の生活を,一生を過ごすことになりがちです。そして,たいていの人は謎のまま,あの世とやらに行ってしまいますね

 私どもサイコセラピストは,その謎をご本人が解けるように,その謎を≪共に見る≫,共にのぞき見する,ことが,大事な務めになりますね。

 

 

 

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インターメッツォ: エリクソンの叡智 : 大人になれない大人たち,ウソとゴマカシの大人たち

2017-03-30 00:41:24 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
ホッとするような温もりのある悦び
   安物の世俗  ルターは、ドイツ神秘主義に心惹かれながらも、ドイツ神秘主義に与しませんでした。何故でしょうか? Young Man Luther 『......
 

 Toys and reasons. P.54。下から2行目。

 

 

 

 

 

 

 臨床する上でとても大事なあの気付きについて,私どもサイコセラピストに教えてくれたのが,フロイトでしたね。その気付きとはね,人間が子どもでいる時期がとても長いという事実には,発達が子どもの時期に留まって抜け出せなくさせたり,すぐに子どもの時期に逆戻りにさせたりする力が確かにある,と言う気付きです。その気付きには,フリをすることが習い性になるという条件そのものが含まれます。このフリをすることが習い性になることは,かたや,創造的に《本当の自分》を活かすことになる、陽気で楽しい関わりにもなれば,たほう,《本当の自分》を殺すことになる、とても破壊的なウソとゴマカシにもなりえるものなんです。

 

 

 

 

 

 ここも深いところですね。

 サイコセラピストに来るケースの多くは,子どもの頃と言っても,赤ちゃんの時期か,よちよち歩きの時期かに留まって抜け切れずにいる発達トラウマ障害(DTD)か,すぐに赤ちゃんの時期か,よちよち歩きの時期かに逆戻りするみたいな,発達トラウマ障害(DTD)の周辺群のケースが圧倒的ですからね。フリをすることが習い性になることが,ウソとゴマカシになり,≪本当の自分≫を徹底的に破壊しているケースがごまんとありますよ

 昨日も取り上げた,映画「生きる」の市役所のお役所仕事の人たちなんかは,いい年をした,大人なのに,≪本当の自分≫が死んでいても,そのことにさえ気付いていないんですからね。

 

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