エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

あの名古屋大生も,加害者というよりも,実は,犠牲者だ!

2017-03-25 07:36:57 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
発達トラウマこそが、一番緊急を要する公衆衛生の課題だ
   黙想の時  恍惚としただけでは、「あんし~ん」という訳にはいきません。 Young Man Luther 『青年ルター』のp189の第2パラグラフ......
 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.169,第3パラグラフ,下から7行目途中から。

 

 

 

 

 

家庭訪問の支援をして貰っていた母親の子ども達は,学校をきちんと卒業するのも,刑務所に入らずに済むのも,稼ぎの良い仕事に就くのも,家庭訪問の支援をされずじまいだった母親の子どもたちよりも,良かったのです。経済学者たちのはじき出した数字によれば,質の高い家庭訪問,保育所,学齢前の支援に1ドル予算を割けば家庭保護,公衆衛生,薬物治療,(裁判と)刑務所の予算を7ドル節約することができますし,プラス,賃金の高い職業に就くことで,それだけ高い税金を払ってくれるのです。 

 

 

 

 

 

 ほらね。質の高い家庭訪問,保育所,学齢前の支援に1ドル予算を割けばいいのです。でも,ニッポンの,アベ・詐欺師ちゃんと悪魔の仲間達は,そこの予算をメチャメチャ,ケチっているのです。予算を湯水のように掛けるのは,東電,ゼネコン,東芝・日立,三大バンクが儲かる原発,被災地の堤防とトンネル,豊洲市場,国立競技場,…ばかりなり,ということでしょ

 無期懲役の判決を出された,名古屋大生も,加害者のように見えるけれども,実際は,ニッポンの,アベ・詐欺師ちゃんと悪魔の仲間達の,質の高い家庭訪問,保育所,学齢前の支援に1ドル予算をケチったことの犠牲者です。

 

 

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聖書の言葉: πρωΐ ,プローイ 「朝に」

2017-03-25 04:17:57 | 聖書の言葉から

 

 

 

 
気持ちは至る所に現れてますからね。
   不思議がり  オットーさんも素敵な詩人ですね。 The Sense of Wonder 『不思議を感じる心』から p101の第3パラグラフ3行目途......
 

 今宵の聖書の言葉は,πρωΐ ,プローイ 「朝に」です。

 朝に,と言う言葉は,新約聖書には,意外と少ないです。でも,キリスト教にとっては,とても大事な時なんです。なぜなら,キリスト教を広めた12使徒をイエス・キリストが選んだのが,まさに朝の話でしたから。

 『新約聖書』の3番目の「ルカによる福音書」の第6章に出てきます。

13朝になると、弟子たちを呼びよせ、その中から十二人を選んで使徒と名づけられた。

 朝は,夜が明けるときですよね。光が言葉にならない程美しい時です。1日の始まり。

 長い長い『旧約聖書』には,真ん中辺に,150編からなる詩集があります。「詩編」と呼ばれます。その「詩編」には,4か所「朝に」が出てくるところがあります。なんか共通するイメージがありますね。その一つ,4つ目の143編8節を取り上げましょう。『新共同訳』と呼ばれる,本屋さんで一般に売られている聖書からです。

 「朝にはどうか、聞かせてください/あなたの慈しみについて。あなたにわたしは依り頼みます。行くべき道を教えてください/あなたに、わたしの魂は憧れているのです。

 闇にいる時には,朝が来るとは思えない場合がありますね。

 でも,朝に,闇は終わりを告げることになっていますでしょ。

 それは,神様の慈しみ,心からの優しさに満ち溢れている時でしょ。

 かくして,朝に,私どもは,大文字の希望Hopeを新たにすることができます

 

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現世考: 名古屋大生殺人事件,無期懲役に。無責任の象徴だ!!

2017-03-25 02:51:58 | 間奏曲

 

 

 

 
東日本震災被災地の心理的課題
   豊かな国土とそこに根を下ろして生活していることが国富  昨日、東京の内村鑑三記念キリスト教講演会に参加しました。目黒区中根の今井館聖書講堂で、昨日......
 

 今まで,名古屋大生老婆殺人事件については,このブログでも,何度か取り上げてきました(現世考: 津久井と小金井から正しい選択、出来るかなぁ?子どもの日常生活に、「平和」を!!佐世保と名古屋の後で今も状況は変わらずですね、残念…。)。精神鑑定をしても,発達障害,双極性障害(躁うつ病)とされるだけ。

 とうとう,「無期懲役」の判決が出てしまいましたね(http://www.jiji.com/jc/article?k=2017032400813&g=sochttp://www.huffingtonpost.jp/2017/03/24/tarium-nagoya_n_15576832.html)。

 とても残念ですね。精神科医たちも,発達トラウマ障害(DTD)とは診断できません。DSM-Ⅴに囚われているからです。この大学生も,発達トラウマ障害(DTD)でしょう。症状だけ見たら,発達障害,双極性障害,…といろいろつけられる。ヴァン・デ・コーク教授が指摘するように,症状の背景にあるもの、すなわち、母子関係、家族関係、対人関係を,DSM-Ⅴは,見逃しているからです。

 津久井やまゆり園殺人事件,秋葉原無差別殺人事件,佐世保小学生殺人事件など,その「犯人」も,発達トラウマ障害(DTD)ですね。保育所,小学校,中学校,病院でも,彼らが発達トラウマ障害(DTD)であることが見過ごされ,したがって,適切な治療も,適切な教育も,適切な支援も受けられずに,むしろ,「禁忌」とされる,決してやってはならない関わり(子どもの行動の背景になっているトラウマ体験を考慮せずに,時間割や校則などの「正しいこと」を押し付ける関わり,学校などで毎日やっていることです)をされてきた,と考えられます。

 そのことを知らずに,「無期懲役」という判決を出すことは,社会の,行政の,教育の,医療の,無責任の象徴だ,と私はハッキリと考えますね。

   発達トラウマ障害(DTD)の概説書が、残念ながら、日本には、一冊もありません。不肖ながら私が、発達トラウマ障害(DTD)の具体的な治療法も交えて、概説書を書きたいと思いますので、関係各位の方は、ご一報下さい。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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インターメッツォ : エリクソンの叡智 :  「視点」の不思議

2017-03-25 02:30:51 | 間奏曲

 

 

 

 
気持ちは至る所に現れてますからね。
   不思議がり  オットーさんも素敵な詩人ですね。 The Sense of Wonder 『不思議を感じる心』から p101の第3パラグラフ3行目途......
 

 

 Toys and reasons. p.51。昨日の続きの件。

 ここは非常に大事なところを,実に要約的に,エリクソンが教えてくれているところです。

 

 

 

 

 

 中心的な「視点」(ドイツ語では,Gesichtpunkt ゲズィヒトプンクト )とは,自分が確かめられる事実(fact)の寄せ集め以上に広い見方があるのですよ,と言っていると同時に,私どもがこの世の中で生きていく際の「生きる指針」を整えるには,人と人とのやり取り(actuality)が必要ですよ,と訴えるものです。

 

 

 

 

 

  ですから,この中心的な「視点」とは,単なる事実の寄せ集めをどう見るのか,ということではありません。それだけだと,数学的な,物理的な,客観的な視点にすぎません。この視点だけだと,非常に自己中心的,お役所仕事,倫理にもとるものになりがちです。国会でのお役人の答弁が,まさにそれです。

この中心的な「視点」には「何のために生きるのか?」,「自分はどのように生きたいと願っているのか?」という目的的な視点が必ず含まれます。その「何のために生きるのか」の視点も含めるためには,人と人のやり取りの中で培った,他者中心,他者感覚(丸山眞男),共同体感覚(アドラー),全世界の人たち(宮沢賢治),人類は1つ(エリック・エリクソン)という視点が必要です。ここに,倫理的であると同時に,弾けるほどの,跳び上がるほどの歓びの源もあります。

 私どもサイコセラピストの,ほとんど唯一の役割は,この中心的な「視点」を,子どもに提供することです。

 

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