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▲愛西市ファミリー・サポート・センタ-で「子ども虐待について」の研修会がありました

 1月30日、午前10時から佐織公民館研修室で、以前愛西市で家庭相談員をされていた仲泊さんを講師に、愛西市ファミリー・サポート・センターが研修会を開催しました。

 日頃ファミサポで子どもさんを預かっていらっしゃる会員を対象に、年2度ほど研修会は行われていますが、今回は、虐待の現状などについてお話を伺いました。



 当日、記録をとりましたので、ご紹介します。

【仲泊講師の紹介】
・愛西市が誕生し、家庭相談員を4年間してきた
・その以前には、児童相談所などに勤務


【虐待の現状】
・擁護施設に3万人の子ども←そのうち半分が虐待が原因
        以前は貧困などが理由だった
・最近、虐待は増えたのか?
        たぶん昔からあった
        どれを虐待だとみるか?が問題
        → 昔は間引き 少女の人身売買があったが、これらは虐待だった
        →社会的に影響されるものであり、日本人が豊かになり虐待は減った
        みんなでよりよく子どもを育てようという風潮になった
        数字としてあがってきたのは、ごく最近
        不況になれば虐待が増えて来るであろう
・愛西市 21年度の資料
        全体の相談の虐待相談は、40%弱   → かなり多い
        →市として何を重点を於いて相談を受けるかで、数字が違ってくる
        →社会全体が虐待に力が入っているので、数字としても大きくなる
        虐待相談54件のうち5件が施設にはいっている(うち乳児院にひとり)
        虐待の種類
              身体的虐待(30%) 
              ネグレクト(50%)
              性的虐待(0%)  表面にあがってこなくて、潜在的にある
              心理的虐待(20%)

【虐待の基礎的な知識】
・発見のポイントとサイン
          身体的=あざ、たばこの火のしつけ、首からの上のけが(危険)
                              ↑                  ↑
                         陰湿                 衝動的
                 大人が何気なくあげた手に対して、防御の姿勢をとったりする=注意
          ネグレクト
                  清潔にしているか?
                  きちんと食べているか?
                        保育園や小学校だと、忘れ物が多い
          性的虐待
                   なかなか見えにくい
                   お父さんがからださわってきた ふとんに入ってきた
                          ↑
                      深く言わないが、さりげなく言ったことばを大切に
                   ずっと見逃していると、妊娠・出産。人を信頼しなくなる。
                         一度起きたら絶対無くならない。
          心理的虐待:言葉による暴力
                    見分け方 親への愛着行動がなくなる
                    他のおとなに甘えたがる
                    こどものさりげない行動を見逃さないことが大切
                        
          もうひとつ大切 ミューヒハウゼン症候群=ほら吹き男爵の異名
                        母親の病名
                        リストカットをつづける親 自らを痛めつけて病院に
                        周囲の人間関係を操作したり、同情を引きたい
                        代理ミューヒハウゼン症候群もある(子どもを傷つけ)
                       
【虐待を受けた子どもへの影響】
・自信喪失 意欲喪失 自分より弱い者への攻撃的 大人を信じない
・養護施設から里親さんに預けると、その子どもは自分をどれくらい愛してくれるか里親をためす行為をする。大丈夫とわかるまでする。(関係ができるまでが大変)
・解離症状=ストレス性の記憶喪失 忘れようとする。自ら記憶喪失になろうとする。
         ↑めったにないが・・・、
       乖離性人格障害(2重人格 多重人格) になるときもある
       
【虐待の連鎖について】
・自責の念にかられて自己嫌悪におちいる = 立ち直れるタイプ
・罪悪感を感じない = なかなか改善されない
          親は、しつけなんだといいわけしてしまう
        
【母性愛は本能ではない。育てられるもの】
・人に大切にされて、はじめて人を大切にする
・赤ちゃんポスト 個人が育てられない子どもを社会が育てていた
・本能であれば、何が何でも育てるはず= 母性愛は、環境によって育つもの

【世代間連鎖(親から子へ)】
・ 「親にたたかれて一人前になったのよ」という人は、たたいて育てる
  →そのケースしか知らないから・・・
・よりよく育てるには、違う価値観を伝えねばならない
  →たたかなくても育てることができる
・住居を転々とするケースが多い
  →定住を進めていくことが大切

【家族的連鎖】
・不安定な雇用:社会的弱者の夫が妻に → 妻が子どもに
 →社会的弱者をすくうことも大切


【一般市民の通報の義務】
・どこへ通報するのか? → どこでもいい。公共機関なら。
                愛西市は、児童福祉課がよりよい。児童相談所と連携がとれている。保健センター、学校でも連携している。
・親を咎めることが目的ではない。
                親の育児を目的にしている。育児相談につなげるのが目的。
               
【起きないため(予防)の工夫】
・知った場合には、おかあさんの味方になってやって欲しい。
・関わることは、他人の目を意識させるということが抑止力になる。
・他人の目があると、確実に変わっていく。
・なるべく家庭訪問をするようにしている。(汚い家庭が多い)。→ 咎めない
・役割を与えて、仲間に入れ込んで欲しい。
       
【母子家庭・・・母1人子1人】
・想像するだけで、つらい。
・子どもを社会で育てるも、母性愛を育てることも、共に大切なこと
・3歳の子は、母親でそだてるべき。=神話
・自分をきっちりと大事にしてくれる存在があれば、だいじょうぶ。
・母親代わりに思える人があれば、子どもは健やかに育つ
               
【児童相談所の限界】
・ 限界があってはならない。
・こどものあらゆることに問題解決をしなければならない
・しかし、限界がある。
        辞令ひとつで移動するし、その人により適不適がある。
        ケースに寄り添ってできるかどうかだ。
          福祉司の限界は、ここかも?


【市町村の役割】
・町村合併が進んできた → 法律が変わっている。毎年のように変わっている。
・児童問題、平成16年度大きく変わった
・児童相談所が、全責任をもってやっていた
→「児童に関する第一義的な責任は、市町村になる」と明記された。
→市町村は、後方支援だったのが逆になった。
愛西市は、平成17年に市になったばかりなので、児童相談所のノウハウがもてるよう努力をしてきた。そろそろ児童相談所が手を話し始める状況になってきている。市町村がしゃかりきに動かねばならない時期になってきている。
・子どもを施設に入れる措置する権利を持っているのは、児童相談所所長ひとり。
・児童相談所は、毎日、何回も措置会議をしている。
・今後さらに市町村と児童相談所の連携を蜜にしていかねばならない。
・市町村内での連携も大切。必至になってやってきた。
       
【私たちの通報はどう生かされるか?】
児童福祉課が通報を受ける
→ 緊急受理会議をする。電話を受けてすぐ。(虐待に関わるもの) 
→ 児童相談所へ連絡 
→ 見守らなければならない場合は、ケース会議をする。

【おとなへのアンケート】
・身体的 80%の男性が 48%が身体的虐待をうけたことがある。
・心理的 50%の女性  70%の女性が受けたことがある
・性的  匿名でアンケートすると、15%ある(潜在的にある)
       
【サポートの中で私たちができること】
・見捨てずにケースに寄り添うことだけ。勇気を出して、親が自立することが大切。

みつこは思いました。

 講師の仲泊さんは、私が子育てで大きな問題に関わらざるを得なかったときや、発達障害の子育てについて相談がきたとき、いろいろアドバイスをして下さいました。

 私たちは、ときとして、親を何とかして変えようとしてしまいます。しかし、「一番大切なのは、その子が命をなくさず、できるだけたくさんの愛情を受けて育つ環境をつくること」と教えてくださったことがとても印象に残っており、子育て活動で何かにぶつかったとき、この言葉を思い出すと、自分の方向性がみえてきます。

 愛西市だけでなく、児童相談所や保健所などと連携をしながら、私は子育て支援活動に関わっていますが、この言葉を忘れることなく頑張っていこうと思います。

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