R、06,07,24 セ ミ NO,4215
梅雨が明けると猛暑がやって来て、セミがかしましく鳴く。 不思議な昆虫だ。
あんなに小さい体なのに、あんなに大きな鳴き声を出す。
6年だか7年だか7年だか地中に眠っていて、地中に現れると1週間で死んでしまう。
その間何も食わなくてもいいんだろうか? なにを考え、なにを思っているのだろうか?
昭和20年の8月戦争が終わった時にもセミは鳴いていた。 人間どもの愚かな争いを
悲嘆していたのだろうか?
セミが鳴かなくなって、ちょっと涼しくなった10月にわが父が戦地から帰ってきた。
小さな箱に入っての無言の帰国だった。 あの日から79年経った。
恋に焦がれて 鳴くセミよりも 鳴かぬ蛍が 身を焦がす