銀座のうぐいすから

幸せに暮らす為には、何をどうしたら良い?を追求するのがここの目的です。それも具体的な事実を通じ下世話な言葉を使って表し、

表参道、バーバッコアのある夜

2009-05-19 08:58:40 | Weblog
 以下は、5年ほど前に出した本の一節です。私が自分の本を表参道辺りで配っている際のお話です。と言っても、路上で通行人に配るわけではなくて、そこに住んでいる知り合いに配って歩く話なのです。原文はとても長い章なので、一部分だけを抜き出して今日ここへ、載せて見ましょう。その日の夜七時半ごろのことです。私は根津美術館の方から、交差点をわたったところでした。そこから、舞台が始まると、皆様はお考えをください。


 さて、表参道の交差点を渡って、ブラジル料理のバーバッコアを訪ねました。これは、広いお店で、お昼はシュラスコランチで有名です。ブラジル風焼肉を八回ぐらいウエーターがサービスしてくれます。サラダバーも豪華。中年の主婦が一杯います。

 その何回目かに訪ねたときは、夜なので、入り口に店長ががんばっていました。彼はスキンヘッドの若く見える中年男性ですが、ある種の怖さも見せる人でした。だって、私はおズボンにリュックサック(バックパック)と言うスタイルで、
豪華な夜の表参道のレストランに、しかも一人で入る事を歓迎すべきお客ではないからです。

 彼が私の『入場を阻止してやろう』と内心で考えているのが、こちらにはわかりました。それで、私はバックから本を出して、バーバッコアに付いて記述している頁を開け、「あのね、この本は別にお宅の宣伝のためのものではないのよ。でも、お宅が舞台になっている章があるから、献呈をしたいのよ」と言いました。すると、彼は本を覗き込んで、数行読むと突然、頬をほころばせ少年のような顔に変化しました。それから先、どんな恐ろしい話が展開するか(ふ、ふ、ふ、本当は原発に付いて語るのですが)彼は知らないわけで、ただ、レストランに付いての記述が、とても的を得ていたので、喜んでくれたのです。ここら辺は創作をするものの、醍醐味です。

 そして名刺をくれました。私は日本に他にこの系列のお店があるかどうかを聞きましたら、ブラジルには他の店舗があるけれど、日本ではここだけだそうです。彼の名前には、スペイン風のファーストネームが付いていました。

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 さて、なぜ、原発について語るかと言うと、そこで、外人の素敵なビジネスマン(奥様はお医者様だそうですが)が、隣で一人でランチを取っているときに、私も結構狭いテーブルですぐ隣だったので、話しかけたのです。

 もちろん、マナーについては気をつけて、先ず、メモを書きました。自分がどういう人間であるかとか、そのほか、私は手書き字体がきれいみたいで、先ず、それに外人は驚いてくれます。それで、心が開いて、彼が、ヨーロッパから来た人で、結構、日本に長いこと、白金に住んでいること、会社は青山と言うか、このバーバッコアの近辺にあることなどを、聞いたり、母国での両親の話などを聞いた上で、ヨーロッパでは既に原発廃棄の方向へ向かっているという話を聞いたのです。

 素敵なビジネスマンが、そういうという形で、自分の秘かな信条をさらけ出したというのがその章でした。青山、神宮前、表参道は、(決して、スノッブだからと言うわけでもなく)、いろいろなお話の種を拾える場所でもあります。そして、休日となると若者も多い街だと感じます。では、2009年5月19日  雨宮 舜
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