大和高田市日之出町の特定医療法人健生会「土庫(どんご)病院」(山西行造院長)の検査で胃がんと判明したのに、1年間告知されないまま死亡した橿原市の石田政裕さん=当時(53)=の遺族らが22日、「告知ミスがなければ完治できた可能性が高い」と同会などに慰謝料など約1億4千万円を求め、奈良地裁葛城支部に提訴した。石田さんの妻・久美子さん(53)らが提訴に踏み切った。
訴状によると、石田さんは平成22年9月、同病院で検査を受診した際に「胃がん」と診断されたが、男性医師が胃潰瘍と思い込み、本人に間違えて告知。約1年間放置していたとされる…
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これは医療事故・・・といえばその通りです。患者さんのプライベート情報を守るためには、診断情報を知る人は少ないほうがよい・・これは当たり前のことです。しかし、もしかすると同じような事故を防ぐためには「関わった医療従事者」が各々の患者さんのその後の経過を確認したほうがよいのかもしれません。
しかし・・・・病理医の先生が「病理診断」した後のことまでかかわっていた場合、おそらく仕事が増えすぎて対応できなくなります。それ故、非現実的なことを言っていると自覚していますし、実際にそんなことは不可能だと病理医の先生方はおっしゃると思います。
放射線診断科の先生が読影した「画像検査」に対して・・主治医がカルテ上では全く異なる話を患者さんにしていた…となると、それもまた問題です。考慮したうえで話をしていればよいのですが・・・。以前、肺がんの可能性を放射線科医が指摘したにもかかわらず説明していなかったという話もありました。
ただ、もちろん病理医の先生や放射線科の先生と臨床現場の医師も話し合いはしますが、すべての患者さんに対してフォローアップするというのはかなり難しいわけです。
病理の先生や放射線科の先生は「1診療科」のみを診ているわけではありません。複数の診療科にまたがっています。個別の相談も受けてくれますが、すべての患者さんを最後までどうなったのか見ていくというのは困難です。
同じ診療科であっても僕が例えば…以前外来で250人程度の血液疾患の患者さんを診ておりましたが、その患者さんたちはすべて把握していましたが…ほかの先生方の患者さんまで把握するのは難しいです。というより不可能ですし、プライベートの問題もあるかもしれません。
それゆえにこの問題を…二度と(数年前も同じような話はありましたが)起こさせないためにはシステム改良の必要があります。ダブルチェックする機能が必要なわけですが、それを行うほどの医療従事者数はいないと思います。
あとは患者数と医療従事者数がマッチしているかどうか・・・ですが、患者数が非常に多かった場合ミスが増えるというのはあると思います。
そういった問題を解決していかなくてはならないとは思っています。これはシステムの問題だと思いますので・・・。
他にもいくつか医療訴訟の話がありました。
http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20121023/news20121023251.html
2012年10月23日(火)
てんかんで通院していた少女=当時(14)=が自宅浴室で倒れて溺死したのは、病院が投薬を中止し、症状を特定する適切な診断を怠ったためなどとして、愛媛県松山市の母親ら遺族3人が22日までに、松山市民病院(同市大手町2丁目)を運営する財団法人に対し慰謝料など計約4693万円の損害賠償を求め、松山地裁に提訴した。
訴状などによると、少女は2008年12月、同病院にてんかんと診断され、抗てんかん薬の服用を開始。担当医の指示で11年10月に服用をやめ、同12月の通院時には薬を出してもらえなかった。12年1月8日午前6時55分ごろ、家人が自宅浴槽に顔をつけて倒れている少女を発見し、同病院に搬送されたが死亡した。
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これははっきり言うとよくわかりません。
てんかん・・・の種類・病状もわかりませんし、死因がけいれん発作のための事故なのか、他の要因なのかが全く分からないので。
通常は3年以上発作がなくて減量・中止するような話を聞いたことがあります。そういう意味では早いかもしれませんが2年未満では再発率が高いが、2年以上ならば大丈夫というような話もあります。
参考として・・・小児てんかんガイドラインやてんかん薬物中止ガイドラインといったようなものもあるようです。
http://square.umin.ac.jp/jes/pdf/childend.pdf
ただ、ガイドラインがすべて正しいわけではなく、指針でしかないので判断が難しいと思います。僕はこれは最初の例とは全く異なる性質のものだと思います。
次にこれは何が何だかわからない。情報がなさすぎる…というものです。対応が悪かったために遺族に不信感を持たれたということなのでしょうか?
http://www.47news.jp/CN/201210/CN2012102301002289.html
東京都江戸川区の江戸川病院で昨年11月、家族からの生体腎移植を受けた患者が手術後に死亡する事例があり、原因の調査結果が明らかになるまで腎移植の実施を中止するよう日本移植学会が同病院に文書勧告していたことが23日、分かった。
文書は今年8月10日付。病院の対応に不信感を抱いた遺族が移植学会に調査を要請した。学会は病院とは別に事実関係の検証作業をしており、結果がまとまり次第、見解を公表する方針。
学会関係者は「この種の勧告は前例がない。学会に対しても病院側の対応は誠実とは言えなかった」と話している。
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さて、明日も頑張るか・・・。
来週当直だと思っていたけど、もう一人同性の内科の先生がいることに気が付いた。明日確認しよう。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。