こんばんは
先週末に10年ぶり(以上という話も)の医局旅行に行ってまいりました。幹事をしていたので完全にくつろぐというわけにはいきませんでしたが(多分、平常状態ならくつろぎながら仕事もできたのでしょうけど)、スキーと温泉を楽しむことができました。
ただ、当直表の記載ミスがさらに見つかり、そのせいもありどっと疲れが増しました。
そういうものもあったことも一因なんだと思いますが、医局旅行の幹事の仕事が終わってから、まともに動けなくなってきました。僕はもともとが超朝型ですので、朝が一番調子が良いのですけど、朝食も3日続けてまともに取れず。午前中はやろうと思っていたことを何とかやっている感じです。昼食をとったあたりでようやく少し活動性が増してくるのですけど、これって多分うつ病の人の日内変動だよ・・・と思う今日この頃です。
本日も朝4時に目が覚めて…うとうとして6時半でした。
明日、学生さんの病院案内(1年生の)の仕事が午前中にあります。3か月前の自分であれば言いたいこと、伝えたいことを用意しなくても言えたような気がしたのですが、この2,3日の自分の午前中の活力を見ていると頑張らないといけないので、少しでも楽ができるように、調子が上がってきた午後のうちに資料を作ってみました。
医師の仕事に関して
1、 臨床
(ア) 病院など(入院、外来)
(イ) クリニック等(外来診療)
(ウ) 在宅診療
(エ) 災害現場等
2、 研究
(ア) 基礎研究
(イ) 臨床研究
(ウ) 基礎から臨床へ(Translational Research)
3、 教育
(ア) 大学病院(医学科学生、研修医、専修医or後期研修医、大学院生)
(イ) 民間教育病院(研修医、後期研修医)
4、 その他
(ア) 保険会社
(イ) 製薬会社
(ウ) 産業医
(エ) 船医・国境の無き医師団 など
本日のテーマ:患者さんの診療を中心とした医師の仕事
1、 医療現場にいる人
(ア) 医師
(イ) 看護師
(ウ) 薬剤師
(エ) 放射線技師・検査技師
(オ) 作業療法士等のリハビリ関係
(カ) (場所によっては)臨床心理士など
(キ) 医療事務
2、 医師の役割
(ア) 患者の診断、治療方針の決定
医師は患者さんを問診・診察を行い、患者さんが困っている・苦しんでいる原因「疾患」を推測する。その後、それを確定するべき検査をオーダーし、診断を確定する。
診断に基づき治療方針を決定する
(イ) 医師が行うべき治療行為(手術等)、検査行為(侵襲を伴うもの)を行う
例)血液内科ではベッドサイド手技が頻繁に行われる:髄液検査、胸腔穿刺、腹腔穿刺、超音波検査、中心静脈カテーテル留置など
(ウ) チームの頭として、他の医療従事者と連携する
治療方針を決定する等、頭としての役割があります。治療方針を決めていますが、一般病院では看護師さんが点滴や採血をするところが多いです。また、医師には言えないことを看護師さんが聞いていたり(看護師さんがより患者の近くにいる)、薬に関する説明を薬剤師さんがする際に「患者さんが不安を感じている」等の情報がくることもあります。様々な情報を総合して患者さん個々に対応していきます。
3、 入院病棟での医師の一日(例)
(ア) 出勤後、患者さんの全身状態を把握する(熱は出てないかな、夜中に調子が悪くなったところは無いかな):看護記録を参考にチェック
(イ) 上記に基づき患者さんを回診する(最悪、時間がなければ話すだけでもよい。不安に思っていること、昨夜あったこと等に関してこのように考えている等患者さんの不安を軽減する。今日の治療方針、検査方針等の説明)
(ウ) その日に行った検査結果を確認(その日に出るものも含め)する。検査結果を確認しなければ検査を行う理由は無い。できるだけ早く確認し、それに合わせた対応を行う。
(エ) 必要に応じて患者さんや家族に説明する
(オ) その日の検査結果の説明、患者さんの今の状態等を把握するために回診する
4、 外来診療
(ア) 入院診療との違い
① 時間がない(患者数と医師数のバランスが悪い。時間がないので最低限の診察等で終了することが多い。その場で決定し、治療方針、検査方針を決めなくては行けない)
② 経過を見ることが目の届く範囲でできない
③ 家族との接点が少ないことがある
(イ) 外来治療が目的か経過観察が目的か
① 白血病を含めた悪性腫瘍の治療後の患者は完治となかなか言えないために経過観察を行う。それは臨床的な腫瘍(検査で腫瘍を検出できる大きさ)は1g、1cmであり30回以上分裂してこの量となる(1億個くらいと言われる)。1000万個の腫瘍の残存があっても臨床的にはわからない。この段階から再発してくるとすれば、5年以内のことが多い(癌腫によっては10年後の再発等もある)。それゆえ一般的に5年経過を見て再発していなければ、完治した可能性が高いと判断する。
経過観察が目的であれば、診察目的は「再発の有無」であるため、それを目的とした問診、診察、検査となる。
② 外来治療が目的の場合、経過観察よりも複雑になる。治療の効果判定、副作用等のチェック、合併症の確認を行い、治療方針を短い時間で決定する必要がある。
5、 最後に
医療は推測の学問です。患者さんの話を聞き、診察をして「医師が推測した鑑別診断」の中から確率を増減させるために「検査」を行い、疾患を絞り込んでいきます。知識が無ければ患者さんの不利益になりますが、知識を生かすためのコミュニケーション能力や診察能力はさらに重要になります。
医学部の1年生として基本的には「医師」という道(多分、他にあまり道がないので一本道)が開けています。どのような医師になりたいのかを考えながら、学生生活をがんばってください。
-------------------------------------
こんなことを書いてみました。
明日にならないと調子がどうなるのかわかりません。
まぁ、一人で実験していると余計なことを考えるので、多分学生とかと話している方が良いのでしょうけど。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。