おはようございます
一昨日、昨日と送別会がありました。一昨日は少し飲みすぎたかと思っておりますが、昨日は風邪っぽかったのと合わせて早めに終わりました。
飲み会が続くとどうしても良質の睡眠をとることができなくなりますので、若干疲労感があったり、体調を崩しやすくなるかなと思っています。
と、言っても4時半には起きて、活動を開始するのですが。
今日は少し気になりました、こちらの記事を紹介します。
女児、輸血1カ月後に死亡 血液製剤に大腸菌混入か
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171129-00000093-asahi-soci
11/29(水) 20:40配信
白血病の治療で今年8月に血液製剤の輸血を受けた女児が危篤状態に陥り、約1カ月後に亡くなったことがわかった。女児の血液と製剤の成分から同じ大腸菌が検出されており、製剤に混入していた菌による感染が原因とみられる。製造した日本赤十字社が29日、厚生労働省の有識者会議で報告した。
厚労省によると、女児は10歳未満。急性骨髄性白血病の再発治療で骨髄移植を受け、今年8月に血小板製剤の輸血を受けた。約30分後に嘔吐(おうと)、下痢の症状が出たため、輸血は20ミリリットルで中止。その後、呼吸困難や肺出血を起こし、輸血から約1カ月後に敗血症性ショックによる多臓器不全で死亡した。
その後の分析で、女児の血液と残った製剤から検出した大腸菌の遺伝子型が一致。日赤は、同じ献血者の血液からつくった製剤の全量を出荷前に確保した。女児のほかに使われた例はないとしている。輸血に使った血小板製剤から大腸菌が検出されたのは2015年に1件あったが、死亡例は初めてという。
日赤は、献血者への問診などで発熱や体調不良などがないか確かめている。ただ、血液中に菌がいても症状がでない場合もあり、混入を完全になくすことは難しいという。厚労省の有識者会議は日赤に対し、リスクの周知と外観確認などの対策を徹底するよう要請した。(野中良祐)
亡くなったお子さんのご冥福をお祈り致します。
省略する箇所が見当たらず、全文引用になってしまいました。
輸血用血液に細菌が感染していることは非常に稀です。一般には皮膚常在菌が混入したものが80%とされています(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjtc/54/3/54_3_359/_pdf)。皮膚表面にいる「グラム陽性球菌」の混入であれば、「エンドトキシン」は持っていないので、敗血症性ショックになることはありません。
・・・トキシックショックシンドローム(TSS)などは別ですが。
細菌混入後の輸血製剤の変化としては日本赤十字社のホームページに例が出されています。
http://www.jrc.or.jp/mr/reaction/infection/bacterium/
色調変化が起こるかどうかは「大腸菌」では起きないとされていますが、血小板の凝集・凝固は起きるとされています(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjtc/54/3/54_3_359/_pdf)(後半に表があります)。この機会に他の細菌混入時の所見も医療従事者は確認しておく必要はあるかと思います。
血小板は保存が室温のため、細菌が増殖しやすいという点はあります。大腸菌が混入していれば、その中にエンドトキシンが大量に含まれているため、少量の輸血でも様々な症状が短期間に出たということだろうと推測しています。
過去の報告も大腸菌などの「グラム陰性桿菌」は輸注後の副作用の発生が早いですし・・・。
ウイルス感染についても「検査」と勘違いして、献血する方がいないように注意喚起が必要です(ウインドウズピリオド:検査でウイルスを引っ掛けられない期間)。
献血という行為は素晴らしいことだと思います(ボランティアですし)。ただ、献血後に患者さんに不利益が出ないように、体調面も含めて献血するタイミングを考える必要があるかもしれません。ウイルス検査の代わりに使うのは言語道断ですが・・・。
そして輸血に関わる医師、看護師、検査技師も細菌混入時の外観変化の確認をこの機会にするのは重要かなと思います。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。