こんばんは
今日は体調不良で、一日仕事になりませんでした(仕事してますけど)。朝から帰宅してしばらくするまでずっと下痢していて、7〜8回くらい(汗
医者なので「まぁ、そのうち治るか」と思って、水分を多めにとりながら様子を見ていましたが、ようやく落ち着いてきました。
さて、今日は少しネットを見ていたら、「ヘェ〜」と思った記事があったので、紹介します。時間があったら論文そのものも見たいのですが、週末にでも・・・。
インフルウイルスに運動能力 岡山・川崎医科大グループが発見
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170328-00010000-sanyo-sctch
山陽新聞デジタル 3/27(月) 23:51配信
川崎医科大(倉敷市松島)の堺立也講師、齊藤峰輝教授(ともにウイルス学)らのグループは、インフルエンザウイルスが細胞の表面で運動する能力を持つことを発見し、その仕組みを明らかにした。今後、運動パターンを解析することで流行の予測や新しい予防・治療法の開発につながると期待される。27日付の英電子科学誌サイエンティフィック・リポーツに論文が掲載された。
インフルエンザウイルスは細胞表面にある突起(受容体)に結合し細胞内に侵入。細胞に寄生することで増殖する。ウイルスは細菌よりも小さく単純な構造をしており、自ら運動することはないとされていた。
グループは、A型インフルエンザウイルスの表面にあるヘマグルチニン、ノイラミニダーゼという2種類のタンパク質に着目。ヘマグルチニンは受容体に結合する性質があり、ノイラミニダーゼは結合を切り離す役割を持ち、2種類が同時に働いていることを突き止めた。ノイラミニダーゼが結合を切ることで、ヘマグルチニンと受容体の組み合わせが次々と変わり、細胞の表面を動いていた。
ウイルスが動くことで細胞内に侵入しやすくなっていると考えられ、ノイラミニダーゼの働きを阻害すると運動できなくなり、細胞のウイルス感染率は4分の1程度に低下した。
インフルエンザはA型だけでも100種類以上あり、動物からヒトへの感染も懸念される。堺講師は「それぞれのタイプの運動パターンが分かれば、ヒトへの感染しやすさを調べる指標にできる可能性もある」と話している。
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最初に一言
「インフルウイルス」って勝手に略さないように(笑
さて、ノイラミニダーゼと言われてもピンとこないと思いますが、インフルエンザの薬が阻害しているものになります。今まではノイラミニダーゼをタミフルなどが抑えることで、インフルエンザウイルスが「細胞内」から外に出て行くことができなくなり、感染する細胞が少なくなり「早く治る」と言われています。
確かに内服した場合は「細胞内」に入ったインフルエンザウイルス以外は効果がないはずなのでその通りだと思います。
吸入薬の場合はどうなのだろうか?
予防効果があるのだろうか?
タミフルの予防内服は血液疾患などでは行います。この場合も狙いは感染した細胞を減らすことで発症を抑えるという考え方ですが、ウイルスそのものに感染する前に作用させれば「感染率」もへるのであればいいですよね。
もっとも、そういう「抵抗力が弱っている」人を除けば・・・予防のためにタミフルなどの内服をするよりは「手洗い」や「うがい」をきちんと行い、人ごみではマスクをする・・・。この方が費用対効果がよほど良いとは思いますが。
ただ、記事にもありますが「ウイルスが移動」するというのは誰も考えていなかったことだと思いますので、それを示せたのは素晴らしいです。新しいことを発見するというのは素晴らしいと思います。
僕もアカデミックなところに戻りたいものです。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。