新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

世界禁煙デー:せっかくなので禁煙をしてみてはいかがですか?

2012-05-31 20:48:59 | 医療

こんばんは

 

出張から帰ってきました。

いろいろ疲れました。ただ、海沿いだったから釣竿が一つあれば楽しかったかもw

まぁ、釣っている暇は全くなかったでしょうけどね。魚はいっぱいいたんですよ・・・。釣りがしたくなるほど・・・w

 

さて、今日はともかく眠いので簡単な記事を…。

 

ちょっと、移動中に考えてきたことがあるのですが、とてもじゃないですが眠くてかけそうにないので

ということで、今日は世界禁煙デーだそうです。

喫煙所数は厚労1、防衛101 世界禁煙デー 

 http://www.47news.jp/CN/201205/CN2012053101000956.html

「世界禁煙デー」の31日、厚生労働省は東京・霞が関の庁舎にある喫煙所2カ所のうち1カ所を閉鎖した。がんや生活習慣病の予防を推進する立場から「受動喫煙防止の積極姿勢を示す」(同省幹部)との狙いだが、喫煙所が最も多い防衛省では101カ所あり、対応がまちまちな実情が浮かび上がった。

 「5月31日から廃止」。厚労省と環境省が入居する中央合同庁舎5号館の正面玄関脇にある屋外の喫煙所に今月22日、張り紙が掲示された。

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他にもさまざまな記事が出ています。

僕はみんなで飲むお酒は好きで、お酒を完全に否定はいないのですが(ストレス解消や、ちょっとした食欲増進など適度のお酒はOKだと思っています)、たばこに関しては100害あって一利なし。それ故タバコはあまり勧められないなぁと思っております。

 

病気に関しては各種癌に関しては影響の度合いに違いはあるものの、多くのがんのリスクを上昇させます。また、COPDなど肺そのものに害を与えます

 

もちろん、その影響力には個人差もあります。実際には疫学データ(たばこを吸ってる人と、すっていない人を比較したデータ)では明らかに有害です。また、どのような人がより影響を受けやすいか、どうすればその害を防止できるかなどのデータ)しかありません。

 

であれば、避けるしかないだろうと思っています。防御する方法、その防護薬(放射線の防護薬を将来宇宙へ進出するために作ったらどうかと言っている人間ですが)を作る方法が良くわからない以上、避けるのが最も良いと思う

 

放射線は避けなくてはと大騒ぎするのに、なぜタバコを避けなくてはと大騒ぎをしないのだろうか?

印刷会社で胆管がんの発生率が上昇していると大騒ぎするのに、なぜタバコに関しては大騒ぎしないのだろうか?

校正印刷会社の胆管癌発生問題:疫学解明のためにもきちんと調べてほしい

上に書きましたが、放射線防護薬は日本が宇宙開発をリードするために、「逆転サヨナラホームラン」をうつために必要なものではないかと思っています。けど、たばこの害から守る薬を使用しながら煙草を吸うというのはナンセンスな気がしてなりません。

 

せっかくの世界禁煙デ-ですから、これを機に禁煙してみてはいかがでしょうか?

 

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職場の人との会話より:簡単な急性胃腸炎の説明

2012-05-30 21:42:10 | 医学系

さて、これも予約投稿です

 

先日、職場の方が急性胃腸炎になりまして、何故急性胃腸炎は起こるのかと聞かれました。

 

その時のちょっとしたやり取りです

 

---------------------------

「先生、あのあと近くの病院に行ったら「急性胃腸炎ですね」といわれました」

「そうですね。水様性下痢が続いて、発熱もそれほど高くなくというのであれば・・・」

「なんで、急性胃腸炎は起きるのでしょうか。熱もないのに」

「まず、いくつかの要素があります。まず、胃腸というところから、食事に加えて胃液や腸液というのが出て・・・10lくらい水が入ってくるのですけど、それが何らかの理由で吸収できなかったら下痢になります

「その理由が僕の場合はウイルスだったということですね」

「そうですね。いろいろ菌やウイルスによって吸収できなくする理由は違います。イメージしやすいのは10lの水を本来は吸収できるはずなのに、吸収能力を持つ腸の機能が下がった場合ですね

腸粘膜がダメージを受けたりすれば吸収効率は下がります。仮に腸粘膜が正常でも、通過速度が速くなれば吸収する前に下痢として出ていってしまいます

「腸の機能が落ちていたんですか?」

「まぁ、結果的には落ちていたんだと思います。理由ははっきりとはわかりません。おなかが痛くなったり、軽減したりしたということですから、かなり腸の動きが早かったんだと思います体が防御反応としてウイルスなどの有害なものを外に排泄しようと頑張って動いた結果かもしれません

「腸が逆に頑張りすぎたと?」

「そういう可能性もあります。ウイルスによって腸粘膜がやられていたかもしれません

(要はよくわからないということです。それでも対応が変わらないの、どちらが主因かというのは意識していません)

「なるほど~」

「熱が出なかったのは基本的に消化管というのは『体外』なんです。すなわち血液中に入って来なければ発熱はしないです。膀胱炎とかもそうですね。ただ、胃腸炎なのに熱が出るタイプのものもあります。侵襲性大腸菌とかサルモネラ菌などの腸粘膜を通過してくる・・・、まぁ体内に侵入するタイプの菌ですね。これは抗菌薬を使用する必要が出てくるかもしれません。特に子供は」

「他には」

「抗菌薬という意味なら、血便とかもそうですが・・・。発熱というならノロウイルスやインフルエンザは発熱+下痢のパターンですね」

「対処法は?」

基本的には水分をしっかりとって、下痢が止まるまでおとなしくしていることです。下痢を止めるとウイルスとかの排泄が遅れるので、やらないほうが良いです

「あぁ、今回診てもらった先生にも言われました」

僕は寝る前だけOKと言っています。寝れなくて体力消耗するというのも問題なので

「で、整腸剤とか胃薬で対応して回復するのを待っていればよいわけですね」

「そういうことになります」

「ありがとうございました」

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実際は分泌を更新させるタイプの下痢(腸液などを過剰に出させる・・・コレラとかですね)や、出血による下痢(大量の出血は吸収しきれない)、脂肪の吸収能力が低い人が脂肪分の多いものを食べた後にする下痢などいろいろなタイプがありますが・・・。

 

一日に何回も下痢をするというのは多くの場合はウイルス性などの急性胃腸炎(一言で言ったらお腹の風邪)が一番多いのではないでしょうか。

 

ちなみにストレスなどで生じる過敏性腸症候群などもありますが、この場合は寝ている間は下痢しないという特徴がありますね。ストレス性なので・・・。

 

意識障害が出ているとか、他の症状が何があるのかは大事です。ただ、急性胃腸炎による下痢などが主体であれば水分だけでもきちんと摂取できるかどうかは重要なポイントだと思います。それができなければ入院になってしまうでしょうし、食事ができなくても水分がある程度取れれば普通は入院しないのではないかと思います。

もちろん、年齢や合併症なども考えて対応はしますが。

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第5回全国医師連盟集会開催

2012-05-29 18:28:25 | 医療

今日も予告投稿です

 

6月10日に全国医師連盟の5回目の集会が行われるようです。

全国医師連盟は勤務医を中心に設立された団体です。理念としては以下となっております

  • 私たち「全国医師連盟」は、患者と医療従事者の権利を重んじ、医療の質の向上と診療環境の改善のために活動します。
  • 私たちは、患者と医療従事者の権利の確立と適正な診療環境を実現するために、いかなる圧力にも屈せず、行政、立法、司法、メディア、そして国民に、医療のあり方を提言します。
  • 私たちは、地域、世代、診療科および医局の枠を越えて、真の社会貢献を果たします。

(全国医師連盟規約による)

 

はっきり言って勤務医は忙しすぎて、日本医師会はともかく全国医師連盟の存在を知らない方も多いのではないでしょうか。

医師ユニオンも全医連との関係が濃い組織です

 

[イベント]2012年6月10日(日)に第5回全国医師連盟集会を開催します。

http://zennirenn.com/news/2012/05/201210.html

2012年6月10日(日)に第5回全国医師連盟集会を開催します。

テーマ「大量死時代の終末期医療・看取りはどうあるべきか?」

    ?病院では死ねない時代の終末期介護&医療?
       人生の最後をどう迎えますか?


会場:主婦会館プラザ(四谷駅麹町口から2分)
   (http://www.plaza-f.or.jp/room_index.html)

日時:2012年6月10日 13:00〜16:00

演者
・これからの時代の終末期医療:平方 眞先生(愛和病院)
・在宅医の立場から     :林 恭弘先生(祐ホームクリニック)
・介護施設の立場から    :志賀義致先生(株式会社エルピーダ代表取締役)
・病院勤務医の立場から   :吉田明子先生(君津中央病院)
・国政の立場から      :村田吉隆先生(自民党衆議院議員、尊厳死?を考える議員連盟)

参加費:2000円
    学生・研修医は無料です(身分証の御提示をお願いします)。

申 込:http://kokucheese.com/event/index/38373/ 


そう遠くない将来、日本は超高齢化社会を迎えます。
病院や介護施設を利用せざるを得ない人が増えます。
利用できない人も激増するかもしれません。
今から考えることは、決して早すぎません。
私たちはどうしたらよいのか......
皆さんはどうしたいのか......
一緒に考えてみましょう。

 

2012年05月17日 全国医師連盟

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平方先生の講演は聞きたかった・・・orz

 

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被害者・家族と医師らの「架け橋」にNPO設立

2012-05-28 20:21:14 | 医療

ということで、今日からしばらくは出張です。

 

いくつか記事を書いておこうと思います

ただ、時間があまりないので記事の紹介のみです。

 

 医療事故の被害者・家族と医療従事者が、ともに医療現場の信頼構築を目指すNPO法人「架け橋」を設立し、27日午後2時から聖路加看護大講堂(東京都中央区)で設立シンポジウムを開く。被害者と事故を起こした医療者や、医療紛争に詳しい法律家らが集まるNPOは全国的にも珍しく、患者の視点を生かした病院の相談体制整備を呼びかける。

 会の理事長には、03年に長男(当時5歳)を医療事故で亡くし、今は新葛飾病院(東京都葛飾区)で患者相談や医療安全管理に携わる豊田郁子さん(44)が就任した。豊田さんを含む18人の理事のうち6人が、医療事故にあった患者の家族。ほかに医療者や、医療安全やコミュニケーションに詳しい研究者らが参加する。会は患者・家族と医療者をつなぐ人材育成を重点に掲げ、病院で患者の相談にあたる担当者向けの研修会や、医療機関の支援などに取り組む

 豊田さんは「医療者の倫理と、コミュニケーションを高める取り組みが遅れたことで、患者との溝が深まっている。不安や不満に応える相談体制の充実を後押ししたい」と話す。

 シンポジウムは病院の患者サポート体制について、専門家や行政関係者が議論する。参加無料。問い合わせは事務局(kakehasi@airoos.ocn.ne.jp)へ。【永山悦子】
ーー---------------------------
5月27日ですので、昨日この会は行われています。
 
この結果がどのようになって、今後医師患者関係の構築が上手い形になっていくのか、おそらく多くの医療従事者も注目しているのではないでしょうか。
 
 
僕は出張から帰ってきたら、とりあえず情報収集をしますけど。
 

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電子カルテよりも処方箋の電子化をという意見:思わず納得

2012-05-27 16:46:38 | 医療

こんにちは

 

僕は明日から出張で数日留守にするのですが、嫁さんの友人が遊びに来るということで、その準備の買い物をしておりました。

その帰り道に「つばめ」が飛んでいるのをみて、少し時期はずれかと思いましたが、よいことだと感じました。

 

さて、今日はまずこちらの記事を紹介します

 

医療情報の電子化について

以下は、言論屋台「アカデミア」の投稿を短く抜粋したものである。全文を読みたい方は、そちらを参照されたい。
http://academia126.com/?p=376

私は医師である。

毎日、患者やその家族に、
1)「今までどういう病気にかかってきましたか?どういう治療をされましたか?」
2)「現在、どういう病気の治療を受けていますか?」
3)「どういう薬を飲んでいますか?」
というような質問をしている。

1)は「既往歴」に関する質問であり、2)は現病歴に関する質問であり、3)は「服薬歴」に関する質問だ。

いつも思うのだが、医師が患者側にこんなことを聞くのは、本来、おかしいのではないか。症状や受診動機を聞くならともかく、どんな病名で、どういう医療行為を受けてきたか(いるか)など、特殊な興味でもないかぎり、患者は正確に記憶していないし、伝えられてもいない

患者を介さず、専門家の書いた情報をダイレクトに読めれば、どんなに楽かと思う。本来、そのために、「紹介状」というものがあるのだが、受診するたびに、紹介状を事前に用意することは、現実的ではない。

カルテを電子化・オンライン化するだけでは、医療情報の共有はできない

世間には、カルテを全国共通規格で電子化してオンライン化すれば、医療情報が関係者の間で共有され、医療が効率化されるだろうというような夢想を語る、孫正義のような人がいるのだが、そんなに簡単にはいかない。

カルテが電子化・オンライン化されるだけでは、情報は伝わらない。カルテ(診療録)は、医師法第24条により記載を義務付けられているが、内容には何の規則もない。

カルテの実態は、医師の個人的備忘録だ。他人に読ませることを前提として書かれてはいない。とても他人が読めたものではない。自分がわかればいいからである。研修医クラスなら、指導医からカルテの書き方の指導をされているので、人に読ませるカルテを書くこともあるが、読むのは指導医だけだ。部外者には何が書いてあるんだかよくわからない。まして、診療科や職種が違えば、なおさらわからない。

つまり、カルテがオンライン化されていても、情報を伝えるには、読む人のレベルに合わせて、要約して書くという作業が必要不可欠なのだ。この点は、紹介状を書くのと何ら変わるところはない。紙カルテが電子化されれば、他人の汚い字を読まないで済むので、可読性が高くなるメリットはあるが、それだけだ。

患者のプライバシーや告知の問題もある。患者は担当医以外に知られたくないことがあるし、医師には、患者のためを思えばこそ、患者に伝えたくない情報があるのだ。

電子カルテを全面導入するなら、記載内容ごとに閲覧権限を細かく管理する必要があるが、そこまで手の込んだ電子カルテはまだない。丸ごと見せるか、見せないかのいずれかだ。部分的に閲覧資格を制限すると、必要な場合は、制限を解除するために、管理者から許可を取る必要があるが、執筆者に聞かなければ、見せていいかどうかわからない。結局、閲覧権限の管理にコストがかかってしまって、何のための電子カルテなのかよくわからなくなる

つまり、電子カルテは発展途上の技術であり、Windows XPみたいな決定版が出るのは、ずっと先だ。現状は、せいぜい、Windows 3.1ぐらいだ。中途半端に規格化して、進歩を止めるべきではない。まして、全国共通規格のオンラインカルテの開発など、時期尚早である。

服薬歴の電子化は低コストで、効果は絶大

しかし、服薬歴の電子化に限れば、話は比較的簡単だ。認可医薬品の名前や規格は、政府によって一元管理されている。誰が、どの薬をどれだけ処方されているかということに、曖昧さはまったくない。また、本人に秘密にすることもできないので、告知の問題もない。オンライン化さえしなければ、プライバシーは守られるだろう

具体的には、服薬歴を、ICカードに記憶させるのだ。媒体が増えると管理が面倒だから、お薬手帳と処方箋と保険証を、カード1枚に統合する。保険診療を受けるのに、保険証を持ってこない患者はいないので、お薬手帳を忘れてくるという問題はなくなる。

服薬歴の電子化は、医師の手間の削減や情報の精度向上以外にも利点がある。薬剤師の仕事の大半を自動化できるのだ

薬剤師の業務の一つに、「処方箋の疑義照会」というものがある。薬剤師法第24条に規定されるごとく、処方の間違いを発見することは薬剤師の法的義務なのである。現在は、処方箋を見て、不審な点があれば、処方医に電話で照会するという形で、手作業でやっている。

手作業の非効率性や信頼性の低さもさることながら、このシステムの問題点は、複数薬局を使うと、併用禁忌や重複投与を検出できないということにある。

厚生労働省と日本薬剤師会は、複数医療機関から発行された処方箋を、「かかりつけ薬局」でのみ応需することで、この問題に対処しようとした。しかし、患者の移動の手間や、在庫費用の問題により、かかりつけ薬局はほとんど普及しなかった。不特定多数の処方医が使う可能性のあるすべての医薬品を、一つの薬局が在庫することなど、無理にきまっている。

厚生労働省も、どうやら、かかりつけ薬局の非現実性に気がついたらしく、今春から、「お薬手帳」を全員に発行し、携帯させることにした。処方歴を、かかりつけ薬局に蓄積するのではなく、患者が自分で持ち歩けるようにしたのだ。これなら、どこの薬局に処方箋を持って行っても、過去の処方歴と照合して、ミスを発見してもらえる。

しかし、最新のオーダリングシステムなら、入力された範囲内での投与量ミスや併用禁忌ぐらいは、自動検出してくれる。患者の属性(性別、年齢、体重、腎機能、肝機能、病歴)を細かく入力しておけば、もっと詳しいチェックも可能だろう。お薬手帳が電子媒体となれば、オーダリングシステムは過去の処方歴も情報源として、ミスを検出できる。薬剤師による、手作業の処方チェックは必要なくなる。薬局薬剤師は、処方箋に従って、薬をピッキングして渡すだけでよい。

また、お薬手帳や処方箋の電子化は、情報入力の手間の削減にもなる。現状は,医師が、オーダリングシステムに処方をキーボード入力して、処方箋を紙にプリントアウトし、それを薬剤師が目で見て、再びキーボードで薬局の調剤コンピュータに打ち込んで記録するという二度手間をやっている。電子化されれば、2回の入力が1回で済む。入力ミスも減るだろう。

20年前でもできたことが、いまだに実現しないのはなぜか?

この程度の電子化は、私が20年前に薬剤師免許を取ったときに、すでに可能だった。最新の処方箋、前回の調剤記録程度の情報量なら、大容量フラッシュROMなど必要ない。テレホンカード程度の技術で充分だ。テレカそのものでは容量が足らないが、磁気ストライプの本数を増やせば、記憶容量は拡張できる。情報をQRコード化して、処方箋やお薬手帳に印刷してもいい。QR1個で足らないなら、複数個を同時使用すればいい。基本的には90年代の技術だ。

現在では、ICカードや、リーダ・ライタは、キャッシュカードやクレジットカード用に量産されている汎用品を流用できるから、単価は数百円から数千円だし、オーダリングシステムや調剤記録コンピュータの電子処方箋・お薬手帳への対応も、既存のソフトをちょっと手直しするだけだから、導入コストは数十万円というところだろう。

お薬手帳・処方箋の電子化というアイディアは、私独自のものではない。ずっと前から、多くの人が提案している。システムの試行も行われている。しかし、病院や薬局が個別に導入しても、フォーマットが違うとデータ互換性がないので、使いものにならない。誰かが標準フォーマットを制定する必要がある。それは、本来、政府の役目なのだが、無視されている。住基カードのように、情報を一元管理する巨大データセンターを作る必要はない。単にデータ交換のフォーマットを作るだけだから、ほとんど費用はかからない。それなのに、政府は何もしない。一方、オンライン電子カルテのモデル事業には、莫大な補助金が支出される。

数十万円で導入できる、お薬手帳・処方箋の電子化は放置され、個人診療所のスタンドアローンのシステムでも導入に数百万円、大病院のオンラインシステムだと、初期費用は1億円以上、維持更新費用だけで、毎年数千万円のコストがかかる電子カルテの導入ばかり行われている現状は、どこか間違っていると言わざるをえない。

(井上 晃宏)
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さて、この意見をどう思われましたでしょうか。
 
まず前半部分の電子カルテの話は僕は大部分同意見です。
 
今の日本の医師数では外来でカルテをきちんと書くほどの時間はないです。
 
僕は外来で20分くらいかけて話をしたら、逆にカルテの内容は簡単にしか書けません。予定の時間を大幅にオーバーしているからです。カルテを書くことよりも患者さんと話すことを優先しているので、当たり前ですがそうなります。
 
入院カルテでも同様です。
僕はどちらかというと「患者さんへの説明」に関してはBlogで書いているような内容を、患者さんからの説明も含めて細かく書いているので、看護師さんからはそれを見るだけでどのような話になったかわかるといわれました。
大がかりなものでなくても患者さんに簡単な説明を行ったら、「こういう話をした」という記載だけは行いました。ただ、毎日のカルテをすごく細かく書いている暇はなく、研修医の先生のカルテを見て明らかに間違っているのだけ訂正するような感じでした。
 
それ以上に実際、たまに大学病院に行って入院カルテを見ても患者さんに行ったすべての処置が記載されていて、むしろわかりにくいです。
 
僕が患者さんに読んでもらうためにわかりやすく書いている部分がインフォームドコンセントの項目、他の医師に対して書くのは紹介状だったり、他科への診療依頼ですね。自分がその紹介状をもらって、確実に次に行うことがわかるようにしろと指導されていたので、結構細かく書いてます。
 
 
僕が電子カルテで助かるなぁと思うとすれば「検査結果」と「薬剤処方箋」です。
 
 
処方箋を見ればだいたい患者さんがどのような問題を持っているかはある程度わかりますので。
 
そういう意味で処方箋の電子化はありだと思いました。患者の属性の入力…というところに一部、患者さんの情報がかかわってくるのですが、まぁ簡単にできるならばそれはよいのではないかと。
あとは電子カルテでなくても「健診データ」ですね。カルテよりもデータの方がありがたいです。
 
 

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オーダーメイド化の時代に医師が過剰になるのか?

2012-05-26 21:53:22 | 医療

今日は4時起きだし…お酒を飲んでいるので、記事の紹介を一つして寝ます。

 

CBからです

個別化医療がすべての薬に広がる時代が来る- 医療の「未来」を探る(下)

 個別化医療(オーダーメイド医療)が最も普及しつつあるがん領域。国内でそのきっかけをつくったのが、中外製薬の抗がん剤ハーセプチンだ。がん細胞の表面にHER2というタンパクが発現している患者に効果のある世界で初めての分子標的薬であり、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているスイスのロシュ社が開発した同薬は、がん治療にパラダイムシフトをもたらした。中外製薬が個別化医療を意識した薬の開発に取り組む理由とは―。【津川一馬】

 製薬企業における「個別化医療戦略」は、治療薬と共に、それを使用する上で最適な患者を選択するための診断薬を同時に開発し、現場に普及させることを目指すというものだ。梨契典氏(中外製薬R&Dポートフォリオ部長)は、「高い効果を示す可能性のある治療薬の提供は、医療者と患者さんにベネフィットをもたらす。これは規制当局の目標にかなったものでもあり、保険者としては、患者さんの選択によって無駄な医療費を省くことができる。この4者へのベネフィットが『個別化医療戦略』を推進する理由」と話す。
 もちろん、製薬企業側にもメリットは存在する。これまで「がん患者」とひとくくりにしてきた患者群から、特定の患者を選択して投与することは、マーケットの縮小につながる半面、高い効果や少ない副作用があらかじめ見込める患者を対象に開発を行うことで、開発期間の短縮や、開発コストの低減が見込まれるという。中外製薬が公開している開発パイプラインの8割以上が、個別化医療の戦略にのっとって開発を進めている。

 同社がこの戦略を推進する上で、大きな強みとなっているのが、ロシュ社が抱える世界最大の診断薬部門の存在だ。実際問題として多くの製薬企業は、診断薬部門を持っていないため、治療薬と診断薬を同時に開発するためには、診断薬企業と組む必要がある。ただ、「例えば、製薬企業側がある治療薬をグローバルに展開することを考えていたとしても、それに合わせて診断薬をグローバルに供給できる診断薬企業の数は相当限られる。組む相手の選択と、その後の戦略のすり合わせが難しい」(梨氏)との課題が残る。その点、中外製薬の場合は、グループ内の診断薬部門と自由に共同開発できる体制が整っていることが大きな利点となっている。

■がん以外の領域にも個別化医療の可能性

 
同社のハーセプチンを皮切りに、がん領域では分子標的薬が相次いで発売されており、個別化医療の戦略を掲げる製薬企業は少しずつ増加している。「例えば『肺がん』でも特定遺伝子の変異がある患者さん、ない患者さんが存在しており、今までの疾患分類では済まない状況になっている。さらに、一つの特定遺伝子の変異だけでは薬の効果を予測できない、すなわち、一筋縄ではいかない『ハードターゲット』に対する創薬が必要な時代に入っている」と梨氏は指摘する。

 一方で、がん領域以外の慢性疾患領域では、こうした個別化医療の戦略に基づいて開発され、承認に至った治療薬はまだない。背景には、「慢性疾患領域の場合、一つの薬で7、8割の患者さんが効果を得られることが多かった」(梨氏)ため、効果を予測する診断薬の必要性が、がん領域に比べて低かったという事情がある。

 ただ、すべての慢性疾患領域にこれが当てはまるわけではなく、中外製薬は現在、血中のある分子が多い患者に高い効果が見込まれる喘息治療薬を開発している。「がん以外の疾患でも、疾患の原因となるターゲットが患者さんによって異なる場合があるかもしれない。今の治療分類を超えて、より細分化が進めば、がん以外の領域でも個別化医療の対象になってくるだろう」と梨氏は話す。
 また、慢性疾患の場合は長い治療の中で、薬の予期せぬ副作用が表面化する可能性もある。梨氏は「患者さんを選択する必要のない疾患でも、今後は副作用を防ぐための薬の使い分けが進むだろう」と予測する

■「個別化医療は避けては通れない」

 
「個別化医療戦略」に基づいた薬の開発について、今後の動向をどう考えるか―。梨氏は「治療薬が効くかどうかを見極めるための判断材料となるようなターゲットさえ見つかれば、個別化医療は早々に展開する可能性がある」と話す。実際、がん領域の分子標的薬は臨床試験の開始から上市に至るまでの期間が、従来の抗がん剤の半分程度に短縮した例もある。
 「今後は、基礎研究から見つかったターゲットが、個別化医療の治療薬・診断薬として有用なものかどうか、臨床応用に橋渡しをする臨床研究がますます重要になる」(梨氏)。

 「製薬企業にとっては、個別化医療は避けては通れない道」と強調する梨氏は、こう語る。
 「個別化医療という言葉はいずれなくなり、すべての薬剤が何らかの個別化医療に基づいて使用される時代になると思っている」―。

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前も書きましたが、オーダーメイド化されていく時代の中で医師が過剰になるのはなかなか難しいと思います。

例えば日本人は高血圧が多いですが、原因遺伝子がいくつかある中で特定のものに著効するような薬剤ができたら、当然使用しますよね。この薬が効くのがわかっているのに、複数の薬で対応されるというのは患者さんもいやでしょう。

 

僕も慢性疾患と言われるもの、特に生活習慣病の領域やCOPD(肺気腫や慢性気管支炎など)などでいろいろ起きてくるのではないでしょうか。

 

そうすると必要な知識は馬鹿みたいに増えていくわけです。

 

一つの病気に対して知っておくべき知識が増える。それが今の医療がどんどん複雑になっている原因なんだと思います。

 

これを単純化することは「この病気に対して誰にでも聞く特効薬」が出現することです(例えばCML:慢性骨髄性白血病におけるBcr-abl阻害薬)。そういうものが出てくれば「過去の治療」把握あくまで過去のものになるでしょうが・・・。

 

まぁ今のが適切かは不明ですが要は特効薬が出てこなくては、オーダーメイド化された医療により医師は不足するだろうな~と(ず~っと前から書き続けていますが)思います

 

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親族扶養の義務はどこまでか?

2012-05-26 21:10:10 | Weblog

こんばんは

 

今日は朝4時に起きて、また釣りに行ってきました。医師になってからこんなに高頻度に釣りに行ったのは初めてかもしれません。というよりは大学病院にいる間は一度も行きませんでしたし、北海道でも数回しか行ってないですし・・。

 

おかげさまでおいしい魚を食べることができました。まぁ、4時から起きているから、若干眠いのですが。

 

さて、昨日より「生活保護」に関して、いろいろな記事が出ています。

 

 有名芸能人の親族による生活保護の受給が波紋を広げている。

 お笑いコンビ「次長課長」の河本準一さん(37)は25日、母親が最近まで生活保護を受給していたことを東京都内で開かれた記者会見で認め、一部を返還する考えを明らかにした厚生労働省は今後、扶養可能な親族がいる場合は、家庭裁判所での調停を通じ、民法の扶養義務を果たさせるよう自治体に呼びかけるなど、運用を厳格化することを決めた

 「母親は一人で僕と姉を育てた。面倒をみなければならないのに、自分がしっかりしていれば、嫌な思いをさせることもなかった。申し訳ない」。25日午前、河本さんは記者会見で涙ながらに何度も頭を下げた。

 先月、週刊誌の報道をきっかけに河本さんが批判にさらされるようになったのは、息子である河本さんには民法で母親の扶養義務があるからだ。

 河本さんによると、母親は14~15年前に病気で働けなくなり、生活保護を受けるようになった。仕事が全くなかった当時の河本さんにとって、母親を支援する余裕はなかったが、5~6年前から知名度が上がり収入も増えたため、生活費を支援するようになった。

 福祉事務所にも相談しており、違法とはいえないケースだが、援助は一部にとどまり、受給は先月、母親が打ち切りを申し出るまで続いていたという。

 この問題を巡っては、制度の運用や行政側の対応の課題も浮き彫りになった。

 同省によると、生活保護の受給申請があると、自治体は申請した人の親族に生活援助が可能かどうかを照会する。ただ、親族の回答はあくまでも自己申告で、仮に事実とは違う内容を説明されても見抜くのは難しい。また、経済力があっても親族が扶養を断ることは可能で、結局は申請した人の生活が困窮しているかどうかで受給の可否が判断される仕組みだ。

 受給が始まった後、自治体は原則年1回、親族の経済状態を調べ、受給者の扶養が可能かを再検討することになっている。しかし、担当のケースワーカーが確認を怠っているケースもあるとみられ、河本さんのケースでは、調査は約15年間に3回程度にとどまっていた。

最終更新:5月26日(土)9時10分

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 ◇「次長課長」河本母 生活保護受給問題

 片山氏は18日、自民党の世耕弘成参院議員とともに吉本側から事情説明を受けた際に「不適切な受給額を返納し、本人が直接説明すべき」と提案。河本が提案を全て実行したことに、「この制度にもらい得はないと訴える最大の目的は果たした」と理解を示した。

【写真】会見で涙が止まらない河本準一

 年収額の推移を明示しなかった会見内容にも片山氏は言及。「生活保護の“お小遣い化”を是正するためには、仕送りすべき側が、できない理由を極めて詳細に示す資料を出す必要がある」と、今後の制度のあり方に触れたうえで「2日に初めて吉本側から接触があって以来、収入データの提出はいまだにない」と、踏み込みの甘さを指摘した。

 一切の疑問点が払拭(ふっしょく)され、返納がなされれば、「もとより個人が追及の対象ではない」と事態収束に向かう構えを示している片山氏。「ただし、新事実が出てくれば別ですよ」と強調。河本の母親以外の親族の受給状況など不透明な部分もあり、「このことへの追及を緩めないでほしいという大変な反応も来てますので」と、今後も動向を注視する意向だ。

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今回の話でいろいろ考えました。

 

まず、片山氏らがいっている話は正論だと思います。少なくとも十分に親を養う経済力のある人は養うべきである

それは人としてそうだろうと思います・。人間関係が悪くなければ。

 

その一方で2つのことを思いました

 

1、どの程度の経済力がある人は「扶養義務」が発生するのか

共働きでようやく自分たち夫婦と子供を養うような家族がかなりあると思うのだが、どのレベルからは扶養義務になるのだろうか。別々のところに住んでいるだけで、通常予想されるものよりも高額な生活費になると思うのだが?

自民党はそのことも考えているのだろうか。

 

生活保護を誰でも彼でもうけるべきではないと僕も思う。ただ、どの程度から扶養の義務なのかはよく考えるべきだと思う。

 

今回の件では人気芸人の親であり、扶養できるだろうということだと思うが・・・これを機に扶養できないようなレベルの人も厳しく制限されるようになれば、みんなで首をくくるほかないという家族も出てくるかもしれない

 

そういうことは思わなかったのかと言いたい。そういう意味では・・二番目の記事の片山氏の発言が気に入らない。

2、家族の人間関係が悪いところはどうなるのか?

 

民法を細かく確認していないのでわからないが、扶養の義務はどの程度生じるのか?

そう思って調べたところ、こんな質問を見つけました

http://www.seiho110.org/rei/huyou.htm

 

扶養の義務が家族関係が悪いところはどうなるのかなど気になることはいろいろあります。

 

いろいろ気にして調べていたところ、毎日新聞ではこのような記事がありました。

 

 生活保護を受けている母親への扶養義務を果たしていないと批判を受け、25日に記者会見を開いた人気お笑いコンビ「次長課長」の河本(こうもと)準一さん(37)。保護費の一部返納を表明したものの、波紋は広がり、小宮山洋子厚生労働相が生活保護受給者の親族らが受給者を扶養できる場合、親族らに保護費の返還を求める考えも示す事態となった。義務の範囲は叔父やおいなど3親等に及ぶこともあるが、実際には「縁を切った」などと、援助を拒むケースがほとんどだ。専門家は「扶養は当事者の話し合いで決めるもの」として、冷静な議論を求めている。【遠藤拓、袴田貴行】

 扶養義務厳格化、人命に関わる

 民法は祖父母、父母、子、孫など直系の血族と兄弟姉妹について、扶養の義務があると定めている。家庭裁判所が認めれば、叔父やおいなど三親等内の親族に適用される。厚労省によると、各地の福祉事務所は生活保護の申請を受けると、扶養の義務を負った親族に対し、生活保護の受給申請があったことを書面などで伝え、扶養する意思があるかを確かめる。収入や資産も尋ね、受給が始まった後も、年1回の確認事務を行う。

 ただ、回答はあくまでも任意であり、断った当人が罰せられたり、生活保護の申請自体が不利になることはない。どの程度援助の手を差し伸べるべきか、明確な決まりはない。生活保護法には扶養義務を果たさない者に対し家庭裁判所の審判により保護費を徴収できるとの規定もある。

 小宮山氏は「明らかに扶養可能と思われる場合は、家庭裁判所への調停手続きを積極活用する」と語ったが、同省によると、これまでに適用例はほとんどなかったという。厚労省は07年度に扶養義務の履行状況を数十の自治体に調査した。扶養の義務を果たした人は全体の3%だった。

 各地の状況はどうか。「ドヤ」と呼ばれる簡易宿泊所が多く、生活保護率が東京都で最も高い台東区。受給者の親族は、ほぼすべてが区外在住者で「家出してもう何十年も会っていない」などと断るケースばかりだ。担当者は「十分な収入があっても、強制する権限がない以上『できない』と言われればそれまでだ」と制度の限界を指摘する。

 ただ、生活に困っても、親族に生活保護の申請が知られるのをおそれ、申請を取りやめるケースは少なくないという。貧困問題に取り組むNPOでは、親族らへの連絡が、生活保護受給を阻む「水際作戦」の一環と化しているとの批判が根強い

 生活保護問題対策全国会議の代表幹事を務める尾藤廣喜弁護士は「扶養をするかどうか、どの程度するかは本来、当事者の話し合いで決めるものだ。扶養義務の適用を厳格化することは『生活保護は受けるな、互いに助け合え』という考え方につながり、人命に関わる。安易な議論は看過できない」と話している。

 ◇問題の経緯

 今回の問題は、週刊誌の報道に端を発し、ネットを中心に物議をかもした。さらに、自民党の片山さつき、世耕弘成の両参院議員が問題を取り上げるなど騒動が拡大。25日に記者会見した河本さんは「むちゃくちゃ甘い考えだったと深く反省しています」と謝罪し、これまで受給した額の一部を返金する意向を示した。

 河本さんによると、病気で仕事ができなくなったことをきっかけに母親が14、15年前から生活保護を受けるようになったという。駆け出しだった河本さんの年収は100万円に満たず扶養できなかった。その後、テレビ番組に出演するなど売れっ子となり、福祉事務所側から母親の援助ができないか打診があり仕送りは増やしたものの、母親に受給を辞退させることはなかった。【袴田貴行】
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この専門家の方の話に同感ですね。
 
恐らく今でも厳しいところは厳しいですし、甘いところは甘く生活保護を受給できるようになっていると思います。
 
Twitterなどで知らばているとそんな話がチョコチョコ出てきます。本当かどうかを確認はできないのですがw
 
ただ、扶養の義務を強制すれば、よほどの経済力のある家族でなければ破たんし、人命にかかわると思います
 
皆さんはどのように思われますか?
 
 

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大前研一氏「老人が病院に集まるのはモラルの問題」:追加で「医師の労働時間」

2012-05-25 19:33:00 | 医療

さて、続けます

 

2つの記事を紹介します

 

一つ目はこちら。

風邪を公的医療保険で治療は日本だけ 海外は市販薬と大前氏

http://www.news-postseven.com/archives/20120524_109645.html

2012.05.24 16:00

 生活保護の受給者増加が進んでいる。中には、偽装離婚までして手にする不正受給も目立つ。働かずにカネを貰うのをよしとする風潮が日本を覆いつつあるが、この生活保護費増加の問題は、日本社会におけるモラル崩壊の氷山の一角でしかないと指摘するのは、大前研一氏だ。以下は、大前氏の解説である。

 * * *
 近年は生活保護以外にも日本人のモラルハザード(倫理観の欠如)が、社会保障コストを高くしている例が多々ある。

 たとえば、2010年度の医療費は前年度より約1兆4000億円増えて過去最高の36兆6000億円に達した。医療費の増加は8年連続だが、そうなっている理由は明白だ。

 まず、日本人は“本当の病気”ではなくても病院に行く。つまり、風邪をひいた、山に登って足が痛い、といった類である。これらを公的医療保険で診てくれる国は他にない。普通の国では、その程度の症状は医者の診察が必要な「病気」と認められず、市販薬で治すのが当たり前なのだ。

 ところが日本では医者が何でもかんでも診察し、飲み薬や湿布まで出してくれる。このため患者のほうも薬は1~3割の自己負担で済む病院でもらったほうが得だと考えている。

 また、70歳以上の医療費が大幅に増え、2010年度は全体の約44%を占めている。ふだんは病院が“老人サロン”と化しているからだ暇な高齢者が薬をもらい、友達と会って話をするために病院に集まっているわけだ

 さらに田舎では「田植え入院」「稲刈り入院」「盆休み入院」というものがある。農家の人たちが田植えと稲刈りで忙しい時と盆休みで遊びたい時は、高齢者を入院させてしまうのだ。したがって日本の場合、欧米の主要国に比べると、国民の年間通院回数が5倍以上で入院期間も5倍くらいになっている。

 要するに、生活保護にしても医療費にしても、国民が公的制度に甘え、依存しているから、コストがどんどん膨らんでいるのだ。これらの社会保障の不足分は税金によって賄われているのだから、本来、そのコストを減らす義務が「公民」(政治に参加することができる人々)にはあるのだが、そういう意識が日本人から失われている。受給者と納税者が頭の中で分離してしまっているのである。

※週刊ポスト2012年6月1日号

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僕は大前研一氏が以前言った話(大前研一の「内科医は聴診器を当てて、薬を出すだけだから人気が高い」発言)もありますので、有名な人だから正しいことを言うとは思っていません。

 

ただ、ある意味正しい話ではあります。

確かに「公的保険」がしっかりしているので、自然に治る病気であっても病院へ行くというのはあると思います。そして書いている通りで「病院サロン」のようなものもあると思います。ある開業医さんのところには高齢者の方が集まって、友人同士で話す場所になっているという話は聞いたことがあります。まぁ働ける人は働いていますし、高齢になればいろいろと不具合は出てきますので病院に行く機会は増えます。

 

しかし、本来であれば病院で話すようなものではなくて、社会福祉がもっとしっかりしていれば別の場所に集まると思います。病院以外で高齢者が集まり、楽しく話せるような施設を作ったほうが健康にもよいような気がする。介護施設も増えて、そこで高齢者が集まっていろいろなことをやってもよいような気がする。

 

高齢者が病院にしか集まれないような「社会福祉」しかない上に、病院が比較的に安い料金で受診することができるから集まるのだろう。あとは高齢者が孤独になってきたということかもしれない。

 

しかし、前の記事もそうなのだが・・・医療費が上昇していることを、受診しやすい日本ゆえにモラルが低下しているといい、その中心は高齢者だという。確かに受診しやすいから受診しているのは確かだろう。

だからと言って・・・どうして高齢者が病院に集まるのは、日本人のモラルが崩れている氷山の一角と言ってしまえるのだろうか。収入がそれほど多くもなく、家族と離れて暮らしている場合はどこかに行きたいと思うのではないだろうか。年金が十分にあって、好きなところで好きにやっていけるのであればそういうところに集まるだろう

そんな場所ではなく・・・病院に集まってしまうのである。

無駄に病院にいるというよりも、病院にしか入れないという風には取れないのだろうか?

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それでは、次の記事に行きます。

僕はそう思っています。

追加でこちらの記事を紹介します

ことば:医師の労働時間

http://mainichi.jp/opinion/news/20120525ddm004070159000c.html

毎日新聞 2012年05月25日 東京朝刊

 ◇医師の労働時間

 国立保健医療科学院によると、病院勤務医の平均労働時間は週70・6時間。労働基準法では、週40時間、日8時間を法定労働時間と規定。時間外労働を行う場合は労使間で36協定を締結し、労働基準監督署に届け出た上で、割増賃金を支払う。

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実際のところ、平均が70.6時間であって長い人は本当にほとんど病院内にいます。しかもこれはOn callの時間は入っていないと思われるので、拘束時間はもっと長いだろうと思います。

M3の医師募集のメールに「血液内科 現在常勤医1名 募集1800万円から~」という東京23区の血液内科募集がありましたが、1人ではきついだろうなぁと思います…(汗

完全に拘束されていますよね。入院患者+外来で・・・

 

本当に忙しい人はもっと忙しいと思いますが、平均としてこのくらいは働いているということなんだろうと思います。

では、また。

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東京23区を震源とする地震発生:いろいろ備えておきたいですね

2012-05-25 19:26:50 | Weblog

こんばんは

 

今日、夕方地震があったみたいですね。

http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/

情報発表時刻 2012年5月25日 16時32分
発生時刻 2012年5月25日 16時27分 ごろ
震源地 東京都23区
緯度 北緯35.7度
経度 東経139.9度
深さ 50km
規模 マグニチュード 3.6

 

マグニチュードも大したことはないのですが、震源地が東京23区ということで、いやらしいですね。

 

地震にびくびくする必要はないと思いますが、いろいろ備えておきたいですよね。

 

 

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埼玉の救急要請、過去最多:救急隊員だけでなく最も医師が少ない県

2012-05-24 20:40:35 | 医療

追加します

 

埼玉県の救急搬送の記事です。皆様ご存知の通り、埼玉県は日本でダントツに医師数が少ない県です。そこの救急搬送が増えているという記事です。

 

昨年の救急出動、最多30万件…埼玉

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=59175

 埼玉県内で救急出動が急増している。昨年は30万999件と10年前の1・4倍に達し、過去最高となった。高齢の傷病者の増加が主な要因とみられる。

 明らかに緊急性、必要性の低い出動要請も多いという。一方、救急隊員の数はほぼ横ばいで、このままだと緊急時に出動できなくなる恐れもあり、関係者は危機感を強めている。

 県消防防災課によると、昨年の出動の内訳は、急病が18万8479件と最多で、負傷が3万9867件、交通事故が3万3350件と続く。

 急病が全体の5~6割を占める傾向は最近20年ほど変わらないが、出動件数は右肩上がりの状態。20年ほど前には約13万件だったが、2000年に初めて20万件を超えた。

 出動件数の増加について、同課が県内35の消防本部に尋ねたところ、22本部が「高齢傷病者の増加」、28本部が「急病の傷病者の増加」を挙げる一方、9本部は「明らかに軽症であると思われる傷病者の増加」とした。

 昨年の出動が約5万7000件に上ったさいたま市では、「寂しいから救急車を要請した」、「救急車で行けば早く病院で診てもらえると思った」といった事例があった。

 現在、県内では2分に1回の割合で救急車が出動している計算。搬送者の約半数は入院を必要としない軽症患者だった。県内に救急隊は216隊あるが、10年前と比べても5%ほどしか増えておらず、隊員の負担は増す一方だ。

 関係機関は不適正な利用への注意喚起を進めているが、現場関係者からは「本人が重症だと考えて救急車を呼んだのであれば、それを不適正とすることはできない」といった声も聞かれる。利用者のモラル頼みの面もある。

 そうした中、緊急性の少ない人の入院や病院への送迎などを行う「民間救急車」の事業者が年々増えている。

 県内各消防本部が認定した事業者は今年4月現在で49業者で、2004年(14業者)の3倍以上になった。同課は民間救急車の活用も呼びかけるとともに、「必要な時に救急車を安心して利用するには正しい利用が不可欠。緊急時にはためらわずに呼んでほしい」としている。

2012年5月24日 読売新聞)

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ここに書かれているように「本人が緊急と思った」のであれば、救急車の派遣は仕方がないと思います。

 

しかし、実際に緊急でもない救急車は結構来ます。その適正利用に関しては本当に、埼玉という医師不足の県の医療を守るために必要です。

 

多くの人に気にしていただきたい話だと思います

 

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