新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

家族の気持ちも考える:いつ話をするべきか

2010-01-31 21:38:56 | 医療

こんばんは

 

今日は19時ころ帰ってきました。

午前中は病棟に行き、久しぶりに患者さんと話をしてきました。

 

患者さんたちから「大丈夫ですか?」と言ってもらう中にこんな話も…。

 

先生は朝晩必ず来てくれるのに、来なくなったのは私の状況がすごく悪くなったからじゃないかと心配で夜も寝られませんでした

「いや、僕の体調が悪かったからなんですが…」

「看護師さんからそれを聞いて、ようやく寝られるようになりました。はい、元気です」

「…○▼さん…。それじゃ僕は休めないですよw」

 

ちょっと嬉しい半面、思わず苦笑してしまいました。この患者さんも状況が改善したらなんとか外来に~と思っています。

 

 

高齢者の急性骨髄性白血病の方ですが(初診時、骨髄中のBlastは75%くらいだったかな?)、1年半外来で元気にやってこられました。流石に最近如何ともしがたくなり入院しましたが、もう一度コントロールをつけて一度は外来に…と思っています。

 

全員が全員、攻めればよいというものではないと僕に教えてくださった患者さんです。実際、患者さんのためにもご家族のためにもよかったと思っています。 QOLのよい1年半を過ごすことは、低用量の抗癌剤治療を行っても厳しかったでしょうから…。

 

 

また、午前中に患者さんが一人亡くなられました。90歳の方だったのですが、非常に年末は元気でした。最期は安らかなお顔で苦しくはなかったと思います

 

昨日の夜中に研修医の先生から電話をもらった時には

「今夜は大丈夫だと思うが、血圧が下がって脈が伸び始めたら・・家族と僕を呼んでほしい」

家族は最後を一緒に過ごすほうがよいと思いますが、あまりに早くお呼びすると家族が疲れてしまいます

 

緩和ケアの方針になった患者さんたちの家族は毎日いらっしゃる方が多いです。その場合、僕は余計かもしれないと思いながら必ずするのは

「毎日いていただくのはありがたいことだと思うのですが、どうかときには体を休めてください。本当に危なくなったりした時にはお呼びします。○○さんはまだ病気と共存しながら生きていく時です。これからの大事な時間を一緒に過ごす人が先に倒れてしまっては元も子もなくなってしまいます

 

と、家族によっては言ったりします。

 

その患者さんの出棺が終わって、あがってきたら調度、先日敗血症性ショックになった患者さんの家族が来ていたので現状の説明をしました。

 

家族に「医療」を勝手に自分の考えでやったりやめたりしないように、もう一度きちんと言いました。

 

先日は間違いなく「抗菌薬」などを「調子が悪いので薬は飲まない(飲んでくれ~)」と自己判断で飲まなかったことが悪影響をしているのですけど、それを責め立てても誰の益にもなりません。特に患者さんが助からなかったら、家族に罪悪感を覚えさせるだけです。

 

ですから、今回救命できそうだ…と考えた時点で「厳しく」言いました。今、厳しく言うことには将来同じことが起きない可能性も考えると意味があるからです。

 

第一、家族に必要以上の罪悪感は感じさせなくて済みますから。

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なかのひと 

で、いろいろやって最後に18時ころ鎖骨下静脈にCVを入れて帰ってきました。

 

漸く調子が上がってきましたが、倦怠感や咳などはなかなか取れない風邪ですね。風邪ですよ、たぶん。インフルエンザではないと思っています。

 

明日からまた忙しくなりそうなので、頑張ります。

では、また。

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看護師さんの不足は重大

2010-01-30 21:05:55 | Blogを書く理由

さて、先日…同じ病棟で働く看護師さんや医師、研修医などで飲みに行きました。

 

その時にも少し話をしていたのですが、看護師さんの不足が重大な問題になっております。医師も不足していますが・・・。

 

医療の中で「看護」の重要性は大きいと思います。

 

僕のところには結構病棟の看護師さんからの直通連絡もありますが、看護師さんが「患者さんのリスクの大きさ」を理解して早めに連絡をくれるからこそ対応できるところがあります。

 

僕も看護師さんを信頼して初めて「現状」くらい休むことができます。しかし、看護師さんの勤務は本当に大変です。実際の労働時間は1.5倍くらいの勤務時間でしょうし、給料も安いし(と、最近は夜勤手当が入ってきたようですが)、病棟会や勉強会(やるほうですけど)などにも参加しますから…

 

「勤務環境」が悪いから、皆辞めてしまうのでしょうけど。やりがいはある職業です。ただ、やりがい以上に「勤務環境は悪い」と思います。

 

【中医協】「夜勤72時間ルール」で四病協のアンケート結果を報告―西澤委員

1月30日0時34分配信 医療介護CBニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100130-00000004-cbn-soci  

中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は1月29日の総会で、四病院団体協議会(四病協)が行った看護基準の月平均夜勤72時間規制(いわゆる「夜勤72時間ルール」)に関するアンケート結果について、診療側の西澤寛俊委員(全日本病院協会長)から報告を受けた。回答した病院の約7割が「夜勤72時間ルール」の影響で勤務調整が困難となり、夜勤状況も厳しくなったとしている。  

 

アンケートは1月19-21日、四病協に加盟する日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会の会員病院から無作為抽出した496病院を対象に実施。このうち411病院の看護部長(師長)、または看護職員配置の責任者から有効回答を得た。回答した病院は医療法人が約8割を占め、病床規模別では「100-199床」(35.8%)、「200-499床」(34.5%)、「50-99床」(16.1%)などの順だった。  

 

各病院の看護師の充足度を聞いたところ、「大いに不足」が13.9%、「不足」57.9%で、全体の約7割が人員不足に陥っている現状が浮き彫りとなった。また、看護師の求人に対する反応については、「極めて悪い」(22.1%)と「悪い」(60.8%)を合わせると8割以上に上り、「良好」と回答したのは16.5%にとどまった。 

一方、「夜勤72時間ルール」に伴う勤務調整では、「困難」(62.8%)が最多。規制後の夜勤状況の変化では、「とても厳しくなった」と「厳しくなった」を合わせて7割を超えた。さらに、ルール導入で医療安全が向上したかどうか尋ねたところ、「効果はない」(62.5%)が過半数を占めた。 

今後の看護基準に関する意見では(複数回答)、「柔軟な勤務体系にできることが望ましい」(73.5%)、「現行より緩やかな規制が望ましい」(62.8%)、「現行の基準が適当」(11.7%)、「月平均夜勤時間はもっと短縮すべき」(6.8%)などの順だった。  

 

この日の総会では、アンケート結果に対する意見交換を行わなかったが、西澤委員は「この結果を踏まえ、一般病棟入院基本料の月平均夜勤のところで主張していく」と述べた。

--------------------------------

実際のところ、病院の収入が上昇してそれを人件費に充てて、勤務環境を改善しないと看護師さんも増えませんよね

 

看護師さんが増えない=勤務環境は改善されない=残っている看護師さんが辞めていく

 

実際のところ、ある種の若返りも起きているような。

中堅どころがいなくなって(辞めていってしまい)、入ってきたばかりの看護師さん(1~3年目くらい)が増えているような。

 

実際に勤務して「やりがい」は見つけたとしても、「やり続けること」の困難な状況にはなっていると思います。

 

看護師さんは「やりがい」も感じてくれていると思います。その「やりがい」が見えなくなるほど勤務環境が悪いだけだと思います。

看護師さんが充足すると「医師」の勤務環境も改善します。少なくとも僕はそう思っています。

 

例えば…看護師さんが夜勤帯にもう少し人数がいたりすると、夜勤帯にアラームが鳴っても誰かが必ず気がつくでしょう。しかし、状況によっては二人の看護師が両方「ナースコール」に対応しているなど…という可能性もあるわけです。

 

3名になっても、4名になっても変わらないだろう…と考えられる方もいると思います。確かに3名になっても「状況」によっては「空白」ができます。しかし、空白ができる可能性は低くなります

 

 

我が病棟の看護師数は総勢で13名だと思うのですが、13名で40名近い患者さんの看護にあたります。しかも7対1看護にするために日勤は5名います。それを日勤、準夜、深夜勤務(日勤のうちの二名)に分かれればほとんど休みはなくなります。

 

実際に看護師さんたちは

私たちほとんど休みありません。先生たちは一日も休みがないので、私たちが文句言うのはどうかとは思いますが、この勤務体制では看護師も集まらないと思います

と、飲み会の最中に言っていました。

 

僕もちなみに同意見です。

 

看護師さんが少ないと7対1看護にすると「患者数」は診れません。患者さんが少なくなれば病院の収入は低下します。病院収入が悪化すれば勤務環境はさらに悪化します。そうするとまた人はいなくなります

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なかのひと 

悪循環ですね。

 

その悪循環。いつ断たれるのかと思っていますが…まだまだでしょうね。

 

 

少し体を休めて、明日に備えます。

それでは、また。

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宝くじ:人間関係が崩れることもありますよね・・・

2010-01-30 20:33:41 | Weblog

こんばんは

 

今日まではゆっくり家で静養しています。とはいえ、電話だけは掛かってきていますが・・・。

 

どうしても軽い倦怠感のようなものは取れません。むしろ働き始めたらよいような気がします(仕事中毒だね、こりゃ)。

 

さて、明日の出勤に備えて早めに休むつもりですが、Blogの更新だけは頑張ってやります。

 

この記事を読んだときに、昔聞いた話を思い出しました。医学系の話ではないですので、適当に読み飛ばしてください

 

宝くじ当せん者の遺体発見=賞金28億円めぐりトラブル-米

1月30日6時12分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100130-00000021-jij-int  

【ニューヨーク時事】賞金3100万ドル(約28億円)の宝くじに当せんした米フロリダ州のトラック運転助手の男性(43)が行方不明になる事件があり、同州の保安官事務所は29日、この男性の遺体の一部が州内の民家近くの地中から見つかったと発表した。 当局は殺人事件として捜査に着手。男性は当せん後、賞金をめぐる複数のトラブルに巻き込まれていた

----------------------------------以前、職場の忘年会で聞いた話です。

 

その時「宝くじ」がゲームの参加賞で配られました。その時に職場の方が僕に話し始めました。

 

「数年前に今回みたいなビンゴ大会の残念賞(参加賞)として、年末ジャンボ宝くじを一枚ずつ配った職場があったんです。その時の宝くじに一等があってですね。それを知った職場の人間全員が『誰があたったんだ?』って探し始めたんですよ」

「それで・・・?」(相槌は僕です)

「結局誰か特定されてしまったんですけど、その後そいつに対してのタカリが発生して、結局そいつは職場にいられなくなって辞めてしまいました

「う~ん、それはいられませんね。」

「ですから参加賞は宝くじじゃないほうがいいと思いますよ」

「ばらの10枚セットとかなら分からないのではないですか?控えていない限りw」

「そうですけどね~」

 

 

いきなり来た高額の賞金って「誰があたったか」わかってしまうと大変ですよね。

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なかのひと 

本当にそう思います。

 

 

さて、次は真面目な記事を一つ書きます。

書きながら感じているのは…まだ、体がだるいですね。

う~ん、早く治ってほしいものです。

 

 

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初めての病休:追記で「薬はきちんと内服しましょう」

2010-01-29 23:28:51 | Weblog

こんばんは

 

今日、医者になって初めて病休しました。

 

ただ、昨日救急外来で出された「タミフル」と受診関係の手続きで午前中に一度病院に行き、そのまま病棟を軽くのぞいてきました。

 

一時間以内に帰りましたけど…。

 

帰りにコンビニ弁当などを買い込んで今日はそのまま寝ていたわけです。

 

午前中はまだ体がだるかったので、寝ていました。

ただ、電話で何回か起こされて(外来、外科医からの依頼、血液内科の後輩から、上司から…)

「微妙~」

と思いながらですけど(笑

 

15時半くらいに上司からの電話で起きてからは、さすがに寝つけずにベッド上で本を読んだりテレビを見たりして、安静にしていました。

 

昨日は解熱剤で熱を下げてやっていたわけですが(マスク2枚して…外来)、今日は解熱剤なしで37度くらいになっています。

 

そして出されたタミフルを含め、いろいろ薬を掛け合わせて飲んでいるのですが…しっかり内服しないといけないな~と思いながらある患者さんのことを考えました

 

 

今、人工呼吸器も用いて全身管理している患者さんですが…この方入院が嫌いで、去年の初めも「入院治療が必要」といって、家族を含めて理解をして入院予定を組んだのですが、当日ドタキャンしたという経歴の患者さんです。

 

家族がもう一度説得して連れてきたのですが、入院予定を組みなおす必要が出てきました。

 

 

今回も肺炎を発症していたので(主訴が腰痛で肺炎を疑ったわけではないのですが、血液検査で炎症反応が上昇していたので身体所見取った上で全身検索したら肺炎がありました)、

 

「入院したほうがよいですけど(一応酸素は必要なさそうな状況で)、また入院したくないですか?」

「はい、家に帰りたいです」

「では、抗菌薬(ニューキノロン)とカビの可能性も否定できない(胸部CTでは否定できなかったので)抗真菌薬(ブイフェンド)を内服して様子を見てください。調子が悪かったらすぐ電話してください」

と言って家に帰っていただいたら、入院当日の朝電話があり

今朝から立てなくなっています。本人は調子が悪いから薬は飲まないって…

と言われ

「待ってください。じゃぁ、抗菌薬とか飲んでないのですか?

「はい」

死にますよ。本当に!

 

結局、来た時には敗血症性ショックという状態でした(血液培養では肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)が陽性でした)。

 

今回はなんとか救命できると思っているのですが・・・。

 

この方は肝硬変もあって食道静脈瘤がRC sign陽性(破裂の危険あり)なんですけど、治療を拒否されていて、消化器内科の先生も困っているようです。

 

無理やり治療をさせることはできませんので…

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なかのひと 

とりあえず、血液疾患の治療をしているうちは薬だけでもきちんと飲んでほしいな~と思っています。

 

そういうことで、僕もきちんと薬を飲むように心がけます

 

それでは、また。

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インフルエンザ?

2010-01-28 22:21:14 | Weblog

こんばんは

 

今日は血液カンファ中に強制送還されました。

 

朝から38.3度の発熱があり、頭痛、関節痛、咽頭痛、鼻汁、軽い咳、腹痛と何でもそろっての状態で、念のため朝救急外来に立ち寄り知り合いの看護師さん(というか、外来の看護師さんはみんな分かりますけど)からインフルエンザのキットをもらってチェックしました。

 

陰性か…。なら、二重にマスクをして仕事をしてもいいかな」

と思い、仕事をしておりました。

 

一応熱が出始めてから12時間は経過していたので…。

 

しんどいのでカロナール(アセトアミノフェン)を内服して仕事を継続しました。

 

で、仕事が一通り終わりカンファ中にそういう話になりまして

 

「帰って寝ろ。さもないと臨床的にインフルエンザと診断するぞ」

と教授に言われ、タミフルを(念のため)処方されて帰ってきました

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疑いでもタミフル(タミフル飲んでから、なんか目の奥が痛いような)を出されてしまうと…なかなか病棟にも行きにくく・・・

 

とりあえず、今日はあきらめて寝ます。

おやすみなさい

 

P.S 明日は教授と講師の先生と一緒に班会議にまた行く予定だったのですけど・・・

無理かな・・・?

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体調不良につき・・・

2010-01-27 20:39:14 | Weblog

こんばんは

 

早く帰ってきました。今日はあまりにも体調が悪く、体がだるかったことと、当直が血液内科医だったこともあり早めに帰らせていただきました。

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なかのひと 

 

と、言うことで今日は失礼いたします

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確率論的リスク評価:100%安全にと言われれば治療不能になる

2010-01-27 00:16:55 | 医療

こんばんは

 

今日も一日が終わりました。

 

昨日の当直明けから体調がイマイチで、風邪をひいた感じがします。風邪のときはまず最初に葛根湯を飲むようにしていますが…早く効いてほしいところです。

 

 

僕の体調が悪い一方で多くの患者さんが退院して行きました。退院ラッシュで…今のところは多くの患者さんにめどがついてきているところです。

 

 

先日の敗血症性ショックでPMXを回すか否かを迷った患者さんですが、恐らく救命できるのではないか…と思っています。すべての検査結果が改善してきていますし、Vitalも改善、尿量も十分量出てくるようになりました。

 

患者さんが治っていくのは、そして帰られる患者さんたちから「ありがとうございました」と言っていただけるのはうれしいことです

 

 

今日、その他に近日退院予定の患者さんと昨日入院された患者さんの家族にお話をしていました。両方とも1時間半です。

 

 

退院予定の患者さんは、いろいろとご家族も心配されていましたので、質問に一つ一つ答えていくと1時間半になりました。しかし、患者さんも家族も

「すごく安心しました。本当にありがとうございました」

 

そうおっしゃっていました。

 

 

その一方で多発性骨髄腫に対して自家移植をする予定の患者さん。外来でも一時間かけて話をしましたが、やはり理解されているようには思えなかったので改めてご説明しました。

 

今回は入院ですので、今まで外来で話したことに加えて細かく話をしました。多発性骨髄腫の自家移植の移植関連死亡率は3%くらいなので、その話をしましたところ(外来でも話をしていますよ)

「・・・・・」

明らかに不安そうな感じになってきたので、さらに細かく説明をしました。結局納得されたのですけど…

 

患者さんにとっては「完全に安全」であることは望ましいことです。それは僕らも同じように思います。しかし、大量の抗癌剤を使用する血液腫瘍の治療で100%安全に…といわれると治療のやりようがなくなります。リスクを避けるのであれば治療をしないという話になってしまいます。

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なかのひと 

 

このことと絡めて… 本日、上司の医師が学生に話をしていたのですが

 

「今の日本の医療において司法は…一般的な分野と同じように医学を評価しようとしている。例えば、医学的に20%の確率で合併症が生じるとするとそれを起こしてしまったことに対して医療の不手際として司法は判断する。医学的に予防できたはずのことを怠ったから20%の確率で生じる有害事象が生じたのだ…と」

 

もし、全力で行っていれば必ず予防できるというのであれば…僕たちは十分な対応をして予防していると思います。何故ならそのほうが僕たちも安心して医療ができるから。

 

 

ただ、Bestを尽くしたとしても…例えばこの自家移植にしても思いもよらない有害事象が生じるかもしれない

 

 

一昨年の冬に輸血をしたらTRALI(か、肺胞出血か。輸血開始後すぐに発症)を発症して、挿管する間もなくあっという間(3時間ほど・・・CPRを行っている時間を含めて)に亡くなられたことがあります。こういう合併症が生じたことまで予測可能かと言われれば、予測不能です。

 

 

しかもタイミングが、発症する10分前位にみんなで血液回診で診察している。その10分後に喀血して、呼吸不全になり死亡したという。しかもその日の午前中に胸部単純写真を撮っていて発症直後にも撮影している。

 

 

こういう予測不能のことも併せてすべてを見通すことは不能であります。

 

ただ、結果だけをみたら患者さんが亡くなったという事実があります。ただ、それを確率論的評価で裁判を行われていたら…どうしようもない…と思うところはあります。

 

 

実際に「司法」がどういう風に評価をしているかはわかりませんが、一理はあるかもしれないと横で聞いていました。

 

 

難しい話ですね。

 

明日も忙しくなりそうです。とりあえず、頑張ります。

 

では、また。

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人口の減少を見越して:産婦人科医師数の設定

2010-01-25 23:37:41 | 医療

さて、続けます。

 

<日産婦学会>新人産科医、年500人必要…将来計画案公表

1月24日21時14分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100124-00000048-mai-soci  

日本産科婦人科学会の医療改革委員会(海野信也委員長)は24日、医師不足の解消と待遇改善を図りながら20年後に想定される出産数に対応するには今後、毎年500人の新人産科医が必要とした将来計画案を公表した。09年の新人医師は約400人。現状から年間100人ずつ増えれば、実働医師数は現在の約6300人から2030年に約8100人になると試算した。  

 

同委員会は08年に約109万人だった国内出生数が、2030年には約90万人になると仮定。現在は大学病院で1カ月の平均在院時間が300時間を超える産科医の長時間労働を同240時間未満まで改善し、女性医師が出産や育児を経験しても産科医不足にならずに、十分な出産施設を確保できる医師数を将来の目標に掲げた。【江口一】

----------------------------------

まず、人口が減ることを大前提としたものであることが…少し悲しいように思います。超高齢化社会を迎えるに当たり、これから出生数を増やしたいところである日本。

本当は無理なのかもしれませんが、それでも大前提が出生数の減少であることは…何か悲しいような気がします。

 

240時間未満になる…。逆を言えば240時間まで減る。

 

240÷30=8時間

 

計算式は不明ですが、場所によっては「交代制」が敷けると思いますが、場所によっては結局人数は不足するのではないだろうか…と思います。

 

あくまで現場にいる人間の直感ですけど…。

 

 

僕は医師になって、かれこれ休みらしい休みをもらったのは両手で数えるほどしかないですし、逆に休めば患者さんの不利益になると思っていましたので休もうとは思いませんでした

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なかのひと 

そう、休もうとは思えなかったのです。

 

 

休んでも患者さんの不利益にならないかな

 

家族と一緒に過ごしてもよいかな

 

 

そう思えるだけの医師数まで充実させるのは大変ではないかと思います

 

 

医師数であれ、医療システムであれ可能な限り現実的に実行可能なものにできるように努力しなくてはならないのでしょうね

 

 

明日も忙しくなりそうです。そもそも、今日があまりにも眠いのでこれで失礼させていただきます。

 

 

それでは、また

 

当直明けも・・・当たり前ですがフルタイムですねw

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ど~でもいい話:僕とNightmere

2010-01-25 23:18:38 | ど~でもいい話

こんばんは

 

帰ってきました。

昨日の当直では3時ころ、緩和ケアをやっている患者さんの血圧が一気に下がりましてそちらの対応に追われました。

 

 

昨日「モニターが足りない(モニターが足りない!」と申し上げました。緩和ケアの患者さんにモニターをつける余裕はないのですが、患者さんがなくなる気配が分からないと患者さんのご家族を呼べないので…。

 

調度あの記事を書いたときに「モニター」の変更を行いました。

 

結局3時ころ血圧が下がり、脈拍数が急激に低下したのが4時前でした。 モニターをつけていたおかげで家族を呼ぶ時間。そして患者さんが家族に看取られる時間を作ることができました。

 

ちなみにうちの大学病院。少なくとも当科では…血液疾患の患者さんは基本的に何かあれば「血液内科」の医師が呼ばれます。かなり特殊なので。

 

ただ、当直医が血液内科医の場合…当然当直がすべてを行います。僕はこの時、患者さんがなくなったときの確認と、敗血症性ショックの患者さんの治療を両方やらなくてはいけませんでした。

 

 

本当ならもう少し余力があってもよいのでしょうけど。

 

 

いろいろなことが終わってから、5時過ぎに眠りにつくと…久しぶりに良くない夢が…

 

 

「ここはどこだ!…このままでは骨髄採取に遅れる!」

 

よくわからない場所で出口を求めてさまよう自分がいました

 

よくよく考えると「骨髄採取に遅れる」と夢の中で考えていた自分(本当に笑ってしまいましたが、それどころではないのでしょうけど)が笑えてなりません。

 

 

夢の中で出口のない、よくわからない場所で出口を求めてさまよう中で「このままでは骨髄採取に遅れる!」と思ったときに目が覚めました。

(骨髄採取はドナーさんだけではなく、レシピエント側にも問題が生じるので大変です)

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なかのひと 

目が覚めたときに感じたことだったためか、よく覚えています。

 

 

本当に思わず苦笑したのが

「よかった。骨髄の採取に間に合わないかと思った」

と自分自身が思ったことです。

 

 

 

本当は脱出路がない場合は、骨髄採取の心配どころではないのでしょうけど…正直このままでは採取に遅れると思いました。

 

そして目が覚めた時 「…まだ、5時半か…」と感じました。

 

 

あまり夢を見ない僕ですが、久々に見た夢が「悪夢」でその夢見は…

「骨髄採取に影響がなくてよかった」

というものでしたw

 

 

我ながら「馬鹿だな」と思いますw

 

こんな僕ですが、よろしくお願いいたします

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モニターが足りない!

2010-01-24 22:04:13 | 医療

こんばんは。

 

当直中です。

 

病棟の特徴として、重症患者さんが多いのですが、先程から問題が…

 

モニターが足りないのです。

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なかのひと 

去年の夏くらいから「モニターが壊れているから、何とかしてくれ」 と言っているのですが、「修理不能」の張り紙だけで何もされません。

 

 

先程から患者さんの容態に合わせて、モニターをつける人を変えています。

 

こんなことで患者さんの不利益にはならないようにしたいです。 お金の問題もあるのかもしれないですけど、何とかしてほしい。

 

それでは、また

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