おはようございます。
昨日は家に帰って来たのが19時半くらいでしたが、若干疲れていたので22時くらいには寝てしまいました。
外来の頻度が多いのもあり、思った以上に疲れているのだなぁと思った次第です。
今日はネットで少し気になった記事をご紹介します。思わず同意してしまいました。
意外でもなんでもなく、当たり前だろうと思ったのですが・・・。当たり前ではなかったということでしょうか(汗
「なぜ日本の病院はこんなに患者を待たせて平気なのか?」という週刊誌記事で、大学病院の眼科を受診して待たされた著名な作家が「天罰が下るよ」と怒った話が紹介され、ネットやツイッター上で大きな話題になりました。英米の医療機関と比較し、日本の病院の「待ち時間」が長い理由や解消策について、救急医療のエキスパートで国際医療福祉大学三田病院救急部長の志賀隆医師が解説します。【毎日新聞医療プレミア】
◇日本は患者本位の医療を心がけている
結論からいうと、私は「病院の待ち時間を減らすのは結構難しい」と考えています。なぜなら、日本の医療機関は諸外国と比べ、予約なしで当日外来を受診する患者さんを、その日のうちに診察しようと努力しているからです。
特に、都心の大学病院には専門性の高い医師が多くいるので、その医師の外来当日に受診したいという患者さんが多く訪れます。米国や英国では「緊急性」がない限り、予約なしの患者さんが当日専門医の診察を受けることはまず困難です。
というのも、英米では日本よりも医師の働き方改革が進んでいて、長時間労働にならないようにきっちりとした「予約制」を採用しているからです。予約枠が埋まっている専門医に診察してもらうのは非常に難しく、私の勤務していた米国の「メイヨークリニック」でも、医師によっては数カ月程度の予約待ちがありました。
(中略)
日本では、「緊急性がなく、予約もいっぱいなので診察は無理」と断ることをなるべく避けようとします。当日来院した患者さんをその日のうちに診察しようと努力する医師、医療機関が大多数ではないでしょうか? そのため、米国のような週単位、月単位の待ち時間は生じません。つまり、当日待ち時間の長さは、医療従事者が「患者さん本位」の姿勢を貫こうとする「日本型医療」の結果、と言えるのです。では、予約制を徹底したらどうなるでしょうか。
◇予約制の徹底で診断や治療が遅れる心配も
病院の待ち時間を短くするために効果的な対策は、(1)予約制を徹底する(2)予約外でかつ緊急性のない患者さんには翌日以降の受診をお願いする(3)外来に十分な医療従事者を配置する--であろうと考えます。
(中略)
◇受診抑制につながる医療費の「人頭払い」
待ち時間短縮のためにできることとして考えられるのは、大病院の外来受診の際、患者さんの経済的負担を増やすことで来院者を減らし、外来中心のクリニックや小規模病院を受診してもらうことでしょうか。実際、厚生労働省は紹介状のない初診患者が大病院を受診する際には、「選定療養費」を徴収するよう病院を指導しています。病院の医師の業務は外来だけでなく、入院管理、手術、検査、当直、研究、教育など多岐にわたり、すでにオーバーワークです。「がんばれ!」と叱咤(しった)激励するだけでは外来患者を抑制することが難しいのです。
(以下略)
まぁ、その通りだろうと思います。日本の病院は患者さんを待たせて平気なのか・・・って、そんな記事書いている週刊誌があるのですね。それにはびっくりすると同時に、待たせて平気なわけないだろうと言いたくなります。どれだけこっちが頑張っていると思っているのかと・・・(怒
この記事に書いていることの1つにフリーアクセスの件があります。
1例ですが・・・大学の血液内科の新患担当で外来をしていた際、2週間続く発熱(というか37℃なので発熱ではないのですが)を主訴に受診された患者さんがいました。結論だけいうと、女性のホルモンバランスの変化で良さそうで、昨日から生理が来ている(妊娠していませんか・・・という質問に今日から生理と言われて・・・汗)ということでした。すなわち女性の高温期で、たまたまだるくて熱をはかったら37℃あり、いつもは36℃くらいだということで毎日測ったら、2週間続いたので受診したというものです。本人の症状もないことや検査結果、タイミングからは高温期で良さそうですが、仮に緊急性がなくても普通に初診として対応します(大学病院の紹介状なし、初診です)。確かに普通の初診患者よりささっと対応はしましたが、初診患者さんはそれなりに時間がかかります。
もちろん、緊急性の高い患者さんがいることもありますので、フリーアクセスが悪いというつもりではありません。緊急性がない患者さんも「大学病院がいい」ということで受診できることが日本の医療の良さでもあり、ダメなところでもあります。
また、「待たせて平気」も何も・・・・外来もオーバーフローしています。きちんと患者さんを診察するのに、僕は10分は必要だと思っていますが、患者さんの人数からは6分くらい(実際は待たせているので3分くらい?)にしなくてはならず、外来患者さん達の誰かが予想外の変化をしていればその対処に時間がかかります。
その分だけ、他の患者さんの対応が遅れて行きます。先日、ある患者さんが言いました。
「先生、お疲れさん。昼食とか食べているのかい?」
「いえ、お待たせしているので、水分補給くらいですよ」
「だよな。病院ってブラックだよな」
といって、すぐに帰って行きました。
この患者さん、先日初めて会った時は1時間半以上待たせたため、怒っていた方なのです。2回目も待たせたため、怒るかなと思っていたら、上記のような反応でした。
医師も待たせたいと思っていません。少なくとも僕は時間は大事だと思っているので、待たせたいとは思っていないのですが、どうしても検査結果が出るまでの時間(ここで1時間遅れが発生している・・・汗)、対応が必要な患者さんなどで時間がかかります。(僕も早く終わらせて、入院患者さんの対応をしないといけなかったり、学生の患者サマリー指導などがあります・・・外来日の16時からなんです・・・。そのため外来日はだいたい朝ごはん食べて、夕御飯を21時ころ食べています)
今の僕に関しては他の先生からの患者さんを受け入れしております(しかも1日に15人くらい「初めまして」がいる)ので、今までの経過の確認と今後の治療方針や方針の説明でそれなりに時間を取られています。
だから長くなるわけですが・・・。
それをどうにかするためには患者さんの数を減らすのが一番ですが、僕も今は30人は外来日に担当しております。しかも、見切れないと判断して、できるだけ受診間隔を開けるようにしていますが、それで30〜40名/日です。
これを待たせないように15分間隔、もしくは20分ごとに患者さんを1人とすると1時間に3〜4人ですから9時から17時まで休みなく診療して、ギリギリくらいでしょうか?
(これだと他の仕事ができない)
それをどうにかするには外来担当医を増やす・・・ということになりますが、ない袖は触れません(医師が増えなくては外来担当医も増えません)。医療費抑制を目的に病院の収入を減らしていますので、一定以上医療従事者も増やしにくい。日本の医療が崩れるのは当たり前といえば当たり前です。
そのため時間的距離を減らして、医療従事者を集約化して対応せざるを得ないと思っていますが、それも難しいでしょうし。
そんなことをこの記事を見て思いました。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。