新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

産婦人科医の1割は気分障害など・・:他の診療科もきついところはきついですよ

2011-01-31 22:57:00 | 医療

こんばんは

 

先程帰ってきました。

 

今日はまだ落ち着いている方だったので、3食きちんと食べることができました。急患も出ませんでしたし。

 

さて、今日はこちらの記事を紹介します。

 

産婦人科医の1割、気分障害や不安障害に悩む 学会調査

2011年1月30日

 産婦人科医の8.4%が気分障害や不安障害を抱えている可能性がある。医療事故や紛争などを経験した産婦人科医は8割いた。30日開かれた日本産科婦人科学会のフォーラムでそんな調査結果が報告された。

 同学会は2009年末から10年春にかけ、会員の産婦人科医を対象に労働環境や私生活などを調べた。1300人から回答があった。

 女性医師の7.7%、男性医師の8.9%が、臨床的に問題になるほどの気分障害や不安障害があると判定された。職業を限定しない日本人一般を対象にした同じ検査では1.8%で、それよりも高率だった。

 気分障害や不安障害は、年収の少なさ、勤務時間や当直など労働量の多さのほか、仕事で自己決定ができない、子どもが少ない、といった項目と相関関係があった。仕事への満足感とは、逆の相関関係があった。

 このほか、医療事故や紛争を経験して悩んだことがあると回答した医師はほぼ8割。裁判経験がある医師は女性13%、男性26%だった。(大岩ゆり)

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僕ら血液内科は雑誌では「脳神経外科」や「循環器外科」などを抑えて「きつい」診療科1位になっていましたが、ある部分では絶対に産婦人科の先生のほうがきついことをされていると思うところがあります。

 

「患者」ではなくて「健康成人」をみている場合がある。

訴訟の多さ

 

などでしょうか。

日本の産婦人科は優秀だし、それは国際間比較のDataでも示されています。逆にそのような状況でも一定の確率で亡くなる可能性はある。

 

そう思っていても「どうして?」と思うと、いろいろなことを考えてしまうのが人情だろう…とも思います。

 

僕らは白血病など致死的な疾患(急性白血病なら治療をしなければ、1カ月はもたないかもしれません)を扱うことが産婦人科の先生方と違うのかな・・・と。

 

急変が多い診療科ですので、それだけ毎日は大変です。しかし、やりがいもあるし、長い間の患者さんや家族との付き合いの中育んでいく信頼関係もあります

 

そこはきついけれども、血液内科で良かったと思うところではあります。

 

まぁ、きつくてやり手がいないから…悪循環に入っていますけど。悪循環を断つためには「人手」を増やしたりしないといけないのでしょうが、すぐにできるものではないですね。

 

産婦人科医の先生はもちろんのこと、様々な(きつい)診療科の先生で体調を崩されたり、精神的な面も調子をおかしくされたりする方もいらっしゃいます

状況を少しは変えていかないと、きつい診療科にはますます医師は入らなくなり、さらに調子を崩す方が増え、そうやってますます人気がなくなり・・・・。

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本当に悪循環になってしまいます。

 

どうにかしたいものですね。

 

明日もあるので、今日はこのあたりで失礼します。

 

 

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最上地方で「守る会」:柏原の動き広がる・・・?

2011-01-30 12:29:29 | 総柏原化

こんにちは

 

昨日(いや、今日か)のアジアカップ決勝は思わず観戦してしまいました。延長戦で決勝ゴールの瞬間は日本中で盛り上がったんでしょうね。

 

僕も思わず夜中なのに、

「よっしゃ!」

と言ってしまいました。

 

今日は一日お休みをもらっているので、家の掃除などを行っています。病棟から少し連絡は来ていますが、大きな異常はないようです。

 

今日は柏原と同様の動きが東北でも起きているようなので、紹介します。

 

 山形県最上地方の住民有志が2月3日、新庄市で「私たちとお医者さんを守る最上の会」を結成する。県内でも医師不足が深刻な最上地方で、患者側も中核病院での時間外の安易な救急診療などを見直し、当直医の負担を減らす方策を探る
 発足メンバーは、最上地方8市町村のPTAや地域活性化団体で活動する10人。裾野を広げながら、患者と医師が互いに理解を深める機会を設けたり、小児救急医療電話相談の活用を呼び掛けたりする。
 地域の2次医療を担う中核病院の県立新庄病院は、時間外の救急患者が年間約1万2000人に上るが、8割は入院の必要がない。最上地方の医師数が人口10万当たり137.1人(2008年末現在)と、県平均を70人ほど下回る中、軽症での気軽な夜間受診が医師の過酷な勤務に拍車を掛け、地域への定着を阻んできたという。
 代表に就く予定のパリス保育園(新庄市)の阿部彰園長(56)は「人口が減る中、患者にも医師にも望ましい環境は、若い世代が安心して出産や子育てができる地域につながっていくと思う」と話している。
 2月3日午後3時から新庄病院で発足式を行い、小児科の仁木敬夫医長が「子どもの急病時の対応」をテーマに講演する。式には誰でも参加できる。連絡先は最上の会090(6228)0535。
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と、このような動きもありますが・・・因みに埼玉県は・・・10万人当たり135人
最上地方より平均すると少ないんですよね(笑
埼玉県でも同じような話が起きてほしいものです。
特に・・・・
「血液内科を守る会」
・・・・無理だな。血液疾患の人が熱出したら、それだけで命にかかわることがあるから・・・
そういう意味では僕らは頑張るしかないですね。
では、また。
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入った

2011-01-30 02:17:49 | Blogを書く理由
延長後半、入りました。

ゴール!

サッカーのアジアカップ。優勝できるか。

頑張って欲しいですね
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研究会などへ参加しました

2011-01-29 21:11:35 | Weblog

こんばんは

 

今日はJALSGの研究会→血液腫瘍シンポジウムに参加してきました。

いろいろと面白い話も多く(特に最後の白血病幹細胞に関して)、楽しく一日学びました。

 

今から、夕食です。

 

昨日も23時過ぎに夕食を食べましたが、21時過ぎての食事は健康に悪そうだな~と思っています。

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では、また。

 

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日本の医療はTriageが必要な非常事態:災害時と同じというのは以前から同じ状況かも・・・

2011-01-26 23:21:14 | 医療

こんばんは

今、帰ってきました。

先程、医局に行くと新しい聴診器が届いていました。聴診器を先日救急患者受け入れの際に無くしてしまい、探しましたが見つからず思い切って新規購入しました。

ただ、黒い聴診器に黒いNameのため、はっきり言ってわかりにくい。きちんと確認すればよかった・・・orz

 

21時ころから一人でペテペテと英語で論文を書いておりました。「論文をさっさと書くように」と言われて、約2年。まず書けと言われていたものがあまりにとっつきにくく (確かにImpactはあるが・・・)、手が出せずにおりました。それを書いていたPCの調子が悪くなり、思い切って題材を他のものにして書き始め・・・・。

 

意外と書けるじゃん!

 

そんなことを思いながら、帰ってきました。

 

さて、今日はこちらの記事が気になったので紹介します。

 

病院「患者を廊下に」 軽症受診、救急車“タクシー”
 
 「非常事態」「災害時と同じだ」。これまでほとんどなかった消防からの救急搬送受け入れ要請拒否が大幅に増加し、「断らない救急」を誇ってきた県内の医療体制に赤信号が点滅し始めている。病床が足りず、「患者を廊下に寝かさざるを得ない」と窮状を訴える病院も。軽症にもかかわらず救急病院に頼る患者も多く、関係者からは県民に対して昼間の受診やかかりつけ医の受診、救急車の適正利用を求める意見が相次いだ。
 患者数の増加で、救急搬送の受け入れが困難となる状況は急激に冷え込んだ昨年末から起きている。沖縄気象台によると昨年12月下旬の平均気温は16・1度で例年の17・7度を1・6度下回った。今月に入ってからも例年の平均気温を1・5~2・3度下回る状態が続いている。
 患者は主に高齢者。肺炎や脳卒中などが増加している。通常でも満床に近い状態を退院調整でやりくりしている現場に、患者数の急増があり「災害のような状態」(県医務課)という。病院側は「夜間救急は待ち時間が長くなる。自覚症状がある場合は昼間に受診してほしい」と一様に要望した。
 県防災危機管理課は「救急車の適正利用をお願いしたい」と呼び掛ける。2009年に病気で救急搬送された例のうち、53%は入院に至らない軽症患者だった。琉球新報の取材に対して各消防本部からは救急車をタクシーのように利用する“常連”の存在や、病気でないのに救急車を呼ぶ人がいる実態を明らかにした。
 一方、搬送受け入れ拒否がほとんどなかった中部地区も病床に余裕があるわけではない。ある病院は「救急室の廊下に患者があふれ、入院できずに廊下で寝かさざるを得ない状況。断っていないが限界に近づいている」と現状を説明。「中部は病床数が足りていない。後方施設も患者がいっぱい。一つの病院で対応できる問題ではなく、地域の問題として医療行政が何とかしてほしい。救急病院や連携する後方施設を中心に病床数を増やしてほしい」と要望した。

<解説>高齢者長期入院も背景
 救急搬送患者の受け入れが難しくなっている背景には、緊急でないのに救急車を利用したり、救急病院を受診する人の多さに加え、高齢者を中心とした救急病院の長期入院患者が多いことがある。
 国は入院医療から在宅医療への転換を進めるが、県民所得が全国一低く、共働きが多い県内は家族の介護力は低い。訪問診療をしている医師も少なく、訪問看護も充足しているとは言えない。在宅医療、介護は難しく、現状は施設や病院頼みだ。
 医療機関は緊急性が高く症状が安定しない「急性期」、状態の安定した「慢性期」で機能を分担しているが、近年は国の療養病床の削減もあり、慢性期を担う病床が不足している。急性期病院が状態の落ち着いた患者を慢性期病院に転院させようにもできない事態が発生している。県内の救急病院の中には30日以上入院している長期入院患者が全入院患者の3~4割を占める病院もある。
 救急病院に働く医師からは老人保健施設などでみとりができないため、終末期の高齢者が救急搬送され、延命治療をしているという指摘もある。ただ施設側も本人や家族の明確な意思表示がなければ、救急搬送せざるを得ない。高齢社会の中で限りある医療資源をどう有効活用するか、老いをどう支えていくかが問われている。(玉城江梨子)
-----------------------------------
これが沖縄だけの問題かというとそうでもないと思う。
僕ら血液内科が余裕のない診療科というのもあるのかもしれないが、とりあえずいつも病床利用率>100%になっている(汗
まず、急患が多いから予定の患者さんの病床を押しのけることがあるし、かといって予定入院だからといってのんびり待てる患者が多いわけではない。
病床利用率が100%を超えているから、予定入院の患者さんをなかなか受けれないわけだが、かなり待ち時間が長くなった患者さんもおり・・・・。
そういう意味では今の日本の医療が「災害時」と同じような状況のように思える。
以前にも書きました。
今の日本という「限られた医療資源でTriageしている国」では「医療が成立しない」
先日受診された患者さんが言っていました。
今の日本の医療って、病院に行けばいつでも入院できる。自分で入院できる病院も選べると思っていました
それを聞いて、
「一般的に・・・まだ、そういう認識だから救急車の利用や救急外来の利用も減らないのだろう。白血病のような疾患は受け入れられなかったら、受け入れ先を探し続けるしかない。しかし、今は限られた医療資源でやっていて、どの病院もほとんどその余裕がない。だから『受け入れ不能』という状況になっている」
と思いましたが、こればかりは僕らが頑張るよりはマスメディアの方々に啓蒙活動してもらうほかはなく・・・・。
医療資源が乏しい地域から、このような状況が顕在化しつつあるだけで…日本国内全体が似たような状況だと思っています。
だから、どうにか改善したい。それが僕達の共通の思い(たぶん)です。
さて、明日もまた頑張ります。
P.S 転院先を探すのも大変なんですよ・・・。本当に回らなくなっている状況ですね。
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イレッサの和解勧告:現場の医師の意見は・・・

2011-01-26 00:09:41 | 医療

こんばんは

 

先程、火曜日行きつけの喫茶店(というか、晩御飯を食べに23時ころにいっております)で日韓戦がやっていました。丁度、店に入ったとき、いきなり韓国に一点取られ

「おぃおぃ」

と思いましたが、その後はすぐ取り返し・・・・。

店の中は観戦モード。

その店の中に・・・・

「先生・・・・」

言われてみてみたら、外来で診ている患者さん。

「この近くにお住まいなんですか?」

お互いに聞いてしまいました。

 

韓国戦は今延長に入りましたが…どうなる事やら。

 

さて、今日の記事ですがこちら・・・。

 

いつも僕は新聞を病棟に持っていっているのですが、何人かの病棟を担当している医師が、一面に記載されていたこの記事をみて

「こんなこと言われだしたら、医師としてはやっていられませんね」

ということであった。

僕も同意見である。「副作用がある」のは抗癌剤ゆえわかっている。血液疾患以外で、抗癌剤を使用しなくてはいけない疾患は少なく「肺癌」(まぁ、臨床腫瘍学会は肺癌の学会の印象が強いですけど)で抗癌剤を使用するということはそういう状態だったということになる

 

その時に「間質性肺炎で死ぬ可能性が○%ありますが、治療を受けますか、受けませんか・・・」と言われたときにどうするかということなのだろう。

僕はちなみに迷いますね。抗癌剤を使用する立場ゆえに、他の医師が「どうせ受けたんでしょう?」と言っていたのに対し「そういう人もいたかもしれないし、逆に治らないなら死ぬ可能性がある治療はしない…という人もいたかもしれない。まぁ、今更だけど」と思ったりしました。

しかし、抗癌剤に副作用がないわけもなく、それに対してどうのこうの言われたら抗癌剤治療なんてできないわけで・・・。

毒を以て毒を制する。メリットとデメリットを比べてみる。その時どうするか・・・。起きるか起きないかわからない状況で、あとだしじゃんけん以外でどうするのか・・・・?

それが問題だと思います。

 肺がん治療薬「イレッサ」の副作用で被害を受けたとして、患者1人と遺族14人の計15人が国と輸入販売元のアストラゼネカ社(大阪市)に総額約1億8000万円の賠償を求めている訴訟で、ア社は24日、東京・大阪両地裁が出した和解勧告(今月7日)を拒否する方針を両地裁に書面で回答した。ア社は「副作用の警告は十分しており、適切に対応してきた。法的責任はない」としている。国は和解勧告への態度を表明していないが、和解協議は事実上、困難な見通し。

 致死性の副作用である間質性肺炎は、承認(02年7月)直後の添付文書(医師向けの説明書)の2ページ目で他の副作用と共に記載されていたが、国が緊急安全性情報(同年10月15日)を出した後、冒頭の警告欄に赤字で記載されるようになった。両地裁の和解所見は「十分な注意喚起がなかった。国も行政指導するのが適切だった」と指摘。緊急安全性情報よりも前に服用した原告について被告は「救済を図る責任がある」とし、緊急安全性情報の後に服用した原告とも誠実に協議するよう求めた。

 ア社代理人の池田裕彦弁護士は記者会見で「当時のルールや知見に基づき十分に警告していた」と説明。和解所見について「理解しにくい部分もある。警告のあり方について裁判所の判決を仰ぎたい」と述べた。【日野行介、苅田伸宏】
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原告が悪いとは思わない。副作用で・・・ということに関して、不幸な事故は起きたのだと思う。
しかし、我々のような「副作用がある」薬を使用する側から言えば、そんなことを言われても…と思う。
例えば、ロイナーゼ。この薬急性膵炎が起きることが有名な薬だが、国内一例目は予測不能であった。急性膵炎で致死的になるとわかっていても、使うと使わないとでは「治癒」の可能性があまりにも違う。使わないことによるデメリットが大きい
だから、もし運悪く急性膵炎が発症した場合は…できるだけ対応するが死ぬ可能性がある。そういうふうにしか言えないだろう
難しい問題だが、現場の医師はいずれにせよ…この話に関しては疑問を投げている。
いま、日韓戦2対1になりました。
もう少し観戦したいと思います。
では、また。
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抗ヒスタミン薬:この時期は最初がきついです

2011-01-24 23:01:42 | Weblog

こんばんは

 

今日も一日が終わりました。先程帰ってきて、花粉症の薬を忘れないうちに飲みました

少し花粉が飛んでますかね?

 

少し鼻があやしくなってきました。目も少しかゆいし・・・?

 

ということで、本格的に症状が出る前に昨日から薬を飲んでいるのですが・・・・。

 

 

体がだるくて夕方くらいまではきつい。患者さんの前とかではできるだけ「シャン」としているつもりですが、この時期はかなりきついです。

 

けど、内服しないとまたつらいんですよね。

 

困ったものです。

 

日常臨床の話ですが・・・今日も白血病の受け入れ要請がありましたが「完全に受け入れ不能です」という状況。本当はもう少し余裕があれば受けたいのですけど、ベッド数が足りない。そもそも入院しているはずの患者さんが入院できていないうちは、外からの要請では受け入れることは難しいです。

 

受診してしまった場合にどうするかは、転院先を探すことになるのでしょうけど。今は…少なくとも東京都内を探さないともう駄目だろうな。ここ最近似たような電話ばかりだし、こっちも電話しているし・・・。

 

医師数とベッド数と、医療費があれば・・・と後輩と話ながら帰ってきました

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そう思っています。

 

さて、これからの花粉症の季節をどう乗り切るか。花粉はあまり飛ばないでほしい。

 

では、また。

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医療界にも当てはまる:教師(学校)vs両親

2011-01-23 11:30:52 | 複合記事

この記事をみて、少し思うところがありました。

 

「保護者の苦情で不眠症」教諭提訴 保護者「娘に差別」

http://www.asahi.com/edu/news/TKY201101170419.html

<script type="text/javascript"></script> <script src="http://jss.afpbb.com/mbsv/blog_button/asahi/asahi.php?url=http%3A%2F%2Fwww.asahi.com%2Fedu%2Fnews%2FTKY201101170419.html" type="text/javascript"></script>

 埼玉県の市立小学校に勤務する女性教諭が、再三クレームを受けて不眠症に陥ったとして、担任する学級の女子児童の両親を提訴していたことがわかった。慰謝料500万円を求め、さいたま地裁熊谷支部で係争中だ。文部科学省によると、「保護者が学校を訴える例はあるが、逆のケースは聞いたことがない」という。

 提訴したのは昨年9月。訴状などによると、教諭は1991年に教員になり、昨年4月からこの女児の学級を担任。同年6月、女児と他の女子児童とのいさかいを仲裁した際、母親から電話で「相手が悪いのに娘に謝らせようとした」と非難された。

 これを皮切りに、同月末から7月中旬にかけて、児童の近況を伝える連絡帳に母親から「先生が自分の感情で不公平なことをして子どもを傷つけています」などと8度書き込まれた。

 さらに、父親や母親から文科省や市教育委員会に対し、口頭や文書で批判されたほか、女児の背中に触れただけで警察に暴行容疑で被害を訴えられたという。

 こうした一連の行為により教諭は不眠症に陥り、「教員生活の継続に重大な支障を生じさせられた」と主張している。教諭ら学校側と両親が話し合う場も設定されたが、両親が拒否したという。

 小学校側は提訴の翌月、市教委に対し、「モンスターペアレンツに学校や教師が負けないようにし、教諭が教員を代表して訴訟を行っていると受け止めている」という校長名の文書を提出している。

 両親は訴訟の中で、連絡帳への書き込みについて「娘は繰り返し嫌がらせや差別をされ、ストレスで体調が悪くなっている。このままでは学校に行けなくなってしまうので、抗議した」と説明。市教委に文書を提出した点については「教諭が話し合いを拒否している。娘が安心して学校に通うための正当な行為」と主張し、訴えを退けるように求めている。

 朝日新聞の取材に対しては「娘は担任教諭から、ほかの児童の前で数十分間しかられたり、授業中に手を挙げても無視されたりするなど差別的な扱いを受けた。訴えられるのは心外で、学校側も実態を調べないで自分たちをモンスターペアレンツに仕立て上げた」と話している。

 小学校の教頭は取材に対し、「教諭と保護者のそれぞれの人権を尊重しているため、コメントできない」、市教委は「訴訟中なので、何も答えられない」としている。

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この構図はなかなかなかったですが、いろいろな意味で気にはなります。

 

まずは一個人ではなくて学校がバックアップに回っていますので、たぶん問題があって、このような訴訟をしても勝てると学校側を担当している弁護士さんか何かが判断したのでしょうけれども・・・。

 

これって病院と患者さんにも構図はあてはまるのですよね

これがどのような帰着をするのかは「医療従事者」としてもしっかり見守っていきたいと思います。

まぁ、そのようなことにならないのが最も良いのでしょうけど、僕もどれだけ誠実に対応しても、書いている通りのことが起きても、説明通りになったとしても、結果が悪ければいろいろ言われるということを体験しましたので。

 

将来どうなるのかを見極めるために、この裁判がどうなるか…注目しています。

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あえてつっこみすると・・・

2011-01-23 10:24:55 | 医療

おはようございます。

 

年末年始以来の休みです。と、言っても2008年~2009年は1年間で2日しか病院に行かなかった日はなかったから、あの一年間を思えばすごく休めているのですけどね。

今日はこの後、クリーニングの回収や洗濯、掃除などをして・・・走りに行くかどうか迷っていますw

 

とりあえず、こちらの記事をみて少し思ったことを書いてみます。

 長野県内の医師不足は深刻だが、トップが率先して気持ちを述べれば、医師の心を動かすこともできる--。松本市の菅谷昭市長は18日の会見で、市内の病院の後任院長探しで、候補者がいる北海道まで自ら出向いて就任を要請、了承にこぎつけたと明らかにした。菅谷市長は「幸運もあったが、首長自らが陣頭に立つ意気込みを示すことが大切」と語った。

 発端は昨年10月。松本市中心部から北へ約13キロ離れた四賀地区の市国民健康保険会田病院(31床)で、70歳となる鈴岡正博院長が、高齢などを理由に今年3月末の退任を申し出た。菅谷市長によると、自身の出身の信州大付属病院に後任の医師派遣を打診したが良い返事が得られず、難航していたという。

 そこへ、市職員の高校時代の同級生が、北海道稚内市の南約150キロにある美深(びふか)町(人口約5000人)の美深厚生病院で副院長をしていることが判明。さっそく、松本市の病院局長が連絡を取って就任を打診した。さらに12月には菅谷市長が現地に飛んだ。

 旭川市内で首長自らの懇請を受けた松本出身の北原徳也医師(58)は、就任する予定だった他の病院の話を断り、「故郷に恩返しがしたい」と受諾したという。菅谷市長は会見で「机の上だけの人探しでなく、首長がもっと動くべきだ」と話した。【高橋龍介】

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実は突っ込みたかったのは年齢なんです。

実際、有名な話ですが医師に定年はないです。80歳で働いていた方も知っていますし、70歳で働くのは当たり前なのかもしれませんが…できることは限られてくると思います

 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/07/dl/s0728-9c.pdf(参考資料)

 

また、厚労省の医師数のリストも死んだ人が入っていたり、外国に行ってしまっていない人が入っていたり、実際に働いていない人も入っていたり・・・。

 

いろいろなことが言われています。

 

昨日の話に戻りますが、医師数は足りるのでしょうか?

少し前までは80歳を超える人に手術をしたり、抗癌剤治療をしたりなどということはほとんどなかったのではないでしょうか。透析をすることもあまりなかったのでしょうけど、今では状態が良ければやります。

 

実際の臨床現場の最前線の人数は減り、高齢の医師は増え、できることが増えてくるために仕事は増え・・・

 

俗に言う定年の年齢の医師が前線で働いていらっしゃいます。また、実際には薬剤会社などで働かれている人もいると思いますし、研究を中心にされている方もいると思います。

 

本当に医師数は足りるのでしょうか?

 

その疑問だけ投げかけて、この記事は終わります。

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医学部新設に反対:反対という意見を否定はしないが、理由は否定したい

2011-01-22 17:40:12 | 医療

こんにちは

 

2時過ぎに一度帰ってきました。

昨日の当直では特に患者さんは搬送されてこなかったのですが、初診の対応をする内科の当直の医師につながらないということで、何故か僕が対応することになり電話を受けました。

近くの開業医さんなんだと思いますが、若年男性で発熱、頭痛で受診されて、インフルエンザ迅速検査が陰性だから、髄膜刺激兆候はないけど…大学病院で診てくれ…という電話。

 

申し訳ないですけど、神経内科のベッド数を確認した後「本当に髄膜炎なら入院ベッドがない状況なので対応不能であり、髄膜炎でないのであれば二次救急などで対応してもらってほしい」旨をお伝えしました。

 

それ以外は何もなく、学会の準備をしておりました。学会準備といっても大きなものではないのですけど、研修医の先生に発表してもらうスライド作りをして、今日打ち合わせをしました。

血液内科にぜひ来てほしいということで、打ち合わせの後昼に寿司を食べに行き、そこで勧誘をしておりました。

 

「○○内科に関して、面白くないとか面白いとかは考え次第だから何も話さないけど、血液内科の楽しさは伝えたい

ということで、語っておりました。

 

そしてそろそろ専門分野を決めるようにとも言いました。

専門分野を決めておくことで、各研修先の研修の仕方が異なってくるからです。逆にそういう研修ができないのであれば、研修はこなしているだけになるでしょう

 

是非、血液内科に来てほしい人材ですね。

 

さて、今日の記事ですがこちらの記事をまず紹介します。

  全国医学部長病院長会議は医学部新設に改めて反対する姿勢を強調した(1月20日、東京都内)
 全国医学部長病院長会議(会長=黒岩義之・横浜市立大医学部長)は1月20日の定例記者会見で、医師不足をめぐる医学部新設の動きに対して、「医学生の質、医療の質が確保できない」と改めて反対する考えを表明した。医師数の不足は、既存医学部の定員増で対応するのが妥当だと強調。その上で、「医師不足を数だけで議論する時代は終わった」とし、地域偏在・診療科偏在の是正や、将来の養成数の調整も含めた検討が行われるべきだと訴えた。

 文部科学省が新たに設置した「今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会」で委員を務める黒岩会長は、これまでの定員増により、必要医師数の充足に一定のめどが付いたことを評価。一方で、▽このまま推移すれば2030年には、人口当たりの臨床医数がOECD(経済協力開発機構)加盟国平均を超える急激な定員増は医学生の学力低下を招き、日本の高い医療レベルが維持できない―など、今後も養成増を続けることの問題点を指摘し、将来の養成数の調整や、医学教育の質の確保が困難な医学部新設に否定的な姿勢を示した。

 その上で、医師不足の解消については、「偏在の解決がないままでは、単に数を増やしても、国民の求める医師養成とは程遠い」と述べ、臨床研修制度の見直しを含めた幅広い視点で検討する必要性を主張した。
 嘉山孝正相談役(国立がん研究センター理事長)も、現行の臨床研修制度や診療科の自由標榜の課題に言及。医療制度の面からの改善が医師不足の解消には実効性が高いとした。

 一方、「医学部新設を進め、競争による質の向上を目指すべきだ」との考え方があることに対し、森山寛副会長(慈恵医大附属病院長)は、「一人の医師を養成するのに約1億円の税金が掛かるとされる」とし、厳しい財政状況下で過剰な養成は適切ではないと反論した。

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はっきり言えば、僕はがっかりです

たぶん、どの考え方も一理あるのだと思いますが、昔の失敗と同じことをしようとしているように思います。ただ、結局競合先が増えることを警戒しているようにしか見えないのが悲しいです。そうでなくては、このような結論に到達するような馬鹿な人たちではないはずだから。

 

研修医の先生に言うことと同じことを書いて良いのかわかりませんが、僕はよくこう言っています。

「先生、~~なので、▼■してよいですか?」

という質問に対して、

「それをどのように評価して、対応するのか。Aという考え方であれば、Bという対応は間違いではない。しかし、Cという考え方であればDという対応も間違いではない。正解はない以上、どのような評価・どのような考え方でそれを行うかが最も重要なことであり、患者さんや家族に胸を張って説明できるようにしておけばよい」

と、言っています。本当に全ての人に胸を張ってこの考えを伝えることができるのでしょうか?

 

この中で僕は同じ意見を持っているのは「急激な医大生の増員に対して対応できるような教育体制ではない。それゆえ、医師の質は低下する可能性がある」ということです。

しかし、今の状況でも結局・・医大生に対して対応できることが限られてきているため、質は低下すると思いますが

 

その上で「馬鹿か?」と思わず思ってしまうのは、「医師不足を数だけで議論する時代は終わった」という部分です。

地域偏在・診療科偏在の是正や、将来の養成数の調整も含めた検討と書かれていますが、地域の偏在というのは多少はあります。しかし、以前も載せたYahooにあるものですけど、地域格差が大きいわけではないと思います。もし、あえて言うなら交通網整備の方がよいのだろうと思っています。

診療科の偏在というものは「無理やり」では解決しないものだということも分かってもらいたい。診療科の偏在、あえて変えることができるとすればシステムの改善だろう。医療システムの。

これを書くと、僕が総スカンをくらってしまいそうなので(医局制度改革よりも書きにくいアイデアですね)、具体的に考えているものは書きませんが…僕が考えているくらいだから誰かが考えているのではないでしょうか?

まぁ、そう言ったところもあるのでしょうけど…何よりも「馬鹿」みたいな話は・・・不足は不足でしかないということに尽きると思います。

ついでに言うならば「1980年代」に医師数抑制にかじを切ったときも「充足の見込み」としていたはず。僕は未来はより細かい分野に分かれ、医師不足が起きると思っています。

活動範囲が広がる結果、新しい疾患が出てくるとも思っています。そこまで考えるなら、医師数は増やしておく方がよいと思っています。そうすることで…将来、日本がリードするところが出てくるかもしれません。

日本なしでは立ち行かない…という体制を築ければ、どの国とも協力してやっていくこともできるでしょうし、自信もつくのではないでしょうか?

何か難しいことを僕も書き始めましたが、僕が言いたいことは一つだけ。医師数は増やすべきですが、今はそれができるだけの体制が整っていない

それゆえに時間を稼ぎつつ、医局の体制をもう一度整えること。横の連携を強めること。日本の医療界として、今の医療崩壊に当たることができるようにすること。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

なんとなくですけど・・・今の医学部長病院長会議では「そのようなことは期待すべくもない」と、言う気がします。

それでは、また。

コメント
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